「観客を驚かせることが趣旨になっては困ります。」フィードバック よしさんの映画レビュー(感想・評価)
観客を驚かせることが趣旨になっては困ります。
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ラジオの深夜番組が3人組の犯人グループに襲われ、人質を取られた有名パーソナリティが脅される・・・というストーリー。
シチュエーションスリラーです。
「ラジオのブース」という閉ざされた空間で、パーソナリティを含めた人質達が追い詰められていきます。
人質達の恐怖、不信、そして犯人グループの残虐性。犯人達の軋轢も描かれていて、中盤までは緊迫感を味わえる良作に感じました。
ただ、後半からはトーンダウン。特異な設定だけに、その動機や終わらせ方が難しかったのですが、良いアイデアが浮かばなかったのでしょうか?
パーソナリティが女性を死に至らしめた過去があるなら、絶対に忘れないし、事件発生時に直ぐに思い当るのでしょうが、その素振りはありませんでした。
共犯のような立場の人物と同じ仕事をするなど、お互いにあり得ないでしょう。
動機に対する戸惑いと、主役に対する共感を失ってしまった戸惑いで、前半の緊迫感を持続出来ませんでした。
せめて、犯人の勘違いで、「実は主役のパーソナリティは殺していなかった」ってオチにした方が、映画の面白さは増したように感じます。
「観客を驚かせる」を意識し過ぎたように感じられ、とても残念に感じました。
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