「【”痛みのない救済はない。そして人殺しに裁きを。”今作はスペイン映画「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」のリメイク作であるが、矢張り非常に見事な設定にヤラレル作品なのである。】」インビジブル・ウィットネス 見えない目撃者 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”痛みのない救済はない。そして人殺しに裁きを。”今作はスペイン映画「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」のリメイク作であるが、矢張り非常に見事な設定にヤラレル作品なのである。】
ー レビュータイトルに記した通り、今作はスペイン映画「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」である。因みに韓国では「告白、あるいは完璧な弁護」と言うタイトルでリメイクされている。どの作品も大変に良く出来たサスペンスミステリーであり、どの作品から観ても面白いと思う。
優れたるオリジナル映画は、優れたるリメイク作品を生み出すという私の理論(大袈裟)を証明している三作である。-
■一応、粗筋
著名な実業家・アドリアーノ・ドリア(リッカルド・スカマルチョ:イタリアの名優で、ムッチャ彫が深いというか、チョイ悪イタリア人って感じの俳優さん)は、愛人ラウラ(ミリアム・レオーネ)と不倫旅行に行った帰りの山道で、対向車とぶつかりそうになる。
相手の車を見に行くと、運転手の男(後に、ダニエル・ガルリと分かる)は衝突の衝撃で血を流して横たわっている。
ラウラはこのままではマズいとドリアを説得し、その車をドリアに近くの湖に沈めるように依頼している時に、親切な老人トンマーソが声を掛け、電気系統がヤラレタ車を自宅に牽引して行くのである。
そして、謎の脅迫状がドリアに来て、呼び出されたホテルでドリアは鈍器で殴られ、失神している間にラウラは殺され、彼は殺人者として告訴される。
そこにやって来た、負けた事がないフェラーラ女性弁護士は、彼に勝訴するために真実を告げるように誘導して行くのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・当たり前だが、今作は可なりオリジナルに忠実に作られている。最初の40分などソックリである。
・私は、オリジナルとリメイク作品を比較するのは意味がないと思っているので、そのような事は書かないが、今作では矢張りアドリアーノ・ドリアを演じたリッカルド・スカマルチョの、イケメンだがモノ凄く濃い顔が効いていると思う。この人は、イタリアの名優であるが、悪人を演じてもピカ一なのである。
・オリジナル同様に、今作でも観る側にトラップが仕掛けられている。簡単に言えば、アドリアーノ・ドリアは、彼の言う通り被害者なのか、極悪人なのかという事である。
それを、誘導尋問で暴いていくヴァージニア女性弁護士との遣り取りが秀逸なのである。
<そして、衝撃のラストシーン。分かってはいるが、矢張り見事なのである。今作はスペイン映画「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」のリメイク作であるが、矢張り非常に見事な設定にヤラレル作品なのである。>