ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男のレビュー・感想・評価
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熱い映画だった。
主人公の弁護士がショッキングな事実を目にし、使命感に駆り立てられていく過程が、ゆっくりとだがとても丁寧かつ自然に描かれている。 観ているうちにどんどん熱くなっていった。
なぜこの弁護士は、無謀ともいえる仕事に取り組む決意をしたのか。 それほどの強い義憤を持ったのか。 その理由を、この弁護士の妻が彼の上司に語るシーンがある。 私は、その理由こそが、この映画のテーマの核心に触れるところだと思う。
人は、自分一人の力では手に入れることのできない物を得ようとしたときに、他の人と協力関係を作り、共に行動を始める。ここに、「集団」が発生する。 人間一人ひとりの欲求が集合化することによって生まれるのが、人間の集団だ。
しかし、集団によって得られる累乗の成果は、そこに所属する人間の欲求を『過分な欲望』へと変質させる。欲望は欲望を煽り、肥大化する。そして、欲望の企業体は生命を宿し、脈動を始める。ここまで来ると、もはや人間の手には負えない。巨大化した企業体は、人間社会の中心部に深く根を下ろし、人間たちを見下ろし、操る存在となるのだ。
つまり、大企業とは、我々の過分な欲望が生み出してしまった、実態のない化け物という事だだ。 肉体という実態はなくとも、化け物は生きている。 そして、我々を支配し、動かし、強力な生命力で止めどなく成長を続けようとする。
化け物の成長に供していれば、豊かな生活に安住していられる。 個人が本来負うべき責任を負うことも無い。何に配慮することも躊躇することもない。働きアリとしての運命を受け入れ、盲目的に、ただ与えられた仕事をしていればいいだけだ。
しかし、それはもはや心ある人間の営みではない。 無機質な化け物の増殖活動の一端を担っているにすぎない。
大企業が掲げる「人々の幸福のため」といった美しい企業理念は、実は生身の人間が発する言葉ではなく、人間の欲望が産み出した”化け物”が吐き出す「巧言」だということを、我々は忘れてはならない。
主人公の上司が喝破したように、大企業は、往々にして人の道を外れ、「やり過ぎてしまう」のだ。
結局、物でも人間関係でも、有り余るほど恵まれていればいいわけではない、ということだろう。 主人公の弁護士から伝わってくるのは、豊かな人生に必要なのは、欲望ではなく、「渇望」だということだ。
これはヒーローを描いた映画ではない。人としてごく当たり前の感覚を持った弁護士が、今現在も大企業を相手に戦っているということを伝えようとしている、我々全員に向けた強烈なメッセージなのである。
最初は、アメリカの裁判映画―というぐらいの感覚で観ていたが、 途中で印象が変わった。 「人類の99パーセントがこの化学物質に汚染されている」 という最後のテロップは重く、なんとも言えない余韻が残る。 心を熱くさせられる、実に良質な映画だった。
アメリカにも自浄作用はあるのだ
弁護士ロブ・ピロットの怒りは地の底のマグマのようだ。時折は火山として噴火するが、大抵は見えないところで静かに燃え盛っている。
巨大企業が住民や消費者に健康被害を齎す事例は日本でも事欠かない。一般に公害と呼ばれる事例では、水俣病や四日市喘息、イタイイタイ病などがある。水俣病では現在でも苦しんでいる人がいる。
現在の日本では公害は話題に上らないが、静かに進行している可能性がある。例えば食品添加物だ。コンビニやスーパーの米に使われているグリシン、パンの製造に使われる臭素酸カリウム、人工甘味料のアスパルテームやスクラロースなどが発がん性を疑われている。臭素酸カリウムはEUや中国では食品への使用を禁止されているが、日本では禁止されていない。
また、揚げ物に使われているショートニングはトランス脂肪酸であり、不飽和脂肪酸のDHAやEPAと間違われて脳内に蓄積する可能性がある。EUやアメリカのいくつかの州では食品への使用が制限されているが、日本では制限されていない。
農薬では除草剤に使われているグリホサートが発がん性を疑われている。フランスやドイツなどのヨーロッパ各国や中南米諸国などが禁止しているが、日本は逆に緩和している。アメリカが買わせるからだ。
アメリカン・ドリームという言葉がいい意味なのは米国においてだけだ。アメリカ人の成功というのは有名になること、金持ちになることである。つまり成功者とは名性欲と金銭欲の塊だということである。日本には仏教的な恥のパラダイムがあるから欲をあからさまにするのは憚られるが、アメリカ人は堂々と欲を主張する。トランプが支持される理由がそこにある。
本作品の登場人物も欲を主張する人ばかりで、デュポン社の顧問弁護士は、デュポン社の企業責任を追及して自分の立場を損なおうとするピロット弁護士に対して「Fuck you!」と、高給取りの企業弁護士にあるまじき言葉を浴びせる。言われたロブは呆れ返ってしまう。当方も呆れ返った。アメリカという国には欲しかないのか。
大抵の政治家も欲の塊だから、企業からの巨額の賄賂で右にも左にも簡単にブレる。企業はもちろん自社の利益を守ることしか興味がない。そこで働く人々は自分たちの収入を守ることが第一だ。被害者の代表であるロブ・ピロット弁護士は、権力者の敵なのだ。
流石にプロデュースにも参加しているだけあって、マーク・ラファロの演技は圧倒的だ。真摯に粘り強く努力するロブ・ピロットには誰もが感情移入するだろう。最初は夫が理解できなかったが、夫への愛情には変わりがなく、夫の仕事を理解することで少しずつ視野を広げていく妻サラ・ピロット。アン・ハサウェイの演技も最高だった。
本作品によってアメリカン・ドリームの信奉者が減ることはないかもしれないが、アメリカン・ドリームを果たした人々によって何が行なわれているのかは理解できると思う。何より、本作品がアメリカ映画であるという点が大きい。アメリカにも自浄作用はあるのだ。
もっと裁判の内容を掘り下げたストーリーを展開してほしかった
冒頭の公害が始まる1960年代から、農家の牛が大量死するなどの被害が出始めた90年代、主人公の弁護士がデュポン相手に裁判を起こす2000年代などデュポンの公害だけではなく戦いの記録も事細かく追っている作品。本作が怖いな…と思うのはこの事件がまだ解決していなくて裁判も継続中だと言う事。弁護士もいまだに戦っていてデュポンという会社も普通に存続している。正直デュポン側は何も悪いと思ってないと思うんですよね〜…巨額の賠償金と言ってもそれ以上に利益を上げているデュポンにとっては痛くも痒くもないんだろうし…ストーリーは公害や裁判について事細かく描写している反面、家族のエピソードなどの描写も多くて、公害のドキュメンタリーなのか裁判で戦う弁護士の物語なのかどっちつかずな感じで、全体的にテンポが悪く間延びしていたのはもったいない。もっとデュポンとの裁判の内容を掘り下げたストーリーを展開してほしかった
とても良い映画
この作品を観た後、自分なりに気になったので、テフロンについていくつか調べたりしました。
「テフロン 危険」などと検索すると、その危険性について述べた記事がたくさん出て来ます。
例えば、「PTFEは、テフロン加工のフライパンなどに使用されており、剥げて人体などに取り込まれると危険である」といった内容の記事などです。
また一方で、テフロン加工されたフライパンの商品ページも普通にたくさん出て来ますし、テフロン加工されたフライパンの使用自体は危険では無いとの記事も…(もちろん、テフロン・フリーの物も)。
正直、何が正解なのか分かりません(笑)
テフロン加工のフライパンなんて、昔から普通に使用しているし、健康被害があったなんて話を(少なくとも)自分は聞いたことがない…。
しかし、この作品を観た後では、テフロンを使用した商品を使ってみようという気にはなりません(笑)
デュポン社のように、会社の利益のために生命を蔑ろにするような企業の製造する商品を進んで使用したいとは、やはり思わないです。
水俣病に関する作品などと同じく、こうした作品を観ることで、改めて健康被害について考えるきっかけとなりました。
そういう意味では、鑑賞する意義がとても大きい作品だと思います。
淡々とエビデンスを読み解いていく地味なドラマなのに猛烈なカタルシスに帰結する忖度のソの字もない実話ドラマ
オハイオ州の大手弁護士事務所に勤めるロブ・ビロットのもとに大量のビデオテープと資料を携えた見知らぬ農夫が訪ねてくる。ウェストバージニア州からロブの祖母の紹介で来たというウィルバー・テナントが持ってきたのは自分の農場がデュポン社の工場からの廃棄物で汚染されたという物証。村の弁護士に相談したがデュポン社に忖度して誰も調査を引き受けてくれないので彼をロブを頼ってきたという。しかしロブはまさにデュポン社をクレームから守る立場にある弁護士であり、真逆の立場を取ることは出来ないとウィルバーを追い返す。しかし、どうしてもウィルバーが言っていることが気になり彼の農場を訪ねたロブはそこで彼の農場の牛が190頭も病死しており、彼の農場以外でも様々な異変が起こっていることを知る。ウィルバーからかつてデュポン社が環境調査を実施したことを聞いたロブは早速デュポン社に掛け合い調査報告書のコピーを取り寄せるがそこに書かれていたのは全くのデタラメだった・・・からの実話ドラマ。
環境保護活動家としても著名なマーク・ラファロが10年以上の年月を懸けてデュポン社と法廷闘争を展開したロブの活躍を知りプロデュースを買って出たという渾身の作品。デュポン社が何かを隠蔽していることを確信したロブの資料請求に応じたデュポン社から届いたのは大きな会議室を埋め尽くすほどの書類の山。徹底的にエビデンスに当たり論拠を積み上げていく地道な作業には途方もない時間がかかる一方でロブの依頼人は貧しく立場の弱い農場主なので成功報酬のみという条件で弁護を引き受けたためロブは自分の生活までも犠牲にしなければならなくなる。この辺りの描写は沈痛で胸が痛くなるほどですが、その地道にも程がある努力がついに明らかにする事実に胸が熱くなります。
この手の社会派ドラマは法廷シーンがメインとなりますが、本作で尺が割かれるのは積み上げられた資料の精査と有害物質による健康被害に苦しむ人達との対話。それだけ聞くと退屈に思われがちですがそこが実に丁寧にスリリングに描写されていて全くダレ場がないタイトな演出になっています。ロブを演じるマーク・ラファロのひたむきな演技が圧巻であることは言うまでもないですが、ロブの妻サラを演じるアン・ハサウェイ、ロブの上司を演じるティム・ロビンスをはじめビル・プルマン、ビル・キャンプといったベテラン勢のリアルな演技はどれも素晴らしいです。さらにはロブ夫妻本人や実在の被害者達によるカメオ出演もドラマをしっかり盛り上げます。
ドラマとは直接関係ありませんが、何気ないパーティの場面での給仕達の表情や会議シーンでの若手弁護士の発言、ロブが乗っている車の変遷といった画面の隅を彩っているものも観客に語りかけてくる感じも本作の特徴、この辺りが今回初鑑賞となったトッド・ヘインズ監督の作家性かもと勘繰っています。
どうにも取り繕いようのない辛辣な現実を忖度なしでエンターテインメントに昇華するハリウッドの製作陣の鼻息の荒さを感じる力作です。
アメリカのMINAMATAだ
マーク・ラファロがティム・ロビンスと対立して孤立してしまうんじゃないかなと思ったが事務所団結で巨大企業に立ち向かう、実話とはいえ良い展開でした。しかし約7万人とはいえ血液検査に実際7年もかかるものなのかな?なかなか良い映画なのに何故に上映館が少ない?
今が買い替え時
レビューの参考にと、映画鑑賞後にラジオ番組での町山さんの解説を聴いてみた。すると町山さん、映画の内容全部しゃべってるwでもまぁ、この映画は「ほんの20年余り前からの事実」を映画化したものであり、ネタバレも何もない。
この事件で日本も例外なくPFOAが規制の対象となっており、身近なところではテフロン加工のフライパンが一例です。ニュースで何気なく聞いた気がしたそのことは、まさにこの映画で語られていること。観終わって早々に自宅のフライパンが気になってしょうがなくなります。
マーク演じるロブ・ビロット(実名)は実に地味な人であり、映画もいわゆる法廷劇的な盛り上がりはありません。でも、こうして映画にしてくれることで知れる事実を思えば、十分に意義のある作品ではないかと思います。
さて、新しいフライパンを探そうかな。
トランプの敵と戦い、どんな困難にも負けず最後に勝利した男のノンフィクション! すごい勇気をもらえる!
よく公開できたものだ。
普通なら殺される
「ゼイリブ」は映画関係者が謎の死。
「スライブ」も改変された
「JAアングロサクソンミッション」も、初回のが乗っ取られた感じで消された
私はフッ素加工の禿げたフライパンを使って、2回も癌になった。
フッ素的な劇毒は、歯磨き粉や、歯科医、シャンプー、ナプキンなどに使われ
毎日すこしづつ体内に入っている。 だから現代はがん患者が多いが
こんな昔からわかっていて世界中で売られていたなんて・・・
「秘密結社」の訳が出てきて、大爆笑した。
政府も、医者も、警察も、抱き込まれてグルなんて、最近やっと言われ始めたが
当時はすさまじいいじめだっただろう。
何度追い込まれても立ち上がった主役に、男性の強さと
夫を支えた夫人の女性のすばらしさを見た。
どんなに悪い人に嫌がらせを受けても、困難にも
「負けすに頑張れば勝てる!」
という、成功疑似体験が出来、人間の誇りや勇気をもらえる。
勝負や、試験の時に、何度でも見て自分を鼓舞したい、素晴らしい映画である。
このコメントは消されるかもしれないが
出演者や製作者に深く感謝する。
組織は全て悪い
公害を扱った映画は「MINAMATA」に続いて今年二本目。こっちのほうが完成度は断然高い。
家荒らしや放火はMINAMATAでもあった。どこの世界でも大企業のやることは変わらんなあ、と思う。
チッソにしろデュポン社にしろ、そこに務める社員ひとりひとりは「善良な」一般市民なんだと思う。
だが、組織という巨大なものの中に組み込まれると人間性を失い、平気で汚染物質を垂れ流したり、悪どいことをしだす。
我々も、消費者としてそういうメーカーの商品を知ってか知らずか使い続ける。
大企業に囲い込まれた現代社会で、何の力も持たない一般市民にはどう抗う術があるのか。
そういうことを考えさせられる。
巨大企業相手に映画を製作するアメリカ映画界の力強さ
デュポン社という巨大企業の環境汚染、そして住民、動物被害等を突き止めていく弁護士の実話に基づいた映画。
映画化に当たっては主演でありプロデューサーのマーク・ラファロ、監督のトッド・ヘインズの不正への真実を伝えようという「強い思い」。そして、実在する一人の弁護士、弁護士事務所、住民に焦点を当て、巨大企業に立ち向かう人たちの「膨大なエネルギー、立ち向かう力、孤独、不安、圧力、差別、脅迫観念」などなど、押しつぶされそうになっていく状況を描いているところにこの映画の伝えたいもの、凄さがある。
政府、巨大企業、そこで働く人たちの中、誰が被害者のために戦ってくれるのか。
発がん性物質は、テフロンを製造する過程で使用するPFOAです。
原題は、「Dark Waters」で、PFOAを含む汚染水です。
邦題は、「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」で、主人公のことです。
どちらも甲乙つけがたい良いタイトルです。
ドキュメンタリー映画で、真相を知ることになった初めての映画です。
知らなかっただけに衝撃を受けました。
テフロンという単語を聞いて、焦げないフライパンを想像する人には
お勧めできる映画です。
「株式会社ジャパネットたかた」とテレビ局の社員は、この映画を
観なければなりません。
この映画が、テレビ局等のメディアで取り上げられない理由もそこに
あるということです。
テレビ局等のメディアは「それだからメディアは信頼されないんだ。
デュポン社をやっつけろ。全員でだ」と言っていません。
デュポン社の悪事に加担して、利益を得ている人はたくさんいます。
映画「インサイダー」が好きな人にもお勧めできます。
この映画が気に入った人には映画「インサイダー」をお勧めします。
この物語は、世界に伝える価値があります。
この映画に有名なスタッフとキャストが関わっているのは、
世界に伝えなければという想いをこの映画に込めるためだと感じました。
テフロンは、半導体製造用の各種薬液の製造、搬送、貯蔵等のプラント
にも使用されています。
半導体製造装置を製作し、販売している世界的な大企業で17年ほど勤務
していましたが、健康に対して悪い噂を聞いたことはありました。
半導体工場の排水を流す河川には、魚を放流し、露見する前に対策する
という話も聞いたことがあります。
日本にも、間違いなくPFOAは存在しています。
汚染水といえば、福島原子力発電所の処理水も問題なしということで、
太平洋に放水される予定です。
福島原子力発電所の周囲の除染基準は、「平成二十三年三月十一日に
発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出
された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」に
より変更されました。
福島原子力発電所の融解した炉心は、10年以上経過しても、変わらず、
燃え続けています。
政府やメディアは「復興五輪」と宣伝していましたが、真っ赤な嘘です。
パンフレットは良くできているので、お勧めします。
大企業の悪どさに驚く
大企業相手に訴訟を起こして多額の損害賠償金や和解金を勝ち取る映画はいくつか観てきたが、どれも共通しているのは大企業側の悪どさだ。非を認めなかったり、裁判を引き延ばしたり、原告に対して妨害活動を行ったり、和解金を少しでも減らそうとする。対抗するのは正義の気持ちや功名心や報酬といった様々な理由で裁判を担当する弁護士だ。
本作の面白いのは、主人公の弁護士ロブが裁判を引き受けようとするきっかけが祖母の紹介だということ。そして、所属するのが企業の顧問を担当することを専門にしている法律事務所という点。あまり(というかかなり)乗り気でなかったところから出発する。
そこからはこの手の映画の王道の作り。ロブだけでなく事務所トップのトムも正義感に突き動かされていくのは痛快だった。そして、訴訟相手のデュポン。こいつらの悪どさったらない。最後にデュポンが仕掛けた嫌がらせというか対抗策は本当に胸くそが悪くなるものだった。テフロンの裏にこんな訴訟があったんだな。やはり無知は怖い。
だから爽快感は低め。でもデュポンへの怒りを溜め込むには十分な作りだった。そして、最後に原告やロブ本人たちが登場するのは若干のサプライズ。あれ、本人だったのか!
世界を変えて、動かすのはは1人の人間の良心と倫理観から始まるのです...
世界を変えて、動かすのはは1人の人間の良心と倫理観から始まるのですね。
その正義感、職業倫理が共振して支える人がでてくる♪
日本の弁護士の方々は、この映画を観てどう言う印象を持つのだろう?
少なくとも、私がいままで関係のあった弁護士にこんな人物は皆無だった。
実話の20年・・・長かったろうな。
夫婦共カソリックと言う点に日本人にはなかなかわからないメッセージも込められているのかも?
ウエストバージニアと言うだけで、差別される文化もあったのですね。
B級ホラーのようなオープニングに騙されるな
実話ベースの作品は救いがないので好きではないのですが、いい感じに盛りが効いていて楽しめました。
被害者本人やデュポン、ダウ・ケミカル、3Mなど実名で実在の企業名もでてきますが、創作と実話が非常に良い具合にブレンドされていて普通に映画として楽しめるのではないでしょうか。
特に演出が光るところとしてはヘリコプターが飛んでくるところで、伝聞ではそれほど恐怖を感じるような話でもないはずなのに芝居とカメラワークなどの演出で物凄く怖いシーンになってます。
台所や地下駐車場などのかなりこすられた演出もありますがホラーのような手法が良い緊張感を生んで飽きさせずに観ていられます。
ホラーといえば、まさにB級ホラーのテンプレートのようなオープニング。冒頭でぶっ放すことでその後のホラー演出を受け入れて見られるようになった気がします。
衝撃的な映画でした、「テフロン製品を捨てよう」と思いました。
まず、本映画を製作・主演したマーク・ラファロに敬意を評したいと思います。とても勇気ある行動です。国家や巨大企業の隠蔽工作について描こうとすると、何かと圧力があると思います。特にスポンサーありきの映像産業においては致命的な結果を招きかねません。しかも相手は世界的な大企業であるデュポンです。アリが巨像に向かっているのと等しいです。日本のフィルムメーカーであったのなら、絶対に立ち向かわないでしょう。こういう映画を作るアメリカのフィルムメーカーに気高い生き様に胸を打たれました。もちろん、実在の弁護士であるロブ・ビロット氏には尊敬以外の気持ちは湧きません。わたしたちの身の回りには多くの有害な化学物質があると思いますが、すべてを防除できないでしょう。であるなら、情報を入手して、できるだけ安全安心な生活が営めるように日々、アンテナを張り巡らせるしかないと思いました。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
マイクロアグレッション
企業対個人で個人が勝つには猛烈な代償を伴うが何とか勝つという希望のあるストーリーなのだが、キャストに黒人差別を感じる。(出世思考の若い黒人弁護士、嫌みを言う黒人裁判官など)
この監督は社会問題を扱う人のはずだが、残念だ。
水俣に繋がる作品
人間の命をレセプターと呼ぶ企業の狂気に震撼した。
エリンブロンコビッチのような作品と思って見に行こうか迷ったが
勇気のある良い作品だった。実際の患者さんも実物で登場したり驚いた。
弁護士さんと関係者に敬意を表したい。どうか人命重視の世の中に変わりますように☆
亡くなった方、苦しんでいる方が少しでも報われますように☆
1998
前提知識は特になく鑑賞しました。
タイトルの通り、廃棄物により発生した汚水から発見された有害物質により、人々や牛などの動物が苦しみ、それらを引き起こしたデュポン社を訴えるために戦う実在の弁護士の方のお話です。
全体的に救いがあると思いきや、救いがなく、解決したかと思えば、大企業は駄々をこねる、というサクセスストーリーとは程遠い、常に重い空気の流れる脚色されたフィクション作品でした。
その重い空気が物語に大切な事は分かるのですが、いかんせんテーマも辛いのもあり、個人的には序盤の方から疲れてしまいました。10年以上経過した話から少しずつ安定して観ることができました。
周りの人々から厳しい目で見られる主人公が、それでも被害者たちをなんとしてでも救うために奔走する姿、そんな夫を全身全霊で支える妻の姿がとても魅力的でした。
現在もなお続いているこの事件、なんとしてでも大企業は罪を認めたくないのはどの国も共通項なんだなと苦虫を噛み潰したような感覚になりました。ハルクとワンダーウーマンが一般人としての生活を送っているシーンを観れたのは思わぬ儲けものです。
鑑賞日 12/20
鑑賞時間 18:30〜20:45
座席 I-7
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