「今のテフロン加工は別物です」ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
今のテフロン加工は別物です
一番最初にテフロン加工について書かないといけない。
一言でテフロンと言っても何十種類もあるそうで、現在流通しているテフロン加工は安全なテフロン加工だそうです。組み合わせによって危険なものもあるということだそうで。
まあ、悪いイメージ付いたなら名前を変えればいいのにとは思うけどね。ツルツル加工とかさ。そういうところ、アメリカはよく分からん。
さて本作だが、ドキュメンタリーのように進行する様子は少々映画的にはマイナスだったかと思う。
実際に被害にあった本人が幾人か出演していることからも、被害者たちと闘い続けた主人公を描きたかったのだろうなと推測できるが、もっと映画的娯楽度は担保して欲しかった。とはいっても退屈というわけではないのだが。
物語の盛り上がりは、最終盤で描かれる裁判の結果の部分かと思う。ここがほとんどテキストだけで終わってしまうのだ。
なんなら裁判が始まるぞというところから映画が始まってもよかったくらい、ここが一番盛り上がったはずだ。
面白いんだけど何かズレてるなあと感じずにはいられない。
事実に基づいて描いているだろうから本当にそうだったのだろうが、超お得意様の大会社を相手に闘おうという弁護士に対して所属している弁護士事務所から妨害がなかったのはよかった。全面的サポートというわけでもないけれど。
最後に、どこまで真実か分からんけれど、社内で人体実験までして害があると分かってもなお売り続けたデュポン社はえげつない。
何のための実験だったんだよ?無駄に被害者を増やしただけじゃねーか。
環境どうこう以前にそのマインドが恐ろしいわ。