ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男のレビュー・感想・評価
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アメリカの資本主義の手強さ
巨大企業の長年にわたる隠ぺいを執念で追求する弁護士の物語。大企業の顧問弁護士をやるような男が、片田舎の粗野な男の言うことにちょっと耳を傾けてみたらとんでもない不正が発覚していく。弁護士サイドは主人公のみならず同僚や上司も、色々な現実に直面しながらも、きちんと社会正義を実現しようという気概を持っているのがいい。しかしながら資本主義の巨人は本当に手ごわいんだなと実感する。主人公のモデルになった人物はいまだにこの訴訟を戦い続けているらしいが、アメリカという国は、本当に資本主義レースで勝てば官軍なんだなと実感させられる。マーク・ラファロがタフで諦めの悪い主人公弁護士を熱演している。ここでの彼は家族を危険にさらすことと社会正義のために戦うことに引き裂かれた一人の等身大の男にすぎない。彼にとってこの不正との出会いは人生を変えられてしまうような体験になっている。こういう人生の節目で見て見ぬふりをして現状維持を選んでしまわない、その選択と心の強さが映画の芯になっている。
こういう映画をトッド・ヘインズが監督したのは意外な感じがする。しかし、全体的にとてもよく演出されていて画面に集中させられた。
デュポンの不正とテフロンの害に唖然! だが弁護士と映画人の良心に勇気づけられる
テフロン加工のフライパンを以前は当たり前に使っていた。テフロンがはげてきているのを使い続けるのは体に悪いというのは一応知っていたが、その有害性がまさかこれほどとは……。
この実録ドラマにおける“悪役”は、有機フッ素化合物の一種「テフロン」の特許を持ち、その製造過程で有害な物質が生じることを把握しながら、工場から40年も廃棄物を垂れ流して土地や川を汚染してきた米化学大手デュポン。名門法律事務所でもともとは企業側につく立場だった弁護士ビロットが、デュポンの工場の近くで農場を営む男性から牛の大量死を調査してくれと頼まれたことがきっかけで、巨大企業の恐るべき不正を知り、環境汚染と健康被害に苦しむ住民側につくことを決意。家族との時間を犠牲にし、自身の健康を顧みず、収入減にも直面しながら、十数年にもおよぶ不利な闘いを続けていく。
この訴訟を報道で知り、最初に映画化に向けて動き出したのが、ビロット役で主演を務めるマーク・ラファロだ。直接ビロットとコンタクトを取り、製作者の一人として脚本をマシュー・マイケル・カーナハン(「バーニング・オーシャン」)に依頼し、「キャロル」「ワンダーストラック」のトッド・ヘインズが監督を引き受けた。劇中、ビロットの上司(演じるのはティム・ロビンス)が「大企業の味方ばかりするから弁護士は嫌われるんだ。不正をしてきたデュポンを許すな!」と事務所の弁護士らを鼓舞する台詞があるが、これはきっとラファロたちスタッフとキャストの気持ちも代弁しているはずだ。
原題は「Dark Waters」だが、「水」の意味では不可算名詞のwaterにsが付いている点にも注目したい。「川」や「海」の意味で使われる場合は可算名詞になるので、つまり、この事件の舞台となったウェストバージニア州の川だけの問題にとどまらないことを訴えているのだと解釈できる。有機フッ素化合物は「永遠の化学物質」とも呼ばれ、分解されずに今や世界中の海に広がっていることがエンドロールの情報で示される。啓発と注意喚起の意義も大いに認められよう。
日本ではこうした大企業や国の不正を追及する実録ものはなかなか作られないが、邦画の作り手も本作にきっと刺激を受けるだろうし、そんな気骨のある邦画を期待する観客も増えることを願う。
マーク・ラファロの信念を見た
本作のストーリー構造はオーソドックスだ。組織の不正を暴いたり、孤軍奮闘で正義を貫いたりーーーそんな類のものはすでに数多く見たよ、と言われればそれまでだが、しかし本作が何より秀でているのは、グッとテンションを抑えて、夜闇にほのかな光が浮かび上がるイメージを絶やさないところだろう。それは闇に立ち向かう唯一の希望のようであり、押し潰されそうになりながら決して諦めない主人公の心境をも投影しているかのようだ。マーク・ラファロ演じる弁護士は背中を丸め、冴えない男みたいに見える。そんな彼が見過ごせない事実に気づいた時、引き返せぬ一歩を踏み出す。時には上司にため息を吐かれながら、なぜ彼はこれほど身を捧げることができるのか。単なる告発モノにとどまらず、コミュニティや家族、それに宗教的なモチーフが挟み込まれているのも興味深いところ。製作を兼任しチームを率いたラファロ、カメラの前でも後でも最高にいい仕事をする。
映画の持つ力を改めて感じさせてくれる。
ハリウッド映画のスターであり、実力派俳優のひとりであるマーク・ラファロが主演とプロデューサーを兼任して、全米を震撼させた実話に基づく衝撃の物語を映画化した。巨大企業との闘いを描いた内容のため、場合によってはスターの地位を失う危険性もありそうなもの。しかし、主人公の弁護士と同様に、不屈の精神で本作を製作したラファロの熱い思いが見る者の胸を打ち、映画の持つ力を改めて感じさせてくれる。
本作のコピーに「真実に光をあてるためにどれだけのものを失う覚悟があるのか―」とある。自らの大切なものを失うかもしれないことを覚悟して、巨大企業の隠ぺいを暴き、弱き者を救おうとすることは並大抵の信念ではないだろう。ラファロは、そんな弁護士ロブをヒーローや聖人として演じるのではなく、プレッシャーやストレスとも闘いながら、真実をひたむきに追及する生身の人間として感動的に演じ切っている。
PFOAのことを学び見ることに。素晴らしい映画。実話の重みがある。...
PFOAのことを学び見ることに。素晴らしい映画。実話の重みがある。最後の方で気持ち折れかけるだけに、ラストの展開には心を打たれる。本当にすばらしい仕事。そしてデュポンが許せない。
第三の天使がラッパを吹き鳴らすと…。 暴走した資本主義の闇黒にメスを入れる、現代の英雄譚!
巨大化学企業「デュポン」が引き起こした水質汚染問題に立ち向う弁護士ロバート・ビロットの戦いを描く、実話を基にした法廷サスペンス/ヒューマン・ドラマ。
主人公である環境弁護士、ロバート・ビロットを演じるのは「MCU」シリーズや『グランド・イリュージョン』シリーズの、名優マーク・ラファロ。なおラファロは本作の製作も務めている。
ロバートの妻、サラ・ビロットを演じるのは『プラダを着た悪魔』『マイ・インターン』の、オスカー女優アン・ハサウェイ。
ロバートが勤務する弁護士事務所「タフト」の経営者、トム・タープを演じるのは『トップガン』『ショーシャンクの空に』の、レジェンド俳優ティム・ロビンス。
〈第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。
この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が「苦よもぎ」のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。〉
これは新約聖書中の一書、「ヨハネの黙示録」に記されている世界の破滅に関する一節であります。
7人の天使が一人一人ラッパを吹いていき、その度に世界を大いなる災いが襲うのですが、その第三の天使が引き起こす災害こそが毒物による水質汚染なのです。
1802年に設立された超巨大企業「デュポン」。
南北戦争から現在まで、「死の商人」として火薬や爆薬、ナイロン製品やゴム製品を軍隊に売りまくって成長してきたまさに資本主義の権化。「マンハッタン計画」では核兵器の開発にも力を貸している。うーんこの…。
死のトランペッターもかくやというこの化け物に、ただ一人立ち向かった漢こそが本作の主人公ロバート・ビロット弁護士!フライパンの加工などに使われる合成樹脂「テフロン」の危険性を世界中に知らせた現代の英雄である。彼がいなければいまだにテフロンによる健康被害は広がり続けていたのかも知れない。ありがたやありがたや🙏
主演兼プロデューサーを務めるマーク・ラファロ。超人ハルクを演じたことで広く知られるようになった彼だが、実は熱心な環境活動家でもある。水圧破砕法(フラッキング)という天然資源採掘法が環境を汚染していることを知った彼は反対運動を展開。その結果、ニューヨーク州ではフラッキングの全面禁止が2015年に決定された。
2011年にはスタンフォード大学の教授らと共に「The Solutions Project 」という環境団体を設立。再生可能エネルギーのみで持続できる社会の実現のために活動を続けている。
また、自らの政治的なスタンスもはっきりと表明している。かねてよりイスラエルとパレスチナの非対称戦争状態について非難を続けており、第96回アカデミー賞の授賞式ではガザ停戦を呼びかける赤いピンバッジを胸元に着けて登場。暴力や差別を断固否定する彼の態度こそ、正しくスターとしてのあるべき姿であると言えるだろう。こういうことだぞダウニー・Jr.!😠
そんな政治姿勢をみせるラファロが、ビロットの弁護活動に共感するのは非常に納得のいくものであり、このような映画が作られたこともある意味では必然と言えるのかも知れない。
しかし、世界有数の超巨大企業に真っ向から喧嘩を売るような映画を作るなんていうのは並大抵の度胸では務まらない。彼の勇気、そして彼の下に集ったアン・ハサウェイやティム・ロビンスといったスターたちの義侠心に最大級の敬意を示したい。
弁護士を主人公にした法廷ものではあるが、本作はロバート・ビロットいう人物そのものにフォーカスが当てられたヒューマン・ドラマという側面が強い。
前半こそデュポンの悪事の証拠を掴むために捜査を進める探偵映画的な要素や、「PFOA」という謎の物質の正体を突き止めていくというミステリー要素があるものの、後半は長く苦しい戦いに疲弊してゆくロバートやサラの心理心情を描くということに終始しており、前と後ろで映画のトーンがガラリと変わった感じは否めない。正直、前半のスリリングな展開の方が映画的には楽しく、後半になるにつれて面白さが目減りしていったように思う。
ただ、ラファロが本当に描きたかったのは後半の人間ドラマ部分のはず。家族や仲間からの理解を得られず、原告側である住民たちから非難を浴びせられながらも孤独な戦いに挑み続けるロバートの姿を観客に見せたい、という制作側のビジョンは伝わってきたので、これはこれで正解なのだろう。
不満なのは妻であるサラの役割が小さかったこと。金ではなく義憤によって行動する夫のことは尊重したいが、子供たちとの生活は守らなければならないという、板挟みになる彼女の心境はかなり複雑なもののはず。ただ、この映画ではそこまで彼女の心奥に迫っているとは言えず、「夫の行動を理解出来ない妻」程度の役割で収まってしまったのは少々残念。せっかくアン・ハサウェイを起用しているのだから、もう少し彼女の出番を増やしても良かったと思うのだが。
地元に雇用をもたらし、福利厚生もしっかりした優良企業だと住民たちに信じられていたデュポン。しかしその裏では水質汚染により公害を引き起こし、あまつさえ人体実験まで行っていた。
この映画が教えてくれるのは、権力や体制を信用しその言動を鵜呑みにすることがいかに危険かということ、そして膨れ上がった資本主義は必ず澱み腐るということ。
「紅麹」による健康被害を生み出した小林製薬や、下請け業者に対し不当な搾取を続けていた日産自動車など、近年の日本でも大企業による不祥事は後を絶たない。
あまりにも既存の権力に従順になり過ぎていると、怒るべき時に怒れなくなる。ロバート・ビロットやマーク・ラファロのように、調子にのっている奴らを全員ぶちのめすくらいの覚悟を持ち続けていたいと心から思う。
「PFOAは全人類の99%の血液中に存在している」という、あまりにも恐ろしすぎるエンディングロール。デュポン社の製品を使っていようが無かろうが、知らず知らずのうちに我々もその毒牙の餌食になっているのである。…まぁこの99%という数字にどのくらいの根拠があるのかは知らんけど。
本作は、ある意味どんなホラー映画よりも恐ろしいモンスター・スリラー。鑑賞後、自宅のフライパンの事が気になって夜も眠れなくなること請け合いの1作!1人でも多くの人に観てほしい!
嘘のようなホントの話。
マークラファロが好きだ、
脇に回る配役の時も映画に対して安心感が生まれるし
こうやって主役に回ると良い映画への期待感が生まれる。
(*marvelは未見)
デュポンのテフロンとロブロビット弁護士の今でも続く戦い、
マークラファロは真摯に実話を演じヘインズはまるでフィンチャーの「ゾディアック」のように淡々と描く,
製作にマークラファロが入ってるように肝煎りの企画であろうことがわかる、
事実を伝えることと伝えてくれる映画、そして考えるこちら側。良い映画。
この事実が衝撃すぎます
主演のマーク・ラファロをはじめ、この作品を作られた方々がすごいと思います
マーク・ラファロの演技は今作でも素晴らしく、そう思うのですが、それより何よりこの事実が衝撃すぎて、そこで頭の中がいっぱいになります
企業弁護士は人に寄り添うより企業に寄り添うというイメージだったので、ロブだけじゃなくてトップの人まで企業を守るより人を守るという選択をされたのに驚きました
それほどデュポンのやってきた事が許されない事だったのですが
裁判の結審を待つまでもなくデュポンの責任は明らかなのにひたすら待たなくてはならない原告側、それが本当に悲しいです
それでもロブの信念は心にきました
一人の弁護士の人生を賭けた正義の闘い
米国の大企業も、日本の大企業もこういうことはやっている。政府にも止められない。逆に言えば、「人の命より金」という考えで経営してきたから大企業になっているとも言える。多くの国民が勇気を出して声を上げなければ止められない。
怖い実話
知らなかった。MINAMATAみたいな話は海外にもあったとは。今もテフロンは一般的だけど、影響はないのかな。
悪事を隠蔽する大組織と正義の人。
人が分かりづらかったけど、被害者が出てきたの説得力があった。
アンハサウェイの演じた奥さんは、ヒステリックで現実味が感じられなかった。
評価:3.5
公害反対運動がバラまく誤解の恐ろしさを痛感させる
1 テフロン加工のフライパンでガンになるって???
本作はデュポンのフッ素化合物製造・廃棄をめぐる公害訴訟を扱った映画なのだが、「デュポンのテフロン加工をしたフライパンを使っているとガンになったり、奇形児が生まれたりする」と言っているように見える。
ちょっと待った! アマゾンで日用品を検索するとテフロン加工したフライパン、テフロン鍋のほかに、テフロン衣類、テフロン傘、テフロンテープ等がぞろぞろ出て来るではないか。すると、アマゾンは日本中にガンをバラまいているのか? 米国では規制されているが、日本人などいくらでもガンになって構わないと思っているのか…ww
ま、映画を観てそのまま何も考えない人は、ずっとそう思い込むんじゃないでしょうか。ここのレビューにも、そのような意見が多数ありますね。
2 〈公害の原因物質〉は何か(1)――テフロン・フライパンは無関係
映画で問題となっているのは、広く言えば有機フッ素化合物である。調べてみると、有機フッ素化合物にもにもいろいろ種類があり、この映画に関連するのは次の2つである。
①PFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称。PFOS、PFOA、PFHxS等)
②フッ素樹脂(PTFE等)
米国の訴訟でデュポンが賠償させられたのは①らしい。PFOS、PFOAは発ガン性や生殖毒性等の疑いが持たれ、汚染物質に関するストックホルム条約の締約国会議の議論を受けて、すでに日本でも輸入、製造が禁止されている(ただし、毒性に関する国際評価には別の問題もある)。
他方、フライパンのテフロン加工、マーブルコート、ダイヤモンドコート等に使用するのは②である。こちらには発ガン性や生殖毒性は確認されていない上、①と違い体外に排出されるので害がない。ただ、フライパンを360℃くらいまで熱すると有毒ガスが発生するので要注意とか。つまりテフロン加工のフライパンは、空焚きで異常な高温にしない限り健康に害がない、というのが一般的な見方なのだ。
3 〈公害の原因物質〉は何か(2)――PFOS、PFOAの毒性は未確定
2に記載した通り、PFOS、PFOAは「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」の第一種特定化学物質に指定されて、輸入・製造が禁止されている。ところが、これらに果たして明確な毒性があるかどうかは、国際的にまだ確定されていないらしいのである。
環境省PFAS に対する総合戦略検討専門家会議の資料には、「PFOS、PFOA は動物実験等により免疫系や肝臓等への有害な影響の原因となり得ることが指摘されていますが、どの程度の量が身体に入ると影響が出るのかについては未だ確定的な知見はありません。国内において、PFOS、PFOA の摂取により人の健康被害が発生したという事例は確認されておりません」と記載されている。
このため、例えば神奈川県のHPにある「有機フッ素化合物に関するQ&A」では、「PFOSについては、ヒトにおける生殖影響や高曝露後の急性毒性等に関するデータはありません。発がん性についても、国際的に主要な評価機関による評価がなされておらず、ヒトの疫学データから発がん性があるとのデータは得られていません」と、否定的な書き方をしている。
2017年2月に「デュポンの工場から河川に流出した化学物質により健康被害を受けたとする3550件の訴訟で、合計6億7070万ドル(約765億円)の支払いで和解」という報道はあるものの、これは和解での金銭支払いであり別に公害の因果関係が認定されたわけではない。
しかし映画からはフッ素化合物は有害、デュポン憎し、テフロンは毒というメッセージしか伝わってこない。これは非常にミスリーディングだろう。
4 反公害運動と米軍基地反対運動
PFOSは泡消火剤・半導体等製品に、PFOAは泡消火剤、繊維等製品に使われてきたため、それらを所有・製造する施設が排出源となりうる。
消火剤を設置し、定期的に廃棄している米軍の格納庫も排出源となるわけで、反公害運動が米軍基地反対運動とリンクする結果となっている。
5 本作の見方
映画はPFASには発ガン性があり、奇形児が生まれる原因物質である、という明確なスタンスを示している。
しかし、上述のように健康への毒性はいまだ未確定であるうえ、反公害運動が反米軍基地運動とリンクするような政治的な様相を帯びている。このような状況で映画を肯定的に評価することは、非科学的かつ政治的な立場に自分を置くことになると思われる。
以上により、本作は評価しようがないという結論に達した。
惜しい作品
デュポン、最低だな。というのが率直な感想です。
乗り気じゃなかった、むしろ、クライアントと敵対するから弁護する気もなかったのに、現実を目の当たりにして正義に突き進む弁護士が巨大企業デュポンと法廷闘争を繰り広げる、ということを丹念に描いています。
今年は似たようなテーマでMinamata がありましたが、今作の方が圧倒的に引き込まれ面白いです。あ、日本でアカデミー賞取ったなんだっけ?アレなんか妄想塗れでしたなあと余計なこともおもいだしちゃったり、、、
なお、編集やキャスティングに難がありますって感じかなあ。いきなりストーリーが飛ぶというか話が見えなくなったり、誰だっけこいつ?になったりと多少迷子にされました。そこが無ければ今年のベスト10だったかなあ、と。
まじめないい映画です
有害と知りながら汚染物質を垂れ流す巨大化学企業デュポンを糾弾する弁護士のお話。
まじめでいい話です。テフロンがあんなにに怖い物質とは。
主役マーク・ラファロの正義感はともかくとして、ティム・ロビンスが演じる法律事務所の上司が営利だけに走らない(大企業に忖度しない)正義の人だったところが良かったですね。
それにしてもデュポンといいモンサントといい、アメリカの化学企業は悪いやつばかりな感じだ笑。
テフロン まだ続く戦い
幼少期にはよくテフロンって、くっつかなくて便利って母がよく口にしていたことを思い出す。
利便性と環境問題。
人間が生み出す化学物質と環境問題は、まだまだ続く長い戦いになるのだろう。
訴訟の展開が少し分かり難いかも
一流の企業弁護士が、世界的大企業デュポンの公害訴訟に奮闘する物語。
実話を元にしたお話のようですね。あらすじを見た際に、直ぐに「エリン・ブロコビッチ」を思い出しました。
「エリン・ブロコビッチ」も、一弁護士が巨大企業の公害に挑む実話を元にしたお話。環境問題については、日本よりも欧米の方が厳しい印象がありますが、アメリカはそうでもないようです。企業規模と土地が広大なだけに、公害規模をスケールが違いますね。
さて、主人公エリン・ブロコビッチの破天荒さに焦点をあてて盛り上がりを狙った「エリン・ブロコビッチ」と比較して、この映画は主人公の苦悩に焦点をあてたシリアスドラマ仕立て。私好みの展開ではありますが、デュポンとの攻防が分かり難くなってしまい、映画としての面白さを減じてしまったように思います。
もしかしたら、アメリカの方には有名な訴訟であるため、この描き方でも十分なのかもしれません。しかし、この訴訟を初めて知った私には少し分かり難く感じてしまいました。
私的評価は普通にしました。
タイトル通り、大企業と戦う
巨大な組織に正義感で立ち向かう人々のストーリーは、とても興味深く惹き込まれる。ただ、これは同時に「そこで勝利することは難しく、多くのケースでは有耶無耶にされてしまう」ということの裏返しだろう。
現在ではやや古い技術となってしまったテフロン加工であり、フッ素が人体にあまり良くないものである、ということはボンヤリと知っていたが、このような訴訟の歴史が隠されていたことを恥ずかしながら初めて知った。
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