「ケネス・ブラナーが頑張っていること」シェイクスピアの庭 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
ケネス・ブラナーが頑張っていること
もう何年も、ケネス・ブラナーは映画人としてイギリスに関係する作品に率先して出演したり制作したりしているように見える。
自身の出身地である「ベルファスト」を撮ったり、イギリス人作家アガサ・クリスティのポワロシリーズを撮ったり、自身のルーツ、そして出身国イギリスのルーツを、表に出していこうと頑張っているように見える。
本作「シェイクスピアの庭」も、その系譜なのだろうと思うのだ。
シェイクスピアの戯曲はイギリスで舞台をやっているだろうからそれはせず、シェイクスピア本人を描く。
しかもシェイクスピアの黎明期ではなく、最期を描くというのは、ケネス・ブラナーが最期にしっかりとイギリスの痕跡を残してやろうという意気込みのように思えた。
まあ、まだそこまで年寄りではないのでケネス・ブラナー自身が死期を感じてはいないだろうが、映画人としていつまで活動できるかと考えれば、そんなに長い時間が残されているわけではないだろうから。
作品はそんなに面白いものではなかったけど、イアン・マッケランとジュディ・デンチは久しぶりに見た気がして、そこは良かった。
イギリス映画なので当たり前だが、ハリウッド映画にもうあまり出なくなったイギリス俳優が見られたのはいい。
イギリス人キャストだって、ケネス・ブラナーが残したいものの一つなのかもしれない。
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