「ひどかった」名探偵コナン 緋色の弾丸 さめさんの映画レビュー(感想・評価)
ひどかった
毎年映画館で見ているが、
またか、、と思わされる残念さ。
「ゼロの執行人」を観たときと同じ、
興醒めさを覚えた。
「絶海の探偵」「ゼロの執行人」を始め、
近年は数作に1度、時事や科学を取り込んだ、
シリアスな作品が作られるようになった。
それ自体が良いかは好みの問題(私は好きではない)だが、
少なくとも今回は「赤井」をテーマにした作品だったはずである。
「ゼロの執行人」にも、
コナンとはマッチしない、
近代的で現実的なネタに違和感はあったが、
まだ「安室」が前面に押し出されていた、
という点で、来場者の期待値には応えられていたと感じる。
それに比べ今作はなんでしょうか。
とにかく「五輪」「リニア」「超電導」ネタをやりたい、
という強い自己満足的押し付けがましさがあり、
そのメインディッシュの引き立て役にコナンや赤井を利用し、添えただけ、
というような嫌悪感がありました。
コナンや灰原は、原作では決して言わないような
長い説明的で退屈な台詞をダラダラと喋り、
蘭や小五郎は、いちいち感情移入できないオーバーリアクションを取る。
開始から病院が攻撃されるまで、
派手な演出は一切なく、
ひたすら台詞、台詞、、。
私には、今作の主要キャラクターが、
画面の中で「生きている」ようには感じられませんでした。
ミスマッチな台詞を無理やり言わされている、
人形やロボットのようでした。
前作の「紺青の拳」が好きで、
同じ監督なので期待していたのですが、
脚本ひとつでこうも変わってしまうのですね。。
コナン映画ファンとしては、
「時事コナン」を「安室」や「赤井」でカモフラージュせず、
1度、正々堂々と脚本だけで勝負して欲しいです。
それでどれだけの評価と集客が得られるのか、やってみませんか。