「音楽がいつも側に。」WAVES ウェイブス 奥嶋ひろまささんの映画レビュー(感想・評価)
音楽がいつも側に。
とても良かった。
子ども側の気持ちにも、父親側の気持ちにもなれて
苦しかったけど、
どれだけ苦しい状況でも希望を感じられてそれが美しく、
家族がどう言う結末を迎えるのか最後まで集中力切らさず
観る事が出来た。
レスリングの優秀な選手の息子が、
一つの怪我から歯車が狂って行くのだけど、
息子だけが悪いわけじゃなく、
自分も少なからず親から期待はされて来た記憶があるから、
親父からの期待と言う名のプレッシャー、
道を踏み外すなと言う視線、
胃がキリキリした。
暴力はダメだけど、なんとなく気持ちは分かる。
演出として、その後息子の顔を出さないのも良かった。
2部構成になってて、
後半は妹の話になるのだけど、最悪な状況で現れた
ルーカスヘッジスの安心感。何も知らずに近づいて来たのか
と思ったら全て知っててと言うのが憎い。
まるで天使。
壊れて行く父母の関係性の中、心の拠り所になったと思う。
兄貴が次から次へと悪い事が重なるのとは逆で、
悪い状況から少しずつ上がって行けるのかな?と言う
雰囲気が救いだった。
父親との釣り場での会話は父親目線でとても感動したし、
自分も父親として家族に危機が訪れた時どう立ち回るべき
なのか、こんなマッチョな父親ではないけど、
やっぱり家族と共に脱したいな思いました。
父親も頑固で自分が正しいんだと言う自己中な男かと
思ったら家族を守るために不器用ながらに、
言葉通り頑張って父親を演じてたのかと思うと、
一番感情移入できるキャラでした。
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