「骨太なずっしりした映画」WAVES ウェイブス ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
骨太なずっしりした映画
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前半3分の2くらいがスター的存在の兄と女神と呼ばれる彼女の話であるのに対して、残り3分の1がその目立たない平凡な妹と兄が犯罪者だと知って彼女に惹かれる同級生、つまり日陰にいる人達の話になっている。悲劇を引き起こしてしまった主人公タイラーは、本当は優等生の良いヤツなのだとして描きたかったのではないかと思うが、まだ十代という年齢を考えれば当然のこととしても、頭が良い割にかなり激情的な性格で、共感はできなかった。父親の厳しさが話のポイントになっているが、その父親も徐々に変化し、親だからといって完璧な人間ではなく、成長途中でもあるのだと言っている。後半の妹パートに出てくる白人のBFルーカス・ヘッジスの存在も意味があり、祖父母の話の時に「母方の」と言ったのは、父親と絶縁関係だったからだった(その父親がハーモニー・コリン)。
大音量の音楽と、場面によって変わるスクリーンサイズ、監督はテレンス・マリックに師事していたのだった。
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