「自尊心と尊厳」WAVES ウェイブス Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
自尊心と尊厳
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フロリダに住む比較的裕福な家庭の男子高校生に降り懸かると問題の数々と、兄の顛末を受けての妹の話。
左肩に痛みを感じながら、日々トレーニングに励むレスリング・フリースタイル選手の主人公タイラー。
「お前の為」と、理想や思想を押し付けてきて、まっすぐに向き合わない父親や、話は聞いてくれるけれど血の繋がらない母親等の状況から、追い詰められていったのか、自分で自分を追い込んでしまったのか…。
トラブルを抱え、暴飲暴食に走り、熱くなると父親と同じ様な言い分を述べるタイラー。
君の為、お前の為は、実は自分の為というね。
自業自得とはいえ、彼のおかれた環境がしっかり描かれていて、タイラーのパートは悲しく哀しく、痛々しい。
タイラーの顛末を受けてのエミリーのパートは、それでも娘をケアしない、その必要性を感じない父親に苛つきをおぼえるとともに、エミリー目線でいうと哀しいところから始まるが、そこから約30分間積み上げていく恋愛物語がちょっと怠く、正直けっこう長く感じた。
しかしながらその先にある展開は、あなたの為が自分の為、自分達の為にとなっていく対比的な展開で、ベタだけどそうであって欲しい結末が、温かく響いた。
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