ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版)のレビュー・感想・評価
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小学生が観てもOK、ダークサイドを全削除した「ジョゼと虎と魚たち」
実写版を観て以来、10数年ぶりの「ジョゼと虎と魚たち」
実写版における、
土壇場になって意志を貫けない恒夫がとにかくリアルで、
「成就してほしかった」という気持ちと
「まあ分かる」という諦めの気持ちが交錯して
これも青春なんだろうと 無理やり消化させて
劇場を去ったことをふと思い出した
今作に触れるにあたり、
観る前は期待と不安が半々な気持ちだったど、
観た後は「これはこれでアリ!」と率直に感じた
原作に込められた障害を持つ女性のリアルが生々しく痛かった
で、今回のアニメーション版はどうなのかというと、
原作にあった、ありとあらゆるハラスメントが全カット、
いるはずの脅威の虎たちが存在しない世界に変わり、
さらに悲恋になんてならない、
これ以上は無いってくらいのハッピーエンドが用意されて、
キュンなラブストーリーになってた
これなら子供が観ても大丈夫な内容
きっと制作・配給サイドのねらい、
ターゲティングしている層が「子供から大人まで」なんだろう
原作や実写版に触れるにはまだ幼すぎるけど、
今回は子供と一緒に観れた「ジョゼと虎と魚たち」だった
これだけを見ると一見いい話なのだが、なぜか「ジョゼと恒夫の話」では...
これだけを見ると一見いい話なのだが、なぜか「ジョゼと恒夫の話」ではなく「恒夫という僕が、障害者の女の子に出会って成長できました」という男子の話、に感じられた。
どうも男性目線ロマンスだなという感じ。
また恋愛感情の描き方は各キャラともテンプレだし、どちらにも感情移入がしにくい。
違和感は、原作にはあった女性障害者への性加害の話がばっさり切り取られているという記事を読んで合点がいった。
もしアニメにも少しでもそういうシーンがあれば、ジョゼのツンケンした意地を張った態度は、そういう危険や不安や裏切りにたくさん出会ってきたことによる防御というところがかなりあるだろうと、女性ならすぐわかる。
それによりジョゼがいじらしく、もっと親近感あるキャラになっただろう。
しかしそれが全部消されたことによりジョゼは生来意固地で横柄な態度なだけの女子になってしまった。
恒夫にしてもそういうシーンを目撃して、障害者の女性に特有の危険を悟って、危ないと思うからジョゼの世話をやめられないという経緯があったら、恒夫というキャラがさらに優しく責任感ある人格としてたってきて、好きになれたと思う。
現状では、はっきりした目的意識と強い意志がある恒夫が、ずるずるジョゼの世話を続けるのは、恋愛感情もはっきり書かれてもいないしなんだか違和感がある。
恋愛感情も女性キャラほどはっきりとは描写されないからただきれいな好青年モデルお人形みたいな感じで、全体的にしっかりした子なのに状況に流されているように見えるし。
顔がいいだけという印象ではっきりしない。
また、ばあちゃんがジョゼを外に出したがらないのも他者の介入を嫌がるのも、性加害というリスクや経験があったからということなら、気持ちが理解ができ、ばあちゃんの情を感じられるが、それがないので、ただ意固地な変わったばあさんのようになってしまい、死んだときもあっさり逝ってしまった感。そのシーンがあれば視聴者としても悼む気持ちももっと湧いたのに。
エンタメなので嫌なひっかかるところはあえてばっさり切るという判断はときにはありだろう。
しかしつまりは健常人のさわやかさ消費のためにリアルの障害者女性の苦しみはネタにされただけで切り捨てられたわけだ。
原作はそれ込みでジョゼというキャラクターを書きたかったはずだ。
性被害が除去されていることを指摘した記事でもあったが、それならなぜこの原作を使ったのか?
原作のネームバリューだけとって、自分たちのしたいさわやかキレイキレイラブをやりたかったというか、結果、そうなった。
完成された物語というのはすべての要素が必要な部品としてそこにあるので、ひとつが気に入らないからといってそこをぶっこ抜いてきれいにまとめても、どこかに破綻が残る。
結果、絵や演出や音楽のおかげでキレイキレイな成長者にまとめたように見えるが、健常者と障害者の交流者としても、男女のロマンスとしても成長者としても、お手軽お涙ちょうだい二時間ドラマのようなキレイキレイなだけのままごと映画になった。
あと二次元も、それに関わる男たちも、いい加減男の性加害の透明化という逃げをやめたほうが自分たちのためだと思う。
まあ、ジョゼをエロく描かなかったことだけでもいいかもしれないが、女性向けでもあるだろうから当然か。
絵はきれいです。
成長、自立していくジョゼに癒される
瑞々しく、若々しく、外連味のない爽やかな作品である。90分という短い上映時間であり、物語に起伏はあるが敢えて深掘りしなかったことが奏功している。原作未読、2003年公開の実写版未見、予備知識ほとんどなしで鑑賞したので、この作品の魅力をストレートに味わうことができた。
幼い頃から車椅子で生活していたジョゼ(清原果耶)は、下り坂で車椅子が暴走したところを偶然通り掛かった大学生の鈴川恒夫(中川大志)に救われる。この事件で二人は出会い、メキシコ留学資金集めのバイトをしていた恒夫は、ジョゼの祖母からジョゼの世話役バイトを依頼される。恒夫はジョゼの毒舌要求に閉口しながらも応えていき、ジョゼを外の世界に連れ出す。ジョゼは徐々に元気になっていき、次第に二人は親密になっていくのだが・・・。
本作は、何と言っても、個性的なジョゼの存在感が圧倒的であり際立っている。毒舌の奥に潜んでいる、自由に一人で行動できない苛立ち、諦め、疎外感など、ジョゼの鬱屈した心情をジョゼ役の清原果耶が瑞々しい感性で表現している。初めて触れる外の世界への素直な感動と何でも知ろうとする無邪気な好奇心が可愛らしい。大人が忘れていたものを思い出させてくれる。
恒夫役の中川大志は、個性的でクセの強いジョゼに戸惑いながら、彼女の魅力に次第に惹かれていく恒夫を現代感覚溢れる大学生として好演している。ジョゼの心を開く案内人的役割を担っている。苦悩する場面もあるが、あっさりしている性格が、ジョゼと好対照で、ジョゼとのバランスが良い。
ジョゼは恒夫に助けられるだけではなく、絵の才能を使って苦境で落ち込んでいた恒夫の心を勇気付ける。コロナ禍で疲弊している我々観客の心も癒してくれる。絵の持つ力が感動を誘う。ジョゼの自立へのプロセスの第一歩として、象徴的な場面である。
本作は、恒夫との恋愛を通して、成長、自立していくジョゼの姿を描いた青春ラブストーリーである。
美しいアニメ版
実写版はとにかく辛気臭くって、原作の良さをぶち壊す駄作だったのであまり期待せずに見たのだが、こっちは良かった。
序盤は、慣れない大阪弁が耳についたけど、それが気にならなくなる程物語に入り込めた。
実写版の男の設定が嘘くさかったのに比べ、今回は男の設定も物語全体を支えるさわやかさの軸になっている気がした。
また、ジョゼも内なる葛藤から徐々に解放されていく過程も共感できたし物語を追いかけて見たくなる内容だったと思う。
画面の美しさや、丁寧さも昨今のアニメーションらしく大阪の空気を十分に味わえた。
いい作品でした。
病み上がりに染み渡った
劇中で登場人物がさらに劇をやるというのは苦手なんですが、今回はそれではじめて泣きました。
ジョゼちゃんは非常に刺々しい態度をしますが、あそこまで極端でも、心を守る防衛機制としては妥当ですね。相手を気遣って、ほんの少しの心の交流も傷つきの種になるという経験則があるのでしょう。身体に障がいがある方の生きざまを改めて考えようと思いました。
気になったのは、ジョゼちゃんが「セミの脱け殻にも届かない」「水玉の傘もさせない」と叫ぶシーン。それは、皆には当たり前にできるのに私にはできないという絶望でしょう。本当はそんなもの目指さなくていいのです。ですが例えば1人だけ肌の色の違う子が「皆と同じ色の肌ならよかったのに」と思う。思わなくていいんですが、そう思うのが人間で、特に子どもなんですよね。自分ならどんな接し方ができるだろう、とばかり考えてました。
病み上がりの働かない頭で観たもんで、細かい仕掛けにはついていけてませんが、心がすっとして前を向けた、この映画は私の力になりました。
ジョゼの成長ぶりがあっぱれ
原作未読。
東京ほどもキラキラしていない関西の町並みを背景に、
自立してゆく若者二人の恋物語。
なにはともあれ、あら、舞台は大阪、京阪神なのね、と分かった地点での親近感。
そんな関西人には少し距離のあった、おされなトーキョー、ラブストーリーでないだけで
こうも手触りが違うのか。
気の強いジョゼのキャラクターもそれだけで好感度爆上がりの冒頭。
「耳をすませば」を少し思い出させる物語で主人公たちは
ひと昔前まではド定番だった、守る男、守ってもらう女にという役割にあらず
対等に自立し、励まし、励まされる力配分で描かれている。
その姿は胸をすくし、見ている側もがぜんそんな二人を応援したくなってしまった。
見どころはやはりあの短尺で、
世間知らずだったジョゼを大成長させてしまう展開だろうか。
あの無理のなさには、エンドロールを見つながら思い出す冒頭に
あっぱれ、と思ってしまった。
見終わった後、主人公らを見習いキリリと背筋を伸ばしたくなる。
そんな作品。
ベタだけど真っ直ぐで美しい
ずーーーっと美しい作画でうっとりした。特に海のシーンが美しくてキラキラしていて良かった。
その美しい作画も相まって劇中泣きっぱなしだった。
久々に映画でこんなに泣いた。
恒夫が良い奴すぎる。
自分の夢を追い続けるだけで無く、何事も一生懸命に取り組み、周りの人達にもその真面目で前向きな姿が良い影響を与えているんじゃないかな。
我儘放題で辛辣な言葉ばかり投げつけるジョゼにまっすぐ直向きに向き合ってくれる。
こんなの誰でも好きになってしまうな。
恒夫と一緒に過ごし出掛けることで様々な景色や人物や物事と出会い、世界がひらけていく感じの胸の高揚感はとてもよい。ムスッとしていたジョゼが目を見開きはしゃいでいる姿はとても可愛い。
ジョゼが恒夫のバイト先に行き、後輩と仲良く話す恒夫を見て嫉妬し怒るシーンは天邪鬼で愛おしい。24歳だけれど外にあまり出ず人と関わる機会が少ないと精神年齢も下がるのかな。いろいろな出会いと経験で少しずつ前向きに成長するジョゼに引き込まれた。
どの登場人物も不器用で愛おしくなる。
私もこういう大学生活を過ごしてみたかったな。
幾つになっても夢を追い、苦手な事でも逃げず、ひたむきに頑張っていきたいなと思えた。
綺麗な映像で描かれるラブストーリー
原作も、実写版も触れたことがない状態で鑑賞。
絵が綺麗で、キャラデザもかわいくて、引き込まれた。
音が小さかったり大きかったり差があるところがちょっと気になる。(邦画っぽい雰囲気があって逆にいいのかも)
紆余曲折あったけど、ジョゼと恒夫、最終的にハッピーエンドになって良かった。
魚のランプのシーンが好き。
他の方々の感想を読むと、実写や原作がどういう風に描かれているのか、とても気になる。
そこまでかな?
期待して鑑賞したが、そこまでのものは得られなかった。
何を期待した?
と言われて具体的答えられないが、出演者やモチーフでその映画に何らかの期待を持って鑑賞するわけで。
絵は今風。
見やすい。
大阪出身の清原果耶さん。
東京の標準語に染まったかな?
時折、あれれ?というイントネーション。
スマホが出てくる時代の関西の若者で、
自分の事をアタイという子はおらんよ。
原作者の田辺聖子さんは関西弁の小説家ではあるが、脚本起こす時にもう少し今の関西弁に修正する必要はあるんじゃないかな〜
ストーリー的に夢のある大学生と身障者のジョゼの物語。
出会いは突発過ぎて現実感なし。
そこから始まるストーリーも「ん〜」って感じで。
ま、正味の話が期待はずれっちゅう事でした。
私的に。
綺麗な恋愛映画。高さの描写の巧みさが光る。
Amazonプライムにて視聴。
原作及び実写版は未視聴。
私は常々「登場キャラクターに嘘がないこと」が、良い作品の肝だと思っている。
それは作品の性質上、都合の良いキャラを無理矢理出さない事とも言える。
この作品は、それが非常に少ない。
(読み聞かせの子供の反応くらいかなぁ)
映画評にもある通り、目線の高さによる違いが見事に描かれてている。
それは車椅子生活の辛さであり、健常者から見えない目線であり、無関心の差別でもある。
原作では性的消費にも言及されていたようだが、家族とも見られるように配慮しての事だろう。原作ファンからは文句も言いたくなるだろうが、悩ましいところだ。
映像は流石のボンズ。アクションに定評がある会社だが、京アニやらPAWやらのお家芸とも言える情緒のある描写も上手いのか。
まぁ、車椅子が猛スピードで下っていくシーンは圧倒的に上手かったので、そこも流石。
恋愛映画としての完成度は高いが、日本文学的な感覚に重きを置いて、もう少し深い所まで描いて欲しい気持ちもある。
ただ、やり過ぎるとグロテクスになるだけなので、これくらいの匙加減が良いのかも。
ジョゼの読み聞かせシーンは、今作一番の見どころだ。
このお話が語られただけでも、本作の価値は十二分にあると言える。
ただ、その後のリハビリシーンの挿入歌演出は若干ダサいので、もっと情緒的につくって欲しかったかも。
総合的には非常に丁寧な映画だったかと思う。
ハッピーエンドであり、エンドロール◦Cパートまで楽しめる作りなので、読後感が良いのも素晴らしい。
少なくとも、歩行障害者に対する気付きを与えられるお話であり、見識の狭い人や社会に出る前の中高生には強くオススメしたい良い話だと思った。
※追記
見取り図のリリーさんの吹き替えは若干下手なのですが一言二言程度の出演。ゲスト声優ってこれくらいで良いよなって采配なので、それに関しては問題ないかと。
逆にプロの声優じゃなくて正解な気がした。
大抵、ゲストのような形で俳優が声優を務めると失敗してしまうイメージがあるけれど、この作品は彼らでよかった、と思った。逆にプロの声優さんだったら、なんか違ったんじゃないかなと
拙さ、未熟さ、わがまま、自分勝手さ
それらの表現がめちゃくちゃよかった。
ストーリーに絡む部分だから仕方ないけど、ジョゼがワガママすぎるのはこれまでのコンプレックスから来るものだと思った。人によってはイラっとするかもしれないけど、
24年間、行きたい所へ行けず、見たいものを見れず、そんな生活をしていたら、自由に全力で夢を追いかけている人(主人公)を見たら、ワガママしたくなるのも分かる。
でも、バイトの女の子が可哀想だった(´TωT`)
幸せになって欲しい。
実写版とは、
以前に実写版の方を見た事があったので大方の内容は、知っていました。
アニメは、ストーリーなどもう少し今よりな感じに変わっていた。
ジョゼと恒雄が出会ってそこから色んな経験を踏みながらお互いの距離を詰めていく所がアニメーションだとまたイメージしやすい所もあって良かったです!
どちらの作品もそれぞれ良さがあり、今では味わえない様な感覚を感じる事が出来ました。
個人的には、ハッピーエンドのこっちの作品の方が好きです。
確かな裏付けと映像による物語の厚み
総合して素晴らしい作品だと感じました。
良かった点
・ストーリーがご都合主義ではない
おばあちゃんの影響もあり、引きこもりであったジョゼを、スネオが外に連れ出す事で、少しずつジョゼの世界が広がっていく。そして、おばあちゃんが亡くなり、1人になったジョゼは、スネオの留学を聞いたことも重なり、自立しないと行けないと思いから、スネオやカナに褒められた絵すらもやめてしまう。
そこでスネオは、絵をやめてしまうジョゼに対し、ただ「諦めるな」という思いを伝えるが、届くはずがないのです。なぜなら、スネオとジョゼでは、健常者と身体障害者で立っているステージが違うからです。スネオはジョゼの気持ちが分かってるつもりでも、ジョゼからするとそれはわかっていない。これまでの辛い経験から、同じような境遇以外の人とはどうしても分かり合えないと信じ込んでいるから。
しかし、スネオはジョゼを助けるために、交通事故に遭い、幸か不幸かジョゼと同じような境遇になり、初めてジョゼの辛さを理解する。その後、マイがスネオを励ますもの立ち直れなかったのに、ジョゼからのエールでスネオは再び立ち上がる。ここには、自分と同じ又はそれ以上に辛いステージのジョゼからの熱いメッシージだからこそである。
また、ジョゼ自身も自分に外の世界を見せてくれ、人間として成長させてくれたスネオに対しての恩返しでもあるため、2人はお互いを助け合う構造となっており、この2人だからこそうまく行ったと思わせてくれるストーリー展開でした。
・描写
今作で、気になったのはジョゼの動く姿です。ジョゼが動く姿は、人魚が陸に上がって移動する時の姿と重なる動作に見えました。長めのヒラヒラとしたスカートに、両足を閉じ横座りで移動する姿はが重なります。これは、ジョゼの頭の中で描かれる人魚のイメージからくるものなのかと感じました。
また、ジョゼの絵本のシーンで、今までジョゼが人魚に憧れていたことがわかります。ジョゼが書く、人魚の髪は、まさに髪を切る前のジョゼそのものでした。よって、髪を切ったことの意味として、人魚という空想の世界に生きてきた人生に終止符を打ち、現実に向き合い生きようとするジョゼの覚悟も伝わります。
ストーリーの内容と説得力のある映像によってさらに厚みのある物語となっており、個人的にはひさびさに当たりを引いた感覚でした。
なんとも
絵本のくだりまでは、とても良かったと思います。ただし、病院に迎えに行く約束を守らず、勝手に行方不明になり、周りの人に迷惑をかけまくる主人公が正直好きになれませんでした。
悪くはない、けど少し残念な作品。
こちらもやはり素敵
アニメによるリブート作品。
オリジナルにあった、あの良い空気出てるんですよね。
設定が違うのでかなりピュアな出逢いです。
序盤でわかるんですが、すごい丁寧で良い作りなのがわかるんですね。
でかいラジカセや光KENJIのポスターに昭和感満載な家ですが、ちゃんと現代。街並みも作り込みがしっかりしてて生活感があります。
また、ジョゼが泳いで部屋を出る描写なんて、まさにアニメーションならではですね。
作画もですが音楽も作品を良く包み込んでいて、生活音の入れ方とかとてもうまいんです。
健常者にはわからない。が直に返ってくるエピソードは物語にすごく深みを増していたと思います。
あと絵本ですね。あそこはどうしたって涙出ますよ。
何というか、こんな綺麗なジョゼもあるんだなって、素直に入ってきました。
実写版とまるで違うエンディングでしたが、こっちはもっとストレートに前向きになれる様でした。
こちらもやはり素敵な恋物語でした。
あたい、幸せや。
車いすで生活を送り、外の世界をほとんど知らない女性、ジョゼとひたむきに夢を追いかける大学生、恒夫がふとしたことで出会い、2人で外の世界に踏み出していく物語。車いすを使うジョゼにとってこの世界は優しいものばかりではなく、時には困難にぶつかりますが、恒夫に支えられ、乗り越えていきます。支えられることで成長していくジョゼですが、終盤に恒夫にハプニングが起こった際には、恒夫を支える側に回ります。このシーンは泣かずには見れないです。そして、最後、2人は結ばれ、お互いの明るい未来が見える形で映画は終わります。この映画の素晴らしいところは、全ての登場人物が物語を進める上で重要な役割を担っており、1人でも欠けたら成り立たないほど、登場人物に魅力があること。そして何と言っても、恒夫だけでなく、観てる側の私たちもジョゼの姿から勇気や元気をもらえ、観終わった後には前向きになれるところです。主題歌や挿入歌を含め、本当に非の打ち所がなく、僕にとってNo. 1の映画です。
日本の小説をアニメ化にする必要性を感じない
原作未読
田辺聖子原作の小説を池脇千鶴妻夫木聡共演で2003年に公開された名作を20年近く経ってからなぜかアニメ化
アニメ作品が実写映画になるケースは多いが実写映画がアニメになるのは珍しい
どちらかといえば地味に公開されたのでレビュアーが207人と多いのも意外だ
アニメの設定は2003年版と基本的にほぼ一緒だが細かい点がかなり違う
その2003年版も例外に漏れず原作とはわりと違うらしいのでアニメオタクみたいに原作レイプと罵るのはお門違いも良いところ
タムラコータロー監督作品初鑑賞
脚本は『ストロボ・エッジ』『滑走路』の桑村さや香
ぶっちゃっけ桑原作品は退屈でつまらない
ジョゼに清原果耶
恒夫に中川大志
2人の有名若手俳優を迎え興津和幸など声当て専門の人たちで脇を固めた堅実なキャスト
ひょんなことから先天的な身体障害者で車椅子生活の少女をお世話をするバイトを始めた大学生の話
彼にはダイバーとしてメキシコ留学の夢がある
彼女には絵本作家になる夢がある
原作の設定はおそらく関西弁なんだろう
その点では清原は池脇同様関西人だから全く問題ない
いまどきの若い大阪娘はあんな関西弁を使わないという意見もあるかもしれないがばあちゃん子だしナウなヤングと違っても不思議ではない
キャラクターデザインは好きでも嫌いでもない
SF要素がないファンタジー
教科書通りの美しいラブストーリー
池脇妻夫木版と比較するといい意味でも悪い意味でもすっきりしてしまった印象
体に良いとされる低カロリーのカレーを食べてるような気がして物足りない
実写映画の様な卑猥さは全くないので小中学生の女子には向いているかもしれない
そのためか実写版で江口のりこが演じたキャラは登場しない
健全で模範的なアニメといえる
毒にも薬にもならない
僕はアニメ嫌いじゃないがアニメオタクほどアニメが好きなわけではない
ジャパニメーションは日本が世界に誇る文化だと鼻息荒く語る人種とは違う
概ね高評価だがラピュタやカリオストロやガルパンに比べたら凡作と評価を下すほかない
絵が綺麗だとか街がリアルとか稚拙で小並感
はっきりいってアニメ化にするような題材とは思えない
ネットはアニメオタクが幅を利かせすぎている
検索汚染は彼らのせいだ
リアルでは肩身の狭い思いをしているからだろう
それはそれでいいのだがそういった人たちの不満を一般国民の世論かのように書き立てヤフーなどで発表する三流マスコミのライターの記事が我慢ならない
僕はアニメより日本の俳優の芝居が好きだ
それをこの作品で再確認した
大人の落書きが池脇や妻夫木に勝てるわけがない
三次元の意味がわからない人たちは日本の俳優の良さを全く理解しようとしないので邦画ファンとしては目障りな存在でしかない
おそらく脳の構造がかなり違うのだろう
理解しあえるのは無理な話だ
それならしかたがないと諦めるほかない
あと日本の文芸作品はアニメに向いていない
小説を映像化する場合はテレビドラマか映画が良い
人間が顔出しで表現しないといけない
声だけなら朗読劇で充分
アニメ映画をつくるなら実写ではとても敵わない表現を駆使した芸術性が高いものを求める
せめてハラハラドキドキさせてほしい
少なくともラピュタやカリオストロやガルパンにはそれがある
交通事故や車椅子が止まらなくなるトラブル程度ではドキッとしない
『ちびまる子ちゃん』や『きんぎょ注意報!』のようなギャグ要素があれば良いが当然それもない
とてもじゃないけど星4の作品ではない
わがまますぎてひく
ジョゼと虎と魚たちは田辺聖子の短編小説です。わたしはけっこう映画を見ますがしょうじき読書量が少なく原作を読んでいる映画は稀です。
が、これは読んだことがあります。
(わたしは田辺聖子の熱心な読者ではありませんが)田辺聖子は芥川賞も吉川英治賞も泉鏡花賞もその他数多くの賞/タイトルをもつ文豪です。
筒井康隆がすきだったわたしはSF作家のエッセイや座談会に田辺聖子の小説が引き合いにされていたことを覚えています。
とても広いパイプ(多岐にわたる交流)を築いた文化人でもありました。昭和の頃には新聞や雑誌や談話のなかに田辺聖子の名や引用を見ない日がないほどでした。
当時をご存知の方ならきっとお認めになるでしょう。
1984年発表の小説ですが実写映画に加えコミカライズもノベライズもあります。時をかける少女のようなロングヒットかつメディアミックスになっています。
映画は日本製と韓国製の実写版があり劇場用アニメ版が本作です。じぶんはこのアニメ版しか見ていませんが下馬評やIMDBなどから読み取るかぎり、このアニメ映画がもっとも高い評価を得ています。
本作は原作を大きく改造してあります。原作には三角関係も恒夫の事故も紙芝居もありません。
(原作は)詩的でなまなましく、起承しますがとくに転結しません。
哀しい話ですが哀しさをどことなく滑稽にしているのは関西弁です。ジョゼや恒夫が標準語だったら、もっとずっと辛い話だったことでしょう。また大人の寓話です。性的な描写はほとんどありませんが底知れないエロスがありました。
『繊い人形のような脚のながめは異様にエロチックで、そのあいだに顫動している底なしの深い罠、鰐口のような罠がある。』
(田辺聖子作ジョゼと虎と魚たちより)
そのままアニメにしても(今の人々に)アピールするとは思えないので改造は理解できます。巧みに転結を足してありとても感心しました。
ただし個人的にはジョゼのキャラクターが鼻につきました。
本作のジョゼはたんなる我儘な女になってしまっていると思います。
現代用語にエロス資産というのがあります。エロス資産とは女性的魅力をもって傲慢がゆるされると合意された優位性のことです。ようするに生意気な若い女のことですが彼女の生意気が通用する社会も含めてエロス資産と称されます。パパ活のようなものです。
あるいはアニメの「萌えキャラ」がもっとも解りやすいと思います。萌えキャラはその外見にたいして男たちが「萌える」ことによって彼女の圭角や我儘や毒舌や攻撃性がゆるされます。それとおなじ構造の自己弁護をする若い女はエロス資産を活用している──と言えます。特殊な位相ではなく現代社会に遍在する若い女性の態度です。
たとえば21世紀の女の子という若い女性監督を集めたオムニバス映画があります。この映画はエロス資産によって拙劣なクオリティが許容されることを標榜しています。だからこそタイトルが21世紀の女の子になっているわけです。エロス資産であることが合意されると、それが低品質であっても、これはこれでいいのだろう──と受け取られるのです。
障害者であるジョゼにエロス資産を活用している──と言ってしまうのは酷かもしれませんが、原作の設定よりも若年化され、ほぼ少女の外観をしているジョゼは、はっきり言ってロリをターゲットしている気配さえあり、少なくともかんぜんに「萌えキャラ」でした。
アニメの主人公を「萌えキャラ」にするのはきょうび一般的なのかもしれませんが、ジョゼが「萌えキャラ」なのであれば、彼女はエロス資産を活用している──と見なすことができます。
エロス資産を活用しているならその我儘はたんなる我儘です。
原作では圭角ではあっても譲歩するバランスをとれる大人の女性でしたが、アニメではたんなる我儘な萌えキャラになっていた──という話です。
本作は前述のとおり原作にはないエモーショナルな転結を足していました。その感動はジョゼの我儘が払拭される効果も併せ持っていました。わたし自身もそのことに感心したのですが、にしても本作の恒夫はほとんど下僕のようでした。
エロス資産は、現代の(日本の)創作物につきものです。エロス資産を活用するキャラクターが出てこない映画/ドラマ/アニメはほとんどありません。わたしもそれは重々承知していますが(ジョゼを)これほどまでの暴君にキャラクタライズするひつようがあったでしょうか?
現実はもっと厳しいだろう。
原作、実写化は未見。
ジョゼが自作の絵本を読み聞かせするシーンが、1番グッときました。
これはハッピーエンドで良かったと思いました。
管理人の脚は復活せずメキシコにも行けず二宮舞とくっ付くようなバッドエンドだったら、なんかモヤモヤしたと思います。
エンドロールにその後のジョゼの家の解体シーンなどのダイジェストがありましたが、もう少し本編で描いても良かったかなぁと思いました。
因みに実写化がPG12になっていたので調べたら、実写化には濡れ場のシーンが結構あるようてすね。
アニメ版にはそのようなシーンはなく、お子様でも鑑賞しても問題はないと思います。
作品の中でジョゼが健常者から心無い仕打ちを受けていたのですが、ここまでではないにしても、街の中で障害者に無関心な健常者をよく見かけます。しかし坂の上から車椅子を故意、故意じゃなくても突き落とすなんて、犯罪じゃないのか!?今の車椅子には暴走防止機能があるはず。まぁそんな事言っていたらフィクションはみられませんけど(汗)
現実の障害者と健常者の恋愛は、こんなに甘くはないだろうと感じました。この世の中はもっと残酷だと思います。
全241件中、21~40件目を表示