血筋のレビュー・感想・評価
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この父親、どうしようもない。
登場する父親が、どうしようもない駄目人間で、おいおいと思ってしまうのだが、それでも見ているうちに、だんだんと、これでも可愛らしいところがあるなと思えるのが、不思議なところだ。この映画は、この父親が全てで、この父親を、最終的に好きになれるかどうかに、かかっている。
血筋
スリリングで楽しかった。
映画の外の人々と同じく登場人物が何かを抱えていて、それがカメラで捉えることで爆発してしまう瞬間があるんじゃないかと、しかもそのカメラを握っているのは家族。このスリルが作品にのめり込む原動力になっていたと感じる。
初めはナレーションも最低限で、カメラの外側でふんふんとだけ言ってた主人公が、終盤に行くにつれてカメラの内側に入って怒りを含めた感情を表す。そして最後には父親と向き合い画に映る。私はこの主人公の変化にストーリーを感じた。変化があるから、この映像は今しか撮れないんだろうとも。
登場人物も映画のつくりも、うそんくささが魅力の映画だと監督は言っていた。うさんくささを削らず、むしろ付加し、映画として、エンターテインメントとして作りきった。ここにこそ、"家族"としての繋がり、"血筋"が感じられたような気がする。
人間らしさ
登場する親族の感情的になりながら何も飾らないありのままの気持ちを引き出した、監督の真逆なまでの感情を殺した穏やかな声が印象に残る。どんな親であろうと血のつながりは否めず、憎みたくとも憎めず、否定したくとも否定できない血の繋がり。当事者でありながら客観視して綴るこのドキュメントは一見の価値があると思う。
お父さん。
少年(監督)と実の父親の親子の会話がとてもリアルで、自分に重ねてみてしまう映画だった。父親のキャラクターが自分の父親にもそっくりで、観れば観るほど父親のキャラクターが愛おしくなってしまう。
朝鮮民族という言葉を聞くと難しい歴史的なものかと思ってしまうけれど、純粋によくあらる親子、その周りの親戚の物語。特殊な環境に囲まれても、親は親だし、子供はその子供である事に変わりない、そして人間のどうしても捨てきれない、義理人情がストレートに表されている映画に、歯がゆさとそれと真逆の心地良さを感じた。
大学生の頃からこの映画を撮っていたという角田監督のポテンシャルの高さにも驚かされる。
これからも楽しみにしています。
アジア版''寅さん''
政治色強めかなと思ったけど、逆にほとんど無く、家族の物語。
ドキュメンタリーだけど、普通に見れた。あっという間だったし、面白かった。
父親のキャラが''寅さん''
憎めない。
てか、なんかの映画祭賞金200万円辞退したらしいけど、なんでだよwwイカれてるw
親子の血筋は脈々と受け継がれる
中国朝鮮族出身の青年が、音信不通となっていた画家志望の父親を訪ね、自分のルーツを振り返えようとするドキュメンタリー。
久方ぶりに会った父は、不法滞在の日雇い労働者として、借金取りに追われる、兄弟からもつまはじきにされる人物。
息子にまで金の無心をする父親に愛想をつかすも、切っても切れない血筋が流れていることを知る青年。それが分かるラスト。
親子の業とは、かくも深きものなり。
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