血筋のレビュー・感想・評価
全26件中、21~26件目を表示
この父親、どうしようもない。
登場する父親が、どうしようもない駄目人間で、おいおいと思ってしまうのだが、それでも見ているうちに、だんだんと、これでも可愛らしいところがあるなと思えるのが、不思議なところだ。この映画は、この父親が全てで、この父親を、最終的に好きになれるかどうかに、かかっている。
血筋
スリリングで楽しかった。
映画の外の人々と同じく登場人物が何かを抱えていて、それがカメラで捉えることで爆発してしまう瞬間があるんじゃないかと、しかもそのカメラを握っているのは家族。このスリルが作品にのめり込む原動力になっていたと感じる。
初めはナレーションも最低限で、カメラの外側でふんふんとだけ言ってた主人公が、終盤に行くにつれてカメラの内側に入って怒りを含めた感情を表す。そして最後には父親と向き合い画に映る。私はこの主人公の変化にストーリーを感じた。変化があるから、この映像は今しか撮れないんだろうとも。
登場人物も映画のつくりも、うそんくささが魅力の映画だと監督は言っていた。うさんくささを削らず、むしろ付加し、映画として、エンターテインメントとして作りきった。ここにこそ、"家族"としての繋がり、"血筋"が感じられたような気がする。
人間らしさ
お父さん。
少年(監督)と実の父親の親子の会話がとてもリアルで、自分に重ねてみてしまう映画だった。父親のキャラクターが自分の父親にもそっくりで、観れば観るほど父親のキャラクターが愛おしくなってしまう。
朝鮮民族という言葉を聞くと難しい歴史的なものかと思ってしまうけれど、純粋によくあらる親子、その周りの親戚の物語。特殊な環境に囲まれても、親は親だし、子供はその子供である事に変わりない、そして人間のどうしても捨てきれない、義理人情がストレートに表されている映画に、歯がゆさとそれと真逆の心地良さを感じた。
大学生の頃からこの映画を撮っていたという角田監督のポテンシャルの高さにも驚かされる。
これからも楽しみにしています。
アジア版''寅さん''
親子の血筋は脈々と受け継がれる
全26件中、21~26件目を表示