血筋のレビュー・感想・評価
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品格の大切さを知る
親から見れば、子供はいくつになっても子供。
18年ぶりにあった息子は自分の予想をはるかに超えた大人に成長していた。
親としてのプライドや唯一息子に勝てる「長く生きている」という部分だけをを人生論に置き換え、
虚勢を張るが、溝は深まり、惨めになるばかり。
血で繋がった真の親子であっても、それぞれの人格があり個性、人生がある。
お金がなくても、忘れてならないのは品格である。
自分は息子に誇れる品格を供えているか?と問われているようでならない。
やっと観ることが出来ました
友人の友人が本作の角田監督である、という理由から本作に興味を持ち始めました。
また、私自身も中国に留学していたこともあり、中国の少数民族がテーマのひとつになっていることから、公開を非常に待ち望んでおりました。
本当に観ることが出来てよかったです。
親や親類との様々な意味での繋がりの強さを改めて実感しました。
本作以降の作品も心待ちにしております。
これからも頑張ってください、応援しています。
観ることができて良かった映画
この映画の存在を知ったのは数年前でした。友人のFacebookのタイムラインにあがってきて、ああ、同じ大学の方が作った映画か..気になるなあ...と。新潟上映に行きたかったのですが、ちょうどコロナの時期で行くことが出来ず。ようやく東京上映で観ることができました。なんでしょう。観ながら、いろんな感情がふつふつとしてきました。撮影者の気持ち、お父さんの気持ち、登場してくる全ての人に、ぐらっと気持ちを揺さぶられました。お父さんの言い分には、どこか理解し難いことが多いのですが、そこには、父として、男性として、自分の子どもに対しての愛が溢れているように私は思いました。見終わった後、自分の家族のことを思い出しました。。
違う国の家族の物語ということで、初めは文化の違いなどが描かれていく...
違う国の家族の物語ということで、初めは文化の違いなどが描かれていくと思ったが、いい意味で裏切られた。
切っても切り離せない血の繋がりから生まれる葛藤や怒りや喜びが生々しく描かれていた。
特に、自由な父と家族というものに縛られ生きてきた叔父の姿は対照的でありながら、根底にあるものはきっと同じなのではないかと感じたところが印象的だった。
家族や血のつながりは厄介で、面倒で、でもなんだか愛おしい、そう感じた映画だった。
ともに生きる苦悩と喜び
ほんとうに、あっという間の73分。面白かった。
上映ギリギリに映画館に駆け込んだと思いきや、買ってきた飲み物に口もつけぬまま、映画が終わっていた。
監督(ソンウ)は今どんな表情をしているんだろうとか、どんな気持ちでカメラを回しているんだろうとか、そういうことを終始考えていた。画面には出てこない、ソンウを正面から見てみたい、と。
不器用すぎるお父さんの心境と、戸惑う息子(ソンウ)の葛藤を思うと、とても胸が苦しかったのだ。
自分にとっての絶対的な存在(大切にしたい人)は、自分とあまりにも価値観や思考が違いすぎている、と知った時、人は途方に暮れたり、絶望したり、その事実を受け入れ難く思う。
それでも、共に生きていくには、どうすれば良いのか。そんな葛藤を感じたし、私自身も思い当たる節がある。
答えはないけど、人とともに生きていく苦しみと喜びを、見つめ直す映画だと思った。
何回も観たい!
通常カメラを向けられると被写体は緊張や照れで取り繕ってしまうが、こ...
通常カメラを向けられると被写体は緊張や照れで取り繕ってしまうが、この映画の登場人物はとても自然体で赤裸々に写っており、思いの丈を語っている。かと思いきや、カメラに向かって深い感や照れ臭さを露わにする場面もあり、そこもまた被写体の人間味が出ており、この映画のリアリティの部分を際立たせている。
この映画のこれまで以上の快進撃が心より楽しみです。
「痛々しさ」と向き合うこと
幾ら傷つけられても、嫌な思いをさせられても、「自分の親だから」「自分の子供だから」「家族だから」許してしまったり、我慢してしまったりする。私は、器にこびりついた中華料理のソースをガリガリとスプーンで刮ぐ祖母を見て、またかと呆れ、注意しても無駄だなと諦め、その卑しさが自分の血にも流れているのではないかと恐怖を抱きつつ、何の指摘もせずいる。
この映画の主人公(監督)は、そんな身内の見たくない部分になんで?どうして?あなたはなぜそうするの?そうしないの?と淡々と問い詰め、責め、突きつける。その、痛々しさに気が狂わないで向き合える精神力の強さが、常軌を逸している。
中国朝鮮族という文言や不法労働者という社会的ワードにあまり深くとらわれる必要はないと思う。家族というしがらみに息苦しさを覚えている人なら、きっとこの痛々しさに見覚えがあるんじゃないだろうか。
#血筋
エンディングが好みだった。
個人的にはドキュメンタリーを見ていて途中で飽きてしまうことがあるが、それがなかった。従来の起承転結が埋め込まれたドキュメンタリーとは少し違う、初めて見るような映画だった。
色々な気持ちになった映画
久しぶりに会った息子に、見栄を張るけど不甲斐ない今を隠しきれない父親に、おかしさとか切なさが入り混じったようななんとも言えない気持ちになった。そんなどうしようもない父親だけど、貧しい時代に自分の夢を選んで行動をしたのは少し羨ましく感じた。
知らないはずのクセ
わたしはドキュメンタリーが苦手だ。
自分の人生だって重たくて直視できないのに、他人の人生まで自分のことのように背負ってしまうから。
本作も紛れもなく、わたしの人生に入り込んできた。小さい頃から会っていないはずなのに、何故かまるで鏡写しのような仕草や表情をしてしまう親子。わたしにも心当たりがある。居心地が悪い。
どこまでもプライベートな作品でありながら、同時に多くの人にとって共感を覚えさせる、不思議で強靭なパワーを持っている。一層物語をドラマチックに引き立てる、美しく切実なヴァイオリンの音色が今も耳から離れない。
わたしはドキュメンタリーが苦手だ。
親と子とは
誰しもが持っている、親子像。
自分の親、子はその親子像に当てはまっているだろうか。理想の親、子。現実の親、子。あまりにも生々しく映し出される、ある1組の親子の姿。そこには冷たいようで温かい、温かいようで冷たい感情、溢れ出しているようで、溢れ出していない感情、悲しいようで、悲しくない、そんな様々な感情が73分間ずっと交錯する。
世界中どこを探しても”普通”の親子なんて見つからない。しかし、この1組のユニークな親子の姿を見ていると、美しいようで、汚い、汚いようで美しい人間の本質が見えてくる気がする。この映画は単純な親子の再会物語ではない。様々な感情が行き交い、人間の姿を見せられ、自分のアイデンティティまで考えさせられる。
親子というものをいつも1組の離れがたいペアのように考えてきた価値観を覆された。
父と息子と叔父
現代なのか?と思ってしまう程の世界。
隣国なのに、本当に遠い国であると新たに認識した。
それ故に興味深く、また、展開が読めないので引き込まれていく。
女性が不在(お婆様のみ)、叔母様やお母様はどう捉えているのかしら。(そんなところも、宗教の教えから来ているのかな…)
高額な夜のお店を教えたがる辺りは、笑えるような、切ないような気分になる。
血筋
いろんな家族のあり方があって、離れていても血筋でつながっていて、切っても切れないものあって、家族について考えさせられる映画でした。登場人物一人一人のキャラクターもとても個性溢れていておもしろかったです!!
後ろ向きな心の支え
心の支えというと前向きなイメージだが、自分にとっては後ろ向きな支え。支えというよりは傷かもしれない。
心を傷付ける映画はなかなか無いんじゃないだろうか。
映画の登場人物の様々な面を通して、自分の見たくない部分を直視させられている気がした。
虚栄にまみれた父親、貧乏性の祖母、絶望的な叔父、世間知らずの従兄弟?など
この映画を高みの見物にはできなかった。
民族映画ではないと思うが、あえて言うなら、なぜ父親は北京でなくソウルに行ったのか。単に賃金と表現の自由の問題だろうか。
おそらく人生で幾度となく、「血筋」を思い出すだろう。星5つ。
家族という存在
新潟にいる最後の日にこの映画を観に行きました。アイデンティティの問題より、家族という存在が何かという問いを監督自身と家族たちにドキュメンタリー制作の形でいただきました。台湾人であるわたしは、日本人のおばあちゃんがいます。この映画に通じて、わたしは誰であるか、家族の価値は何か、という感想があります。
おもったよりおもしろかった
朝鮮民族云々の話は詳しくないのでよくわからないが、こんな映画映えする家族も世の中にはあるんだな〜と率直に思った(逆にそのように見せる作者の上手さもあるのだろうが)。
一見、自分とはかけ離れた話にも見えるが、部分的に見ると私自身の家族とも重なる部分がいくつかあるように感じる。もし自分が作者のような境遇だったら、父を探して会いに行くだろうか?会ったら何を話すだろうか?実際に経験しないとわからないことだが、そんなことも想像してみて、家族のあり方を改めて考えさせられる作品だった。
この父親、どうしようもない。
登場する父親が、どうしようもない駄目人間で、おいおいと思ってしまうのだが、それでも見ているうちに、だんだんと、これでも可愛らしいところがあるなと思えるのが、不思議なところだ。この映画は、この父親が全てで、この父親を、最終的に好きになれるかどうかに、かかっている。
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