劇場公開日 2020年10月9日

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「別れの前の静かな時間」星の子 桜場七生さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0別れの前の静かな時間

2022年6月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

今作では「自分の病気のせいで新興宗教を盲信する両親」に対する呵責が描かれるが、自分の親の全てを受け入れたい、しかし、それは叶わないと言う大人になる為の階段として経る普遍的なものを描くことに成功した作品のように思う。

キャストが素晴らしく、イケメン教師に岡田将生を持ってきたことで、ただの「偏見」と言う代名詞になってしまわず、宗教への批判が人間味を帯び、主人公が感じる辛さがよりリアルになるようだった。
素直でありながらどこか何かを悟ったような芦田愛菜の演技は言わずもがな、その他キャスト全員素晴らしかった。

最後に親子3人で流れ星に目を凝らすシーンには込み上げるものがあった。
どのような両親であれ、そしてその間にどういう関係を築いていたとしても子供と親との別れは必然のものである。
その別れを切なく匂わせながら、しかし3人で寄り添う時間は永遠のものであることを思わせるような余白が原作にも通じるものなのか是非読んでみたいとも思った。

桜場七生