「(諸般の事情で)視聴者に考えさせる良作。」星の子 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
(諸般の事情で)視聴者に考えさせる良作。
※ 内容的にセンシティブな映画です。
本レビューでも、思想良心の自由や信教の自由を否定するものでない点は断っておきます。
今年36本目。
tohoシネマズのマイレージサービスってどう使うんでしょう…(3,000ポイント以上たまってる…)。
さて、こちらの作品。
主人公が幼いころに皮膚疾患(おそらく、アトピー?)で、宗教に傾斜していくところから始まります。
どうしても内容が「扱いにくい」ところであり、映画内でもできるだけ肯定も否定もせず描写している分、鑑賞者に自分で考えてね、という点を強く感じました。
本来であれば、「新興宗教で病気が治る」とか「特定の飲料水で病気にならない」といった両親の意見を真っ向から(映画作成者側が)否定するのが筋なのでしょうが、時代が時代だけに、あまりにも度がすぎると、実世界にもそういう業者がいるだけに問題になりかねず、その点はあえて回避した(自分で考えてね)という、一見「逃げ」に見えるものの、やむなしかな…と思います。
鑑賞後に考えたことがら。
・ 両親の信仰する宗教は、その子にまで強制できるか?
(作品でも、主人公の子が好きで信仰しているか、親から強制されていやいや信仰しているかは、微妙な描写になってます)
・ これだけ現代医療が発達している現在、宗教で医療を超えられる、という考え方を持つのは妥当か?
(実世界でも、生命的に危篤な状況で、親が宗教信仰を盾に医療を受けさせることを拒否するのなら、行政は親権停止等で強制的に介入するでしょうね)
・ 新興宗教であること(=古典的宗教でない、という意味)「のみ」を持って、存在を否定したり、新興宗教であることのみを持って偏見を持つことが妥当なのかどうか
(⇔新しい宗教が生まれなくなってしまう)
短い映画(100分ほど)ではありましたが、色々考えさせるところがあります。
評価は下記の0.5で4.5にしました。
0.3 … どうしても上記の点(ただし、映画内で積極的に触れたくない点は理解しうる)をすべて回避してしまったため、視聴者(鑑賞者)の感想に任せるところがかなりあり、こう、「何を伝えたいか」が「なさすぎ」という点でしょうか…
0.2 … エンディング前。唐突に終わってしまうのですが(「タイトル名から」ある程度推測はできるが…(ヒント?))、「それも含めて」視聴者(鑑賞者)に考えさせる点が多すぎで、特にこちらは「終わり方が唐突に過ぎる」ように思えました。
ただ、宗教観や思想良心について考える良い機会ではあると思います。