ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たちのレビュー・感想・評価
全25件中、1~20件目を表示
テストジャンパー
「長野オリンピック奇跡の金メダルに隠された感動の実話」というキャッチコピーに、泣き虫原田選手のエピソードが頭をよぎり、例によって感動ねらいのテレビ屋さんの茶番劇かと若干醒めた気持ちで観始めました。コーチの役に曲者の古田新太さんですから、選手を理不尽にしごく敵役かと思いましたが、終盤での「こんな危険な状況で飛ばせません!」の選手想いのセリフにやられました。当時、テレビ中継は観ていたはずですが、テストジャンパーたちの命がけのエピソードが裏にあったのは映画で知りました。
スポットライトを浴びるヒーローより裏方のスタッフに着目したのは流石テレビ局、実話好きのクリント・イーストウッドが知ったら撮りたがったかもしれませんね。飯塚健監督はテレビ屋さんですから大衆受けを狙ったヒューマンドラマはお手の物だったのでしょう、女子ジャンプのオリンピック追加を夢見る健気な女性ジャンパーや応援する妻子を絡めた教科書通りの演出、展開で視聴者も納得でしょう。
アスリートって凄い!
お正月休みにみました。
長野オリンピックのジャンプ競技裏話は、何かのTVで紹介していて
なんとなくは知っていましたが、
イヤほんと凄いです!感動しました。
西方選手も素晴らしいですが、私は原田選手の苦悩が尋常ではなかったのだと
思い知りました。
テレビに映る原田選手はいつも笑顔でいて、
周りには知られないようにしていたのでしょう。
リレハンメルオリンピック後、脅迫、抗議の電話や手紙が凄かったと
語られていました。
近くにいた奥様は(映画にでてませんが)きっと大変でしたよね。
また、原田選手を演じた「カメ止め」の濱津隆之さんが ご本人に雰囲気がとっても似ていて素晴らしいキャスティングです。
また、約40年のキャリアを持ち、「レジェンド」との異名をもつ葛西選手も
長野五輪の団体メンバーに選ばれなくて悔しくて、北海道に帰ろうとしていた。
あそこでもし逃げ出していたら、「レジェント」の存在は無かった。
でも、悔しさをバネに必死で頑張ってきたのだと、
映画をみて知り、アスリートは本当に凄いって思いました。
西方選手を始め、25人のテストジャンパーもそれぞれのバックボーンがあって
それもわかりやすかったです。
聴覚障害役の山田裕貴さんの演技にも泣かされました。
眞栄田郷敦さんも恐怖に打ち勝ち、トップで飛ぶ姿に感動しました。
女子のジャンプ競技が無かったのに、みんなを鼓舞して、
スタート地点が直前で高くなったのに見事に飛んだ小林選手。
25名全員が、前が見えないような吹雪の中、勇気をもってジャンプを成功させました。
主役の西方選手のきれい事じゃ無い感情もちゃんとみせてくれて、
そこも良かったです。
奥様役の土屋太鳳ちゃんもよかったです。
アスリートの奥さんは、根性座ってないと務まりませんよね。
英光の裏側には、きっとこういう感動秘話って
あるんでしょうね。
世界で活躍するアスリートは、いろんな人に支えられていて
それを背負って勝負してる。
やっぱり素晴らしいです。
日本版ローグ・ワン!!
あまり興味が無いのに観始めましたが、面白かったです。テストジャンパー役に不満のあるメダリストの気持ちが変わっていく様を描きながら、世間一般的な原田選手のイメージ払拭をさり気無く行っていて上手かったです。日本のメダル獲得の為に、視界不良の中でテストジャンパー達が記録に残らない戦いに挑む姿はローグ・ワンに通じるものがあると思います。「他人の気持ちが分かる」という事にも焦点を当てていて好印象でした。西方役は誰でも良いと思いますが、原田役は濱津さん以外考えられない感じでした。小林役の小坂菜緒さんも、拘りのあるキャラで印象に残りました。山田裕貴さんも耳が聞こえない方の演技を頑張っていました。
裏方から金に向かって跳ぶ!
先日閉会したばかりの冬季北京オリンピック。
昨年の夏季東京オリンピック時と同じく、開催前はコロナ(それと、開催国に対する国家間の諸々の事情)などの問題で色々意見あったが、いざ開催されたら、連日選手たちの活躍が日本を沸かし、結果冬季オリンピック最多のメダルを獲得。また、開会式も東京オリンピックより段違いに魅せるものがあった。
…と語っておきながら、私実はあまりスポーツに興味無く、オリンピックもほとんど見ておらず、ニュースで結果をぼんやりと見るくらい。ハイ、非国民です…。
公開延期を経て、昨年の“オリンピック・イヤー”にやっとジャンプした本作。
オリンピックへの関心高まり、“金メダル”級の大ヒットを狙ったのは明白。
が、結果は“銅メダル”にも届かない不発…。(2・4億円…) ベタ過ぎと、作品自体も賛否両論の声…。
公開時観に行こうかなと思ったけど、結局スルーし、レンタルリリース時もすぐには見ず、北京オリンピックが閉会しての今のこの時期にやっとこさ鑑賞。それも、特別見たい!…っていう感じではなく、あ、まだ見てなかったから一応見ておくか…くらいの何となく程度に。
で、実際見てみたら、思ってたより良かった。
さすがに大傑作!名作!…とは言い難い。
“This is THEベタ邦画”。感動煽る演出、時々臭い演技、実話とは言え展開読めるストーリー…。チクチク指摘されたのも分からんでもない。
でもその分、分かり易く見易い。
殊にスポーツやオリンピックに疎い私にとって、これでヘンに色出した作風だったらあまり乗れなかっただろう。
これでちょうど良かったのかも…?
遡る事24年前…。
長野オリンピックでスキージャンプ団体悲願の金メダル獲得。
それを描いた“表舞台”の選手たちの物語ではない。
知られざる“舞台裏”の英雄たち。
“テストジャンパー”。
競技開始前、ジャンプ台の安全性を確かめる為に跳ぶ“裏方”。
全く以てそんな存在の人たちが居る事を知らなかった。
金メダル獲得を裏で支えたテストジャンパーたちの姿にスポット。
長野五輪スキージャンプ団体のテストジャンパーに選ばれた西方。
が、その胸中は複雑…。
4年前のリレハンメル五輪で、エースの原田のまさかの失敗で銀メダル…。
金メダルは目前だったのに…。原田が失敗しなければ…。自分は金メダリストだった。
諦めきれず、4年後の長野に向けて闘志を燃やす。今度こそ、金を!
そんなある日、西方は腰を痛めてしまう。
一時は選手生命も絶たれたかのように思えたが、不屈の精神、懸命のリハビリの末、復帰。まだ長野出場には間に合う。練習にさらに身が入る。
そして、遂に来た長野五輪スキージャンプ出場選手発表。
…そこに西方の名は無かった。
選ばれたのは、原田や葛西らかつての仲間、新進気鋭の若手たち。
何故、自分は選ばれなかった…?
実績は残している。
怪我が響いたか…? それとも、事実上の潮時勧告なのか…?
あの時失敗した原田は選ばれたのに…。
とてもとても納得出来るものではなかった。
落胆と失望の中、コーチの神崎からテストジャンパーの誘いを受ける。
家族を養わなければならない生活の為、今後の為にスキー連盟へ恩売り…訳あり動機でテストジャンパーとして長野オリンピックに“参加”する事になるのだが…。
テストジャンパー。その名の通りの“テストジャンプ”。
本選出場なんて勿論、観客も歓声も拍手も無い。記録にも成績にも残らない。
自分はメダリスト。銀だが、後少しで金だった。
そんな自分がこんな裏方仕事。何の為に跳ぶのか…?
屈辱。
西方の他にもテストジャンパーに選ばれた面々。
その胸中は様々。
乞音症の高橋。明るい性格で、ただただ跳ぶのが好き。跳んでる時だけ自由になれる。
唯一の女子で高校生の小林。当時、スキージャンプに女子は無かった。女子は跳べない。それでも、テストジャンパーでもオリンピックの場に立てる。そしていつの日か、女子スキージャンプが正式種目となり、その時は選手としてーーー。女子スキージャンプが正式種目になったのは2014年のソチからだという。つい最近…!
日本スキージャンプの未来の為、自身と夢の為に。
一方…
西方と顔馴染みの若手の南川。西方と同じく、テストジャンパーに対して否定的。“テキトー”にやればいい。所詮、テストなのだから。
テストジャンプ開始。
小林や高橋は懸命に。が、南川や西方は身が入らず。
実はテストジャンプで一度も跳んでない南川。神崎からジャンプを強制させられる。
辞退する南川。跳べなかったのだ。何故なら、失敗し怪我を負ったトラウマを抱えている。
キツい言葉を投げ掛ける神崎。
境遇が似ている西方。意見がぶつかり合う。
トラウマが怖い。もし、また失敗したら…? もし、また怪我をしたら…?
酷ければ選手生命が絶たれる。こんなテストジャンプ如きで。
それを乗り越えてこその真の選手。恐怖やプレッシャーを感じているのは一人だけじゃない。皆、同じ。それに甘んじているから、本選に出場出来ずここにいる。
テストジャンプでそこまで熱心にやる必要あるのか…?
神崎のある台詞が響いた。
お前(西方)が銀メダルを取れたのは、テストジャンパーたちが居たからだ。
言われてみれば、そうだ。縁の下の日陰の裏方たちの努力があってこそ。表舞台のスターたちは華やかなスポットライトを浴びれる。スキージャンプのみならず、どんな世界に於いても。
各々の葛藤、複雑な心境…。
しかし徐々に、テストジャンプに対する考えも改め始める。
小林は西方にジャンプの個別指導を乞う。
南川もアドバイスを助言して貰う。
ずっと選手一本だったが、“教える立場”になった西方。ご本人も実際、現在は後進育成に励んでいるという。
長野五輪開幕。
選手たちは当然だが、我々テストジャンパーも緊張やプレッシャー、気合いが自然と入ってくる。
自分たちの手で、選手たちに金メダルを…! 望みを託す。
競技開始前、西方は原田と再会。アンダーシャツを忘れたという原田。それを西方に借りに来た。(←私これ、本当の意味が何となく分かった)
お前の分まで跳ぶと、原田。
その言葉が、実は未だ一人燻っていた西方の感情に、火に油を注ぐ。
原田への嫉妬、テストジャンプへの不満…全てをぶちまける。
原田がジャンプ台に立つ。
仲間たちが、テストジャンパーたちが、日本中が原田に期待を寄せる。
今回こそ、金を!
…ただ一人を除いて。
落ちろ、落ちろ…原田の再びの失敗を願う西方。
その願い通りになった。
突然の強い風雪となり、悪天候に阻まれ、またしても結果を出せなかった原田。
金メダル王手だった日本は、4位後退…。万事休す…。
この時西方は、どう思っただろう。
それ見ろ、やっぱりまた。お前じゃ無理なんだ。
その一方、こうも思っただろう。
日本がまた金メダルから遠退いた。悲願の金メダル…。オリンピックに出場したかつての日本代表として、胸が張り裂けるほど悔しい。
でも、西方や日本中以上に悔しい思いをしているのは原田だろう。
「失敗しちゃったー」なんて朗らかな性格で笑顔で言うが、その顔の下の本当の心境は…。
またしても自分がやってしまった。
またしても自分のせいで、仲間の首に金メダルを掛ける夢を遠退けてしまった。
並々ならぬ意欲で今回の長野に闘志を燃やしていた原田。朗らかな笑顔の下に。
あの時以来、原田は日本中から“戦犯”扱い。金メダルを取れなかった全ての責任。
実際、脅迫を度々受け、今回のジャンプに対するプレッシャーは我々には分かり知れないほど。
また失敗したら、今度は“戦犯”どころではない。“永久追放”レベル…。
それだけに…。
そんな原田に対し、自分は何と卑しい感情を抱いてしまったのだろう。
仲間、同士、友ではなかったのか…?
今回の原田の失敗は、原田自身の不調が原因ではない。悪天候。
が、日本中はそれで納得しない。
今度こそ、やってくれると信じてたのに…。またやりやがった。
2本目のジャンプで好成績を残せなければ、日本は確実に金メダルを手に取れない。まさに、背水の陣…!
ところが、悪天候で2本目を行うかジャッジ。
それを託されたのは、テストジャンパーたち。
彼らがテストジャンプでこの悪天候の中でも競技出来れば、2本目を行えると下される。
が、それは非常に危険でもある。一歩間違えれば…。
テストジャンパーがそこまで命を危険に晒す必要があるのか…?
しかししなければ、日本はまたしても金メダルを逃す。
金メダルか、日本スキージャンプの未来の為か、自分の為か。
迫られた決断の行方は…?
実話なので決断と結果については言うまでない。
まさしく、事実は小説より奇跡なり!
実話は別として、前述した通り演出・脚本・演技など“作り”にステレオタイプなベタさはあり。
が、それでも良かった点、感動した点はあった。
序盤は平凡だったが、テストジャンパーのドラマが始まってから引き込まれた。
特に、原田が西方や葛西からシャツやグローブを借りて挑んだジャンプ。本当は忘れたのではない。“仲間”と共に跳ぶのだ。
支えた者たち、一人一人の思い、皆の思い。
それに向かって跳び、掴んだ金メダル。
ただの金メダルではない。色んな意味で、“特別”な金メダルなのだ。
もう少し早く見ていたら、今回の北京への関心も違っていただろう。
今回団体では金メダル獲得にはならなかったそうだが、男子個人では金メダルを獲得。
才能ある新たなジャンパーが跳んでいる。その中には、長野時正式種目でなかった女子ジャンパーも。
活躍中のジャンパーたち、これから頭角を現してくるであろうジャンパーたちの着地点は、すでに4年後のイタリアはミラノ・コルティナオリンピックに向かっている。
その時は私自身も少しは関心寄せれるかもしれない。
ソウルとパッション抱いて、跳べ!日の丸飛行隊!
映画の“オリンピック・イヤー”は続く。
昨年は本作。今年は河瀬直美監督による東京オリンピック2020のドキュメンタリー映画。
これは劇場で観てみたい。
一番きれいな景色見た人がもらえるんだぞ
映画「ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち」(飯塚健監督)から。
どこまで実話を再現したのかわからないが、
久しぶりに、涙腺が緩んだ作品となった。
夏季だろうが、冬季だろうが、オリンピック出場だけで、
それは凄いことなんだ、と思っていた私は、
「お前がいなきゃ銀メダルも獲れなかった」と
失速した原田選手に、声を掛けた同僚の名台詞を思い出したが、
やはり本音は「結局、銀じゃダメなんだよ」
「金じゃなきゃだめなんだよ、オリンピックって場所はさ」。
この気持ちは、アスリートでなければわからないことだから、
コメントは控えたい。
ただそんなに価値がある「金メダルの意味は?」を考えていたら、
主人公の西方仁也が、3歳の自分の子供にこう言う。
「金メダルは一番遠くまで飛んだ人がもらえるんだ、
一番きれいな景色見た人がもらえるんだぞ」と。
この定義っていいなぁ・・ってメモをした。
オリンピックの金メダルの意味って、
誰よりも、長く、高く、遠く、強く、そして美しく演技できた時、
その人しか見えない景色があるんだな、と思えた。
これは、どの競技でも言えるのかもしれない。
そして、その景色を見たいから「金メダル」を目指すんだな。
立役者
後半、涙が止まらなかった。
観れて良かった。
実話だそうな。
こんな物語は滅多にないとは思うのだが、スポットライトが当たらない者達の英雄譚だ。
彼等が居なければ、その舞台さえなくなっていた。
JUMPを成功させ、何より喜んだのは日の丸飛行隊であったような表現もいい。表舞台に立つ人間達は必ず誰かや何かに支えられてる。その才能の発露は1人ではなし得ないのだ。
原田のJUMP…K点を遥かに超えたJUMPのその裏側には、仲間との絆や託された想い、報いたい気持ちがいっぱい詰まっていて、胸が熱くなる。
どの業界も裏方は不遇だ。
宿舎から会場まで徒歩移動とか、腹が立って仕方がない。代表選手と同じような待遇とまでは言わないが、あまりに差がありすぎる。
嘆かわしい。
テストジャンパー達が次々とJUMPを成功させても、観客の反応は冷ややかなものだ。その内情を知らされてはいないのだから当然かとも思うが、彼等と観客との温度差が天と地程もあり、夢を追う事の孤独さをも読み取ってしまう。それは仕方がない。
仕方がない事ではあるが、その業界までも彼等の価値を蔑ろにしてはいかんだろう…。
情熱を食い物にする体制には断固として反抗したい。
メダリスト達の私生活とか…銀メダルを取って尚、生まれてくる子供との生活を不安視される境遇ってどうなってんだ?
国家の威信をかけてとかアナウンサーは好き勝手に煽っちゃいるが、その報酬はどこにあるのだろうか?
…理不尽で納得いかんわ。
それもこれも、実話に向き合ったからこその感想かと思う。前半は主人公の苦悩をとにかく描く。
脚本の構成が凄く良かった。
田中氏は好演だったし、彼の好演はやはり他の役者陣の功績なのだとも思う。
土屋さんは、驚く程の安定感だし、濱津氏は飄々とした原田さんを熱演だった。山田氏も小坂さんも郷敦も好感触だ。
小坂さん演じる女性も、16年後にJUMP女子が正式種目になった事に一役かってたらいいなと思う。
主人公の挫折と再生を主軸に描いてはいるが、豊かな人間ドラマに溢れてた。
ヒノマルソウルって題名は大好きで、世界を相手にする時の高揚感も分からなくはない。
彼等は困難を乗り越えて金メダルに貢献するのだろう。ただ、その困難の半分は人為的なものだ。しかも相対する敵国からではなく、自国であり管理者達からのものだ。この体制は全世界共通のものなのだろうか?
古来より続く、まるでDNAに刻印でもされてるかのような滅私奉公や主従関係の弊害なのだろうか?
まるで一欠片の罪悪感もなく「25人全員飛ぶのが条件だ」と組織委員の人は言う。
「自国開催での金メダルは協会の悲願だ」と同調圧力をかけてくる。
コーチの反対により、一度は棄却されるこの提案は選手からの提言で実現する事になる。
主人公の逡巡は、とてもとても理解できる。
「正気かお前ら?命をかける価値などあるのか?」と。
若さの特権なのか、無謀な挑戦に酔いしれるタイミングなのか…彼はこの時点では引退を視野にいれている。
そして最後のテストジャンプ。
彼の情熱は沸点を越える。
自分の為ではなか、友の為に。
素敵な物語ではあるけれど、様々な雑音もちゃんと把握できる優れた作品であった。
コロナによりゴタゴタしてるオリンピックではあるが、国の体面なんかは介入できる余地などなく、アスリート達はその短命な選手生命を国などという大雑把なものにかけているのではないのだろう。
そんな事を感じれて良かった。
オリンピックは応援出来ないけれど、選手達にはエールを送りたい。
船木ー。゚(゚´Д`゚)゚。
長野オリンピック、ジャンプ団体観ていたのを思い出した。
すごく吹雪いていて、中々始まらないなぁと思っていた
映画はそんなオリンピックの舞台裏で、色々な葛藤を抱えたテストジャンパー達の物語。
主人公の西方選手は、今レジェンド葛西と肩を並べるくらいの、名の通った選手だったと記憶している
当時、船木選手という若き天才ジャンパーが台頭してきて、世代交代が近づいていると感じていた
原田、船木、岡部、齋藤のラージヒル団体、金メダル確実🥇って報道されていたはず。
一つ前のオリンピックで失速して、ホームランか三振か!って言われてた原田選手。
西方選手として見れば、「落ちろ!」と思っても仕方がない精神状態だったと思う
だって実力は団体メンバーと遜色ないのだから…
それでも、天候不順の為中止も辞さない中、仲間と共にジャンプを成功させたのは、団体の金メダル以上の価値あるものだったんじゃないかな🌟
久しぶりに青春映画を観てとても感動した❗️
原田選手役(カメ止め監督)、本人と思うくらい!
最後「船木ー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)」って言って欲しかった(笑)
大筋は知っていたけど泣ける
二度の公開延期だけど、テーマ的に見ておきたいとは思ってて観賞
やっぱりスポーツ&実話は泣けるね
長野オリンピックは、リアルタイムで見た記憶あるし、テストジャンパーの話もドキュメンタリーとかで知ってたから、内容はイメージ通りだったけど、
リレハンメルから長野までの話は、知らなかったし、
他のテストジャンパーの境遇は全く知らず、
女子高生がいて、高梨沙羅とか出てくる前の、女子の競技として認知されていない頃の選手だったり、耳が聞こえない人がいたとか、
それぞれのエピソードでも泣けた😭
オリンピック候補にしたら、ただのテストジャンパーだけど、彼らにしたら、日の丸を背負ってオリンピックに出ることが叶わないから、全てをかけてたんだなぁと。
キャストは、実名出てくる選手特徴割りと捉えてるけど、やっぱり原田雅彦がそっくり(笑)
インタビューとか、おぼろげながらあんな感じだったなと(笑)
にもかかわらず、西方とか周りとの友情には泣かされる😭
女子選手、可愛いと思ってみたけど、日向坂46のアイドルだったんだ(笑)
ジャンプ終わりの『ふなきー』は入れて欲しかったけど(笑)
吹雪なのに、雪がついてないとか、細かい所は気になったし、
オリンピックイヤーにあえて公開したのが、反感買うところもあるんだろうけど、見て欲しい
彼らの〝ソウル〟
オリンピック開催の裏で支える人びとの存在を今更ながら知りました。
スキージャンプ団体の金メダル獲得を陰で支えたテストジャンパーたちの「ソウル」に感動。
こんなに泣けるとは予想していませんでした。
実話だから一人ひとりの人物像が際立っている。
主演の田中圭さんはじめ奥さん役の土屋太鳳さん、本人にそっくりな濱津隆之さんや山田裕貴さん眞栄田郷敦さん、そして女子ジャンプのために一途に頑張る高校生役の小坂菜緒さんが良かった。
私は日頃応援してる大友律さんがジャンプレギュラー陣にいて本当に嬉しかった!
あんな猛吹雪の中、テストジャンパーにテストさせるなんて!という怒りも感じた。
それでも飛ぶという彼らの強い意志と熱い想いに心揺さぶられた。
もうすぐオリンピック。
コロナ禍で色んな苦しい大会だけど、どうか怪我をしないで日頃の力が発揮できますように…
ダサくても、泣いたってええやんか!
人気の俳優を集め、泣ける題材を映画にする。
そら、当たりますわな。
ただ自分が観に行った時は、朝一だったからか、自分と他に1人居ただけで、ほぼ貸し切り状態やった。
可愛い女の子出てるなぁ、と思ったら、あの娘が小坂菜緒って言うのかぁ。
観に行った翌日に、体調不良で芸能活動休止、ってのは驚いたけど。
それから、聴覚障害を持った青年役。お、結構演技上手いな、こいつ、と思ったら、
「ゴーカイジャー」の「ブルー役」やんか。
当時の寡黙なイメージと全然違ったから、全く気付かんかった。
ストーリーは、もう「はい、感動してください!」というのが前面に。
「オリンピックは私の夢なんです。これで終わらせたくないんです」
「絶対このままでは嫌だ。僕も飛びたい」
ホンマにそんな事、いうたんかいな! と突っ込みたくなるし、
そういうのが苦手な人には、単なる「ダサい映画」に思えるかもしれない。
でも、それがわかってても、ある程度の部分は脚色やフィクションやってわかってても、おっさんは観てて泣いてまうのよ。感動してまうのよ。
25人全員が成功し、集まってガッツポーズした時には鼻水まで出てたわ、不覚ながら。
素敵な連中の映画やったけど、一番素敵やったのは、
頑張る夫を、そっと見守る妻役の土屋太鳳ちゃんやな。
太鳳ちゃんが奥さんやったら、五輪で金メダルは取れんでも、人生は金メダルレベルやと思うけどな爆
中盤から涙が止まらない。老若男女きっと共感できる感動の実話。
『ヒノマル』『日本に金を』
この言葉だけで、五輪はいいよ…となってしまう人も多いと思う。
オリンピック選手の苦悩?
そんなスケールの大きい話…
そんな風に思う人もきっと。
映画ヒノマルソウルは東京でオリンピックの開催が決まる前、2011年から映画化しようと決意された作品らしい。
映画の中では『日本の為』にという事に疑問を投げかけるセリフもある。
この映画に出てくる主人公は仲間の失敗で金メダルを逃し、年齢的に最後のオリンピックでは怪我に見舞われ代表を落選してしまう西方仁也。
何処か遠くの話のように感じるが、プライド、妬み、嫉妬、将来への迷い、夢…
彼の抱く感情は誰しもが経験した事があるであろう人間臭いもの。
だからこそ序盤から彼の心情が痛いほどに伝わってきて苦しい。
西方仁也を演じているのは田中圭。
金メダルを取れなかった時の悔しさ、長野オリンピックに選ばれなかった現実。
言葉ではなく微量な表情の変化から彼の苦しみが伝わってくる。
特にオリンピックの選考に選ばれなかった時の表情はリアリティがある。
安堵からの落胆。
一瞬にして静かに表情が変わっていき、いたたまれない気持ちになる。
テストジャンパーとして裏方で五輪に携わるが、ジャンプを失敗した原田が長野五輪に出場。
何で俺が裏方なんだ…
そんな思いを原田選手にぶつけてしまうシーンがある。
言葉は妬みや嫉妬だが、彼の表情から苦しさ悲しさが溢れる。
言ってはいけない事を言ってしまったと言う気まずい空気が流れ張り詰める。
田中圭さんの言葉を借りればずっとウジウジしている主人公。
そんな彼にここまで感情移入してしまうのは、所々に入る家族や仲間とのシーンから垣間見える彼の人間力。
土屋太鳳さん演じる奥さんの、幸枝さん。
感情を表に出さずに時に冷くも聞こえる言葉で西方さんの気持ちを汲んでいく。
こんな妻でありたいと思える程の素敵なひとだ。
幸枝さんといる西方さんの表情は、どこか少年のようで普段見せている表情とは全く違う。
奥さんに大きな信頼を寄せ、奥さんの物言いに、時に傷つくような表情を見せる可愛らしさがある。
リレハンメルオリンピックで金メダルを逃した後、失意の原田に前向きな声をかけた西方が奥さんの前で大粒の涙を流すシーンがある。
雪を溶かすような大粒の涙を流す姿は子どものようで、強く温かく包み込むような幸恵さんの包容力。
2人の関係性が一瞬にしてわかる素敵なシーンだった。
子供と対峙する時、後輩のジャンパーとのやり取り、所々に見せる西方さんの優しさ温かさが彼の魅力を増していく。
決して大袈裟にいい人を振る舞うのではなく、身体の中から溢れ出す人の良さというか…とにかく田中圭が演じたからこそ感じる熱さ、温かさがある。
そんな人間味溢れる主人公に感情移入が止まらないのだが、この映画は決してそれだけでは無い。
脇を固める俳優陣の演技、役柄にも魅了される程にどの役も素晴らしいのだ。
怪我のトラウマを抱える南川(眞栄田郷敦)生意気な素振りを見せつつも、恐怖を拭えない姿。
それでいて西方さんの話を聞いている時はワクワクする気持ちを抑えられないような可愛らしさがある。
女子高生テストジャンパーの小林(小坂菜緒)オリンピックに対する思いは誰にも負けない熱い闘志がある。
彼女の真の強さ明るさは人を動かす力がある。
聴覚障害のある高橋(山田裕貴)ハンディキャップを背負いながらも誰よりも飛ぶ事を楽しんでいる明るいムードメーカー。
山田裕貴さんの持つ熱さ優しさが溢れて、苦しく張り詰めたシーンでも、彼が映る事でとても安心する。
彼のジャンプシーン、一瞬音が消え彼の感じている景色を一緒に体感できるようで一気にスクリーンの中に吸い込まれるような気持ちになる。
飛んだ後の高橋の表情、言葉には毎度泣かされる。
日本の金メダルをかけた命懸けのジャンプ。
様々な思いを抱えて飛ぶテストジャンパー達。
彼らのキラキラした笑顔。
この辺りからエンドロールまで終始涙が止まらない。
最後まで吹っ切れない西方が仲間の姿に押されるように飛ぶシーン。
何のために飛ぶのか…それは決して日本のためでは無い。
25人のテストジャンパーが開いた金メダルへの道。
いつも明るく呑気にも見える笑顔の原田選手がこれまで抱えて来た重圧。
仲間への思い。
そして西方への気持ち。
日本が金メダルを取った裏側、誰も見ていない場所で、記録にも記憶にも残らない命懸けの戦いがあった。
原田選手の「みんな」と言う言葉の真実を知り涙が止まらない。
ジャンプを終えた西方へ息子の慎護くんが渡すプレゼント。
貰った後の西片さんの涙。
映画でこんなに泣いたのは初めてだ。
気を抜いたら声をあげて泣いてしまうほどだった。
震える肩が止まらなかった。
放心状態になりながら観るエンドロール。
少しずつ温かい気持ちになっていく。
そしてエンドロールのラストに映る写真。
その後の文字。
ここでまた涙腺が崩壊する。
そう…これは実話なのだと思い出す。
来るぞ来るぞ!という大袈裟すぎる音楽も、お涙頂戴の演出もないのに自然に涙が溢れてくる。
人を支えられることへの喜び。
人に助けられて生きていることへの感謝。
裏か表かはどうでもいい。
やるべき事に真剣に向き合おう。
色んなメッセージを受け取った。
長野オリンピックの記憶がある人はもちろん、これから沢山の夢や希望、そして挫折を味わうであろう若い人達にも観てもらいたい素晴らしい映画だった。
涙、涙。
長野オリンピックは
私が中学生のころ。まさに、団体ジャンプはとても記憶に残っていました。しかし、当時中学生の私は、原田、船木、葛西の印象しかありませんでした。
しかも、この映画、流れで急に見ることになり、前情報一切なく入ったため、色々衝撃でした。
そして、西方選手の存在はこの映画で知りました。
私もスポーツをしていたので、メンバーから外される気持ち、怪我、なんとか間に合わせたリハビリ、もう、感情移入がすごくて、ずっと泣きそうでした。
最初に涙こぼれたのは、テストジャンパーで3人で、ウイスキーを盗み飲むシーンです。他のシーンも何度も涙が溢れました。西方選手、本当に、本当に、悔しかったでしょうし、それでも家族のため、なによりジャンプが好きだから。とても複雑で残酷でどうしようもない心境だったんだろうと伝わりました。それでも最後のテストジャンプは素晴らしい。どこまで本当なのか本人にお聞きしたいです。
事実は小説より・・・〜別の世界に飛んでいった原田………137メーター!〜
本作は、もう映画としての出来の良し悪しとか、そんな事はどうでもいいと思う。
脚本がどうだろうが演技がどうだろうが「事実」の上には全てが霞む。
・リレハンメルにて原田の失敗
(100m越せば金。普段130mを出せる原田だから日本中の期待は大きかった)
・長野、原田が飛ぶ直前の悪天候。
まさかの79m。日本4位への転落。
・競技再開条件は、悪天候の中、テストジャンパー25名が1人も失敗しない事。
この「悪天候・25人全員成功」という条件が突き付けられた事。
それを全員が成功させたという事実。
事実は小説より奇なり、とはまさにこの事。
奇跡的な現実ではないか。
これ以上のドラマは、歴史の中にもおいそれとは転がっていない。
しかも、こんな凄い話が、世に知られる事もなく、関係者の記憶の中だけで忘れ去られようとしている・・・。
そこに脚光を当てた事が本作の、何よりの意義である。
(以下、映画内に描かれていない事実)
長野オリンピックを観戦する為には、駐車場から約1時間の距離を歩かねばならなかったそうだ。しかも、この日は吹雪。雪の降らない地域から子連れで来た人々も少なくない。
つまり、あのジャンプを目撃した人々の中に「軽い気持ちでフラッと訪れた観客」は誰もいない。
子供を抱き、あるいは手を引いて、吹雪の山道を雪中行軍よろしく、1時間近く歩ききった「覚悟のある人々」ばかりだったのだ。
だから原田の1回目に対し、非難する観客は誰もいなかった。
映画内では「また原田かよ」という観客の台詞もあるが、実際にはそんな事を言う客は誰もいなかったそうだ。
なぜなら、原田が飛ぶ直前、あまりにも雪が煙って、ジャンプ台も原田の姿もまったく見えなかったというのだ。
観ている方ですらそうなのだから、生身で時速90キロに及ぶ滑走をしている原田は如何ばかりだったろう。
落ちていく原田を見て、多くの人は
「今のは仕方がない」「当たり前だ」と思ったそうだ。
しかし、人間の眼とTVカメラの解像度は違う。全国に流された映像は、僅かに霞む程度で鮮明に見えた。
まるで現場までが原田を非難しているかのような誤った認識の空気が、日本中に広まっていく。
(現場には「寒くなったから帰ろうよ」などという客はいない。テストジャンパー達同様に、帰路もおいそれと帰れる行程ではないのだから。
皆、何が起こっているのだろう?という目で、この不思議な飛行隊を眺めていたそうだ。白けた空気は少なく、皆が心の中で選手達を応援していた。
当時、プライベートで市井の一観客として現場で観戦していたルポライターさんが、本作に対して「観客なめるな」と書かれていたw
まぁ、中には怒りを覚えたり、帰ろうとしたりという人もいたのかもしれないが。
映画脚本制作関係者はこの事実を知らなかったのだろうか?参考情報提供者は大会関係者でそこそこ地位もあるのだろうから、車移動も可能だっただろうしねぇ)
テストジャンパーの皆さんは、金メダルへの道を切り拓く為、命懸けのジャンプを敢行してくれたのだ。
最初に飛んだ勇気ある少年は、映画の南川ではなく、まだ高校生の梅崎慶太くんだった。凄まじいプレッシャーだったろうに梅崎選手は完璧な着地を決める。
(つまり南川だけは、ストーリー演出の為に創作された架空のキャラクターという訳ですね。)
映画内で小坂菜緒が演じた小林はやはり当時17歳だった葛西 賀子選手の事だ。(現在は吉泉トレーナーとご結婚され吉泉姓)
聴覚障害のある高橋竜二選手は実名のまま役名になっている。
無事に24人が見事に飛び終え、西方選手の番になった。実は、この時点でテストジャンパー達には知らされていなかった重大な事実がある。
「再開の条件」は、もう一つあり、それは「西方が、大会選手並みの大ジャンプをする事」だったそうなのだ。
西方本人が知らないのだから、もしも失敗回避を優先して無難に済ませようとしていたら、大会続行は無かった!
そして、西方選手はなんとK点超えの123mという大ジャンプを見せてくれたのだった。(後に西方は語っている。安全を証明する為のジャンプなのだから、少しでも大きく飛ばなければ。ここまでみんなが踏み固めてくれたのだから、今度は自分がメダルに繋がなければ、と。)
原田選手が、西方選手のアンダーウェアと葛西選手のグローブを借りたのは映画のようなギリギリのタイミングではなく、もう少し早い日の事だったらしい。
「今度は高いか? 高い!
高くて……高くて、高くて、高くて。
いったあーーー! 大ジャンプだ、原田ーっ!
すごいジャンプを見せました! 原田っ、ここ一番で大ジャンプを見せました、原田っ…………まだ距離が出ない………もうビデオでは測れない。
別の世界に飛んでいった原田……………137メーター!!!!」
日本中が興奮に包まれた。
「俺じゃないよ。やっぱりチームメイトみんなでね。うん、頑張って。
俺じゃないよ、みんななんだみんな。お客さんもみんな頑張ったな本当に……うわああ、だめだあ、ちくしょう、嗚呼!」
泣き崩れながら、嗚咽のまにまにインタビューに答えてくれた原田の姿は忘れられない。
西方がオリンピックに出られないきっかけとなった腰の故障は、長野オリンピックからルールが「スキーの板の長さ上限が「身長+80cm」から「身長の146%」に変更された為、それに合わせた練習が腰に無理な負荷をかけたらしい。
板の長さが変われば、バランスを取る為の身体部位も変わる。これまで使っていなかった部位に新たに強烈な負荷がかかるわけだから故障を招くのは自明だろう。
それなのに、他にも2004年冬からは、選手が軽量化の為に無理な減量をしないようにと、BMIによって板の長さを144%や142%に制限するルールが出来た。
2011年にも長い板を履く為の制限がBMI20.5から21に引き上げられる。
この0.5%という小さな変更が与える影響は凄まじく大きい。世界大会で金メダル常連だった日本選手達は次々と調子を崩していく。
ジャンプ競技というものが、如何に繊細なスポーツであるかが、わかるというものだ。
スキー連盟や大会組織委員会などに翻弄されながら、ストイックに練習に励んでいる選手の皆さん方にはまったくもって敬意を抱くばかりだ。
この映画は「25人全員がジャンプ成功させねばならない」というシーンに至る以前の場面の出来不出来は正直どうでもいい。
すべては「25人成功が条件」という驚愕の事実を引き立てる演出になっていればそれでいいのだ。
23年間、長野の雪中深くに埋もれ、このまま人の耳目に触れることも無くなったかもしれない、この珠玉の逸話を掘り起こし、太陽の下に晒してくれただけでも高い価値があるだろう。
星は映画作品としての評価よりも、その「価値」につけた。
わかりやすい再現ドラマになっている
ので、どなたにも一度は視聴して欲しい映画である。
彼らは個々の想いのために飛んだ
長野五輪スキージャンプ金メダルを支えた
25人のテストジャンパーの実話。
予告で
「俺が日本に金を取らせます」と言っているが、
本編にこのセリフはない。
正確には「日本」が「原田」に差し代わっていて、
「俺が原田に金を取らせます」と言っている。
彼ら25人のテストジャンパーは
日本のために飛んだのではない。
個々の想いのために飛んだのだ。
それが西方の場合は「原田のため」という事だ。
そこに至るまでの葛藤や悔しさ、
嫉妬や妬みの感情が正直に丁寧に描いている。
冒頭の「落ちろ」は、なかなか衝撃的だが
この気持ちを理解できる人だって多いはずだ。
タイトルで判断せずに観てほしい作品
おすすめです
私の映画観が古いのかな。
『るろうに剣心』最終章2本は私の想像を遥かに超える素晴らしい映画だったが、
この映画は想像を満たしてくれるモノではなかった。
ここのコメントを読んでこの映画を見るハードルが上がっていたせいかも知れませんが。
テレビドラマみたいだった。
脚本に深さがない。楽しくない。監督に一本スジの通った映画観が無い。面白くない。
冒頭、リレハンメル五輪後の記者会見で、『メダルを挙げてください!』と言われた時、原田が泣き出してしまう。その時西方が、
『泣くな原田。お前がいなかったらこの銀も取れなかったと俺は思ってる』
と声をかける。
このセリフを聞いた時、これは期待できる映画かもと思ったが、そこ止まり。あとは下り坂。
オフの人々の声の入れ方も悪い。
「残念だったねー」「原田が悪いんだよ」
「オリンピックまで一緒に頑張りましょう」
「いつまでテストジャンプやってんだよー」「寒くなって来たからもう帰ろうよ」etc.
画面全体に緊張感の無さが漂ってる。
一番最悪なセリフは後半のクライマックス。
吹雪で中断するスキージャンプ。このままだと日本は4位。金どころかメダルにも手が届かない。2本目をやって逆転しなければ…。
審判団は、テストジャンパー達全員がジャンプを成功させられるようであれば競技は続行し、2本目のジャンプを行う、と判断を下す。
テストジャンパー達がは、「よし!俺たちの出番だ」とジャンプ台に向かう。その時、待機デッキで待機していた日本代表4人の中の誰かが、
「頼む!俺たちの金は君たちにかかってる!」と声をかける。
誰が言ったとかではなく、問題は、よくこんな無責任なセリフを吐かせたなと、脚本の陳腐さに呆れてしまった。
これに似たようなセリフは随所に出て来るが、
このセリフは最悪。
例えば、
「皆んな、ありがとう」「無事に飛んでくれ。あとは俺たちが頑張るから!」
とかなら分かる。
俺たちの金は君たちにかかってる、だと?
ふざけるなー!なんと驕り高ぶった言葉!
この映画の『魂』に一番相応しく無いセリフ。
監督、プロデューサー含め製作者の中の誰一人そこに気づかないとは。誰もこの映画を愛していないんじゃないかと思う。
ドラマのTBSが付いてて何をやってるんだ!
役者達は皆んなちゃんとやってて、良かったと思うが、制作陣には緊張感が無さ過ぎてあきれる。
長野五輪のテストジャンパーの中に女の子のジャンパーが本当に1人だけいたのかなー?
「女子のスキージャンプがいずれ五輪競技になるのを夢見てる。その第一歩がこのテストジャンパーなんです」
と、その女の子が西方に語る。雪のベンチでのワンシーン。
あのシーンもセリフも良かったと思った。
フィクションならあの女の子の描き方がすごく中途半端。西方にかなり影響を与えている役なのに、見ている側の心のつっかえ棒を外されたような中途半端さ。
他のテストジャンパー達の描き方も似たような描き方になったて全部中途半端。
もっと西方の側に立ってる見ている観客の目線で描かないと。
まあ、他にも言いたいことはあるがこのくらいに。
ラスト、西方の息子が手作りの金メダルを彼にかけてあげるシーンにはさすがにグッと来た。
映画を愛して欲しい!!
山田裕貴さんの演技に、涙腺が緩みっぱなし。
序盤のリレハンメルから長野オリンピック。
ああ、確かそうだったと、記憶を辿っていろいろ思い出しました。
原田さんの明るいキャラクターの裏で、実際一番悔しくて許せない自分を押し殺してたんだなぁと、そこから涙腺が緩んできました。
でも、途中からは高橋竜二役の山田裕貴さんが話すたびに涙が止まらない。
最後のジャンプの後、涙を拭くのを止めました💦
東京もいろいろ言われてますが、絶対やった方がいい!
暗い世の中に、感動と喜びを必ず得られると思うから。
Perfect Clarity
飯塚健監督の「ステップ」が個人的に全くと言っていいほどハマらなかったのでかなり不安だったのですが、そんな不安も払拭してしまうほど感動しました。
実話とは思えないほど素晴らしいひとつの物語に仕上がっていました。表舞台で大活躍した西方仁也選手が、怪我により長野五輪の選手に選ばれず、裏方のテストジャンパーを任されるというのが物語の大筋です。西方選手の葛藤や苦悩が生々しく描かれるので、常に彼に同情するような気持ちで観てしまいました。
脇を固める俳優陣も素晴らしく、特に山田裕貴さんの喋りが素晴らしいなと思いました。小坂菜緒さんや眞栄田郷敦さんも素晴らしかったです。
普段自分たちは表舞台の人たちを目当てにエンタメを楽しんでいるので、裏方の努力は中々わからない事が多いです。西方選手も裏方に納得がいっていない状態でしたが、テストジャンパー全員の努力が渡したバトンから飛んだジャンプで、競技再開へと漕ぎ着けます。そこから原田選手が前回の五輪の屈辱を果たす大ジャンプを成功させ、見事日本は団体初優勝に至りました。この部分だけは何度もテレビで見たことがありましたが、いざ裏方の気持ちをまじまじと観るとこうも感動するとは驚きました。ここで流れた「Perfect Clarity」が最高すぎました。ウルっときちゃいました。
とても素晴らしい作品でした。興行収入が伸びていないというのが物悲しいですが…
鑑賞日 6/20
鑑賞時間 16:20〜18:30
座席 K-8
当時観客席にいました
五輪直前という事で企画が持ち上がったであろう今作
結構楽しみにしていたのですがそれもそのはず
この長野五輪団体ジャンプは当時現地で観戦
していたからです
感想としては
当時の空気感の際限度も高く
「今だから」こう作れるというほどの
各選手の葛藤や本音をぶつけ合い
原田雅彦選手の鋼のメンタルに救われたのかも
しれないと思いました
五輪競技は突然国家的ムードが盛り上がり
代表選手はメダルを取るための有り球かのように
連日持ち上げられ失敗すれば批判されメダルを取れば
時の人という報道が繰り返されます
個人的にはウンザリなのですが今度の東京五輪は
コロナ禍ムードでの開催にメディアが開催の危険視を
煽りたてる異常なムードになっています
スポンサーをしているにも関わらずですから
やり始めたらやり始めたで手のひら返して
いつものように報道し始めるんでしょうけど
自分たちでそれだけ冷めさせておいて
よくそんなマヌケな事が出来るものですね
この映画では選手たちの葛藤と報道の無責任さ
そして観客の無頓着さが交わることがなく
話が進んでいくのが印象的でした
テストジャンパーが全員飛ばないと協議が続行できない
という事情を観客は知らずもう寒いから中止にしろと
言った声が聞こえてくるシーンなど本当にリアルでした
現場は確かにそんな感じでした
あのドット表示の電光掲示板も良く再現してありました
リレハンメルで失速ジャンプをして日本中から叩かれた
原田雅彦選手も脅迫電話や嫌がらせを受けつつ
長野での金を目指して再起していましたが
団体のほかのメンバーは金メダリストになり損ね
長野では代表も外されてしまった西方仁也の本音
も作中に盛り込まれており
今だからこう描写できるといった部分も多かったです
確か西方選手はスキー板を身長に応じて長くする
ルールに変わったことも不利に働いたのも
影響したんだった記憶があります
五輪は競技全体の活性化にもつながる一大目標で
その名誉に予算や身の振りもついてくるのはわかるし
4年に一度という性質から
実力者であっても縁がなかったりします
これが一年延び商業的なリターンも期待できず
東京五輪がこんな状況に陥っているのは
関係者には気の毒でしかありませんが
どうにか開催を成し遂げてほしいものです
みんな主人公レベル
それぞれの人生があり、それぞれが主人公要素ばかりで素敵だと思った。
例えば難聴の役山田裕貴さんが演じた高橋さんは、25人の中で1番の成績(131m)を叩き出したそうだ。
南川が「最後は一番飛べる西方さん」と言っていたが、西方の記録がぼかされたまま(というか「飛べた」ということに重点を置いていた)映画が終了したため少し疑問に思って調べたのだが、なるほど。『西方が主人公の』映画としては記録のことを触れると感動が薄れるからその辺りは描かなかったのか。
高橋さんはその後難聴の選手として注目されプレッシャーで成績が伸び悩んだそうだが、数年後復帰している。
どの要素を切り取っても主人公である。
女性のテストジャンパー小林さんのモデルになった吉泉賀子さん(旧姓葛西のため紀明さんとかぶるから名前を変えたと思われる)はその後も選手を続け、日常生活も危うい骨折をしたが選手を続けたくてリハビリを頑張り、なんと1年で復帰。2013-14年に引退したそうだ。そして引退した2014年のオリンピックから女子の種目が追加された。
吉泉さんのような人達が道を作ってきたからこそ、今があるのだと思った。オリンピック選手として出場できなかったのは悔しさもあるかもしれないが、吉泉さんのような選手がいたことは誤解を恐れずに書くと、「女の」そして日本の誇りである。
この人たちで映画一本作れる。
さて本編についてだが、唐揚げで言うパセリ。くらいの扱いだった葛西紀明選手はかなり端折られた挙句美化されたが(本来は悔しくてすぐに帰った)長野オリンピックを題材にするのだから触れないわけにはいかない、という感じで出演させたのだろうか、なんか消化不良だった。
というかこの映画自体が、美化されているところもかなりあるんだろうなと観ながら思った。(西方はギリギリまでくすぶっていたのでリアル感はあったが)
小林さんを演じた日向坂46の子。
気になったのが、オリンピックでのテストジャンパーが成功しないと〜と揉めている大事なシーンで、
前髪が広がっている次のカットではピチッとなっていたところ。そして次のカットはまたバラけていた。角度とかの問題ではない。
あー、カットしてヘアメイクささっと直して撮り直したんだろうな。
眞栄田郷敦は軽い役があまり合っていない。
土屋太鳳はいつも同じような役回り。
合成シーンは合成だとすぐにわかる。田中圭が緑の背景バックに叫んでいるの想像したら俳優ってすごいなと思う。
歌詞付きの音楽が流れるタイミング!!ちょっと笑う。歌詞のない壮大な音楽でもよかった気がする。
烏龍茶のくだりは笑った
全体的によかったし涙腺にきたところもあった。
今回スポットライトを浴びた西方さんだけでなく当然原田さんや他のメンバー、葛西さんやテストジャンパー25人それぞれ、もちろん他の競技の一人一人も…
それぞれにドラマがあり語り尽くせないほどの経験をしてきたのだと思う。
様々な思いが交錯するオリンピック。
コロナが無い世界線で、この映画をオリンピック期間に見たらきっとまた違った目で競技を観戦出来たんだろうな。
ここまで頑張ってきているオリンピック選手、そして舞台裏の英雄たち、また日本を沸かせてください。
表舞台と裏舞台。そして奇跡は起きた。
地元・長野で行われ、原田選手に感動した1998年の長野オリンピック。冬季五輪はまだあまり人気が無かった状況下で、みんなボランティアやら何やらで、「オリンピックを盛り上げよう」と沸いていた。それから数年後、25人のテストジャンパーの裏方話がニュースとなり、とても感動し、詳細を知りたいと気になっていた物語。
表舞台。
それは、原田選手の活躍で金メダルを取ったジャンプ団体。ここにも大きな物語があり、4年前のリレハンメルで金メダル確実と言われた原田の最終ジャンプが「失敗ジャンプ」となり、銀メダルを取りながらも「戦犯」とみんなに言われ、強く非難された。
更に長野での1本目もまた失速し、1位から4位に後退。「また原田か!」となりながらも、”悪天候による中断”後の2本目に奇跡の大ジャンプで逆転・金メダルにつなげ、日本中に感動を巻き起こした。
裏舞台。
それは、25人のテストジャンパー。そして西方選手。
裏方にまわった人の気持ちは多くの人が共感できるところだと思うが、西方選手は特に、「地元・長野」での金メダルをみんなに期待されながら、選出さえされず、そんな状況下で誰も見ていない裏方にまわらされた悔しさたるや、想像がつかない。原田選手の1本目に「なんでお前がそっちに居るんだ。落ちろ。」と思ってしまうほどに・・・。
表舞台と裏舞台。
そんな中で、25人のテストジャンパー達は、1人でも転倒すれば競技中止になるという状況下で成功というバトンを繋ぎ続け、その想いを汲み取った西方選手の最後の大ジャンプによって、表舞台の人へ夢をつなぐ。
原田選手は、西方選手のアンダーウェアと葛西選手のグローブを身にまとい(「忘れたから貸してくれ」と言ったのは実話らしいです)、裏舞台の人たちの想いを胸に2本目へ向かう。
ちなみに、あの白馬ジャンプ競技場に5年前に行ったときは、観光施設的に見学ができるようになっていて、ジャンプのスタート位置まで上ることができた。そこは想像を絶する高さで、足が震えて、とてもここから飛ぼうというような高さではない。しかも、当日のひどい悪天候。テストジャンパー達は、”死”をも覚悟してのジャンプだったと想像される。
そうやって、奇跡は、起きた。
全25件中、1~20件目を表示