劇場公開日 2021年10月30日

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「ジジイを装う草笛光子は高田純次に似ていた」老後の資金がありません! 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジジイを装う草笛光子は高田純次に似ていた

2021年11月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

2021年映画館鑑賞101作品目
11月28日(日)イオンシネマ新利府
1000円で鑑賞

原作未読

監督は『パコダテ人』『パローレ』『豚がいた教室』『こんな夜更けにバナナかよ』『そしてバトンは渡された』の前田哲

脚本は『国会へ行こう』『サムライフィクション』『黄泉がえり』『チームバチスタの栄光』『サムライマラソン』の斉藤ひろし

天海祐希の単独主演映画は意外なことに『狗神』以来20年ぶり

生活感あふれるドタバタコメディー

テレビに出ていた知識人に唆され老後の資金を心配し日々家庭の支出に苦しむ中年主婦のコメディー
夫の父親の喪主を長男である夫が務めることになり香典を期待したが来客はまばらで後藤家は大赤字
坊さんの念仏が笑える
第一子長女はバンドマンで栃木の餃子屋チェーン店の息子とできちゃった結婚することに
第二子長男はもうすぐで社会人になる4人の中では一番まともだが鍋に豚肉が入っているだけご馳走だと僕は思う
夫の職場は倒産し退職金は出ず妻が働いていたマジカデンキとの契約は終了してしまい夫婦揃って無職に
そんな折に老人ホームに住んでいた夫の母と一緒に住むことになる羽目に
その義理の母は金遣いが荒くカードで平気に高級品をバンバン買ってしまうためやりくりに苦しむ主婦にとっては最大の頭痛の種

大女優草笛光子が引っ越してくる時と引っ越す時の御召し物が気品よくオシャレ
ヨガのポーズもしなやかで全く年齢を感じさせない美しさ
決して無理をしているわけでなく自然で身のこなしは流石に年相応になった年下の吉永小百合より若々しい
最近フジの『ぼくらの時代』に土屋太鳳& 中谷美紀と共演したが彼女らを圧倒する存在感
立ち上がるときも座るときもどっこいしょと言わないといけない草笛光子と同じ歳くらいの身近な老人とはまるで違う

自転車の二人乗りは明らかに合成であえて狙ったのか昔のアメリカの映画やドラマみたい

殆ど出オチの出演者がたくさん出てくるのも見どころの一つ
ピスタチオはブティックの店員でスリムクラブは刑事役
三谷幸喜はコメディー限定でもっと役者もやれば良い

映画comの出演者には記載されていない著名人多数
偽刑事の詐欺師に神保悟志
ハローワークの職員に痩せてすっかり綺麗になった富田望生
看護師役に小野花梨
などなど

生前葬で盛り上がるシーン好き
草笛光子も歌います
藤田弓子が若い頃ディスコでブイブイ言わせていただけあってリズムの取り方が素人から見ても明らかに非凡

あとヨガ教室での天海祐希の仰向けによる大股開きは特に宝塚ファンでもない自分にとってもショッキングな映像

野川新栄