劇場公開日 2021年4月9日

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「最も憎まれながらする仕事」21ブリッジ フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

最も憎まれながらする仕事

2021年4月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

マンハッタン島を閉鎖する話

とても面白い映画でした。
主演のチャドウィック・ボーズマンが亡くなってしまったことが悔やまれます。
まだまだこれからの役者さんだったのにとても残念です。

本作には病の体を押して撮影に挑んだボーズマンの悲壮感や執念みたいなものが焼き付いていたように思う。

大傑作とまではいかないが大満足でした。
一晩の物語なので時間との闘いでドキドキ。主人公と犯人そして85分署のチェイスでハラハラ。
退屈する暇がない。

冒頭の麻薬強奪シーンからいい雰囲気。
強盗二人の佇まいや銃の構え、連携がかっこいい。まだ何者か分からないはずなのだけれど確実に軍人だろうと思わせる所作。いいですすね。

主人公ら市警の捜査能力の高さや包囲網の速さ、ジワジワ追い詰めていく過程も見ごたえある。
そして発見後からの逃亡と追跡シーンなんかは臨場感たっぷりでしたね、路地、倉庫、厨房、ホテル、全力で逃げる犯人と追う主人公、こう言うのが見たかったんですよ!最高!

犯人、主人公、85分署、それぞれの思惑が絡んでいてそれぞれに魅力的だった。

ラストも考えさせられる、悪とはなんだっとのか。
主人公はコップキラーキラー(警官殺し殺し)のはずだったけれど、この事件では・・・
一昔前までの犯罪=悪 警察=正義みたいな安直な話ではないのでちょっとすっきりしないけれど、一方的な見方ではないところに深味があるし現代的でした。

あんまり宣伝されてないし知名度はいまいちだけれど面白かったな~って思える映画に出会うと嬉しいですよね。
犯罪者VS警官系の映画だと「ザ・アウトロー」を見た時に感じた高揚感ですね。
本作「21ブリッジ」は夜、「ザ・アウトロー」は昼のシーンが多いので正反対だけれどどこか共通点があるように感じました。

数年後にTVとかで放送してもらいたいな~
自分が子どもの頃、「ダイハード」とか「ダーティーハリー」「リーサルウェポン」を見て映画面白いって感じた様に今の子どもにも感じてほしい、映画を好きになってほしいと思いました。

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劇中セリフより

「貴方たちはその他の7人だ」

銃を撃つ勇気は誰もが持てるわけではない。
撃てない事は悪い事じゃないと思うのは私が平和ボケしているからなのだろうか。

フリント