「ちょっと風呂敷がでかかった」21ブリッジ Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと風呂敷がでかかった
昨年惜しまれつつも亡くなった
チャドウィック・ボーズマンの生前作という事で観賞
デンゼル・ワシントンのようなインテリ系黒人役などを
受け継いでいくであろう存在であった彼の逝去は
残念でなりません
感想としては
ボーズマンの演技は相変わらず印象的で良かったのですが
映画としてみるとシナリオ部分はかなり奥行きがなく
オチが途中で読めてしまいちょっと辛かったです
色々設定を大風呂敷にしていったのに
10週で打ち切りになってあわてて伏線回収して
いきなり終わったジャンプの新連載みたいです
ニューヨークはマンハッタン
レストランに忍び込み隠してある麻薬を横取り
した元軍人の二人組が駆けつけてきた警官8人に
囲まれるもそれらを殺害し逃走
幼少期に父を殉職で亡くし自身も
トリガーハッピー警官となったアンドレが
マンハッタン島にかかる21本の橋を封鎖し
明け方までに犯人を捕らえるよう
女性麻薬捜査官のバーンズとコンビを
命ぜられ動きます
とここまではなかなか面白そうなんですが
逃走した二人組が行く先行く先警官が先回り
そもそもなんで急に警官がレストランに来たのか
など疑問が残ります
アンドレも自分がすぐ被疑者を撃ち殺す性格
だからなのか周囲の警官がやたら逃走犯を
射殺しようとしている事を徐々に不思議に思います
で逃走犯たちが手に入れた麻薬を捌くための
連絡役の男をバーで見つけた警官が見つけ次第
射殺してしまいます
ここでもう観てる客はああこれ警察も
グルなんだなと誰でもわかってしまいます
これが尺のまだ1/3くらいのとこですから
ちょっとダレました
にもかかわらずまさか警官がグル・・!?
と思い始める描写を一片通りやりだしますが
それもうわかってるからみたいな感じに
なってしまいます
結局逃走犯は射殺されてしまいますが
証拠の85分署の汚職警官のリストが入ったUSBドングル
(知らない間にキーアイテムになってた)を
手にしたアンドレは署長を問い詰めますが
抹殺しようとしてきたため返り討ちにして終わります
なんというか展開がとことん後付けで
このラストシーンも署長の家に先回りして
いたアンドレに汚職警官たちが都合よく取り囲んで
襲い掛かってくるとことかゲームみたいな都合のよさ
そもそも行き当たりばったりで展開していくので
題名になっている21本の橋の封鎖もそんなにストーリー
に活きてなかった気がします
テレビの刑事ドラマの1回分で全然やれる尺の
シナリオを無理やり引き延ばしたようで
説明的な展開とかも含めこれほんとに洋画かな
と思うほど日本の映画みたいでした
ダメなとこという意味で
まあそんなに期待してなかったのもあり
こんなもんかという印象の作品でしたが
わざわざ観に行くほどの感じはなかったです
ただまあここんとこのコロナ禍でこうした
洋画の刑事ものも久しぶりなんですよね
そのへんまた元通りになってくるといいんですけどね