「レインボーブリッジを、いや、マンハッタンを封鎖せよ! テンポが良く発想が面白いクライムアクション映画。」21ブリッジ 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
レインボーブリッジを、いや、マンハッタンを封鎖せよ! テンポが良く発想が面白いクライムアクション映画。
2020年8月に「ブラックパンサー」主演のチャドウィック・ボーズマンが癌により突然亡くなってしまいました。本作は、そんなチャドウィック・ボーズマンが主演・製作を務め、同時に製作には「アベンジャーズ エンドゲーム」のアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟監督も名を連ねているクライムアクション映画です。
99分と比較的短い時間にテンポ良く物語が進んでいきます。
本作で最も面白いのは「ハリウッド映画ならではの大胆な発想」で、日本の「踊る大捜査線」では「レインボーブリッジを封鎖せよ」というのがありましたが、本作ではアメリカの中心街である「マンハッタン」を大規模に封鎖してしまおう、といった具合です。
これは「マンハッタン島」という特殊な地形も関係しています。
冒頭の子供時代は短いシーンでしたが、やや唐突で難しく「ん、駄作か?」と身構えてしまいましたが、すぐにテンポ良く進んでいくので安心しました。
主演のチャドウィック・ボーズマンは言うまでもなく、パートナーを組むことになった麻薬取締局の捜査官のシエナ・ミラーも良かったです。
エンドロールで「 テイラー・キッチュ」という名を見て「あれ、誰だっけ?」と思ったら、2012年にウォルト・ディズニー生誕110周年を記念作「ジョン・カーター」と、「バトルシップ」という2作の超大作に主演し、「今後の超期待俳優」とされていた彼でした。犯人役か、と思いましたが、それを含めて俳優陣もJ・K・シモンズなど何気に豪華でした。
ただ、強いて言うと、字幕、もしくはテンポ優先のせいなのかは分かりませんが、少し不親切さも感じました。
字幕の面では、カギとなる「LMSI」という用語は馴染みがないので常に注釈が欲しいところです。
これは、「主人公らに捜査情報を教えてくれる部署」の略称です。
また、多くの人名が出てきますが、モブキャラのような「ケリー」という警察官(警部補)は意外と出ているので、この「ケリー」という名前はしっかり覚えておいてください。
以上の点に気を付けておくと、ミステリー色もありテンポの良いミクライムアクション映画として楽しめます。