劇場公開日 2020年3月14日

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コロンバスのレビュー・感想・評価

全33件中、1~20件目を表示

4.0モダニズム建築の個性や味わいが物語の重要な一部をなす異色作

2020年3月26日
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鑑賞方法:映画館

なんだろうこの穏やかな感覚。一筋のやわらかな光がスーッと胸に差し込んでくる静謐さ。様々な状況を抱えた二人が出会い、タバコの煙を吹かせながら言葉を交わしあう。そうやって一時停止した人生が、もう一度動き出すというありきたりな物語の流れなのに、彼らの背景としてこの町並みがあるだけで、もっと言えばモダニズム建築の存在があるだけで、こんなにも深みと余韻が生まれるのか。 映画において建築物は、外見的、機能的にも大きな役割を果たすことがある。本作も未来を思わせる斬新な外観で観る者の意識をハッとさせつつ、昼と夜とで印象を変える表情を楽しみ、また屋内に入るとさらに別の特性が垣間見えてくるあたりが興味深い。まるで人間のキャラクターみたいに特別な味わいや存在感を残す建築たち。遠くに見える医療施設の渡り廊下のように、本作もまた何かと何かをつなげてくれる架け橋のよう。大きく深呼吸した時の心地よさが広がっていった。

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牛津厚信

3.0めくるめく映像美の連続

2024年3月14日
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鑑賞方法:VOD

本作の最大の魅力はとにかく映像美。コロンバスの美しい建築物が2人の相容れない価値観を静かに埋めていく様も良い。 個人的には映画はとにかく映像が肝でしょ派だが、本作はあまりにも映像が主役になり過ぎていた印象。というより、ストーリーがあまりにも控え目過ぎたか。終始まったりしているおとなしい展開に、正直何度か寝落ちしそうになってしまった…(汗) とはいえ、この映像美は他ではなかなか観られない代物であることには間違いない。

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いけい

2.0アフター・ヤンは過去の歴史。この映画は始まりかなぁ?

2023年11月25日
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鑑賞方法:VOD
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When I am 75♥️

4.0好きな建物ってあるよね

2023年4月12日
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鑑賞方法:VOD

建築に学がないので誰が建てたとか別に知らないんですがなんか好きな建物がある。好きな建物をぼんやり眺めていたい瞬間を私も知っていて、なんかその空気感わかるわー好きだわーって思った

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zzzzz

4.5観る写真集

2023年3月7日
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鑑賞方法:映画館

アフター・ヤンがとても良かったので、さかのぼって鑑賞。 アフター・ヤンと比べてもとてもいい。 コロンバスの建物全てが美しいだけでなく、直線を活用した画角も素晴らしく、観ていて気持ちがいい。 動画なのに、ワンショットワンショットがずっと観ていられる。動きはなく、会話のシーンがほとんどなのだが、飽きずに、次はどんな画角でくるのだろうか、と気になっていく。 作品のちょうど「転」のところで動きのあるシーンが出てくるのもきれいにハマっている。 ジン役の俳優はSearchの人。風景によく馴染んで画になっている。 脚本は、整った街と比べて不安定な2人が際立っている。 すっきりする話ではないけど、鑑賞後は充実感たっぷりだ。 コロンバスに是非行ってみたい。 2023年劇場鑑賞43本目

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ひでぼー

3.0評価は分かる

2022年12月16日
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鑑賞方法:VOD

建築の安定した佇まい 若い女と男の想い

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すぅ

3.0グラフィックとして

2022年5月21日
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鑑賞方法:VOD

きれい…静止画で撮ってるような映画 カメラが止まるのよね 建築物の外も外観の木々や庭も路地も そしてインテリアも本当に美しい ストーリーは無いも同然? 親との関係はこんな淡々としたものじゃないよね あーあ、やだやだ 子供の人生を阻害する親 悩みの半分以上が実の親のことだなんて

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mamagamasako

4.0繰り返し見られそう

2022年3月6日
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知的

モダニズム建築というものを綺麗な凝った映像で観せてもらえるのがまず魅力的だった。 わたしは、ケイシーにもかなり引き付けられた。最初、彼女にはクセを感じてとっつきにくく感じたけれど、そのうちすっかり釘付けになってしまった。演技や見てくれは自然なのに存在感があるというのか、強さとか繊細さが同居しながらも耐えて佇んでいるような、そんな雰囲気が個性的でひかれてしまった。ジンの癖のなさが、彼女を引き立てることになっているように思えた。 建築に限らないけれど、ずっとそこにあって存在感を放っているものは、それを眺めながら成長し日々暮らしている者にとっては、特別な感覚があると思う。そんなものも織り込まれながら、二人の絶妙で繊細なやりとりのシーンは、味わい深く面白く、繰り返し見られそうな映画だと思った。

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あま・おと

0.5比類なき薄っぺらさ

2022年2月12日
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アマゾンプライムでタダで見てよかった。ここでのあまりの評価の高さに映画館で見たかったのだけど上映館の少なさと上映期間の短さに阻まれ臍を噛んでいたその臍を返してほしいくらい。雰囲気はずっと良いのです。嫌いじゃないのです。でもずっとそこはかとなく漂う偽っぽさ。ズーッとこの偽っぽさの正体を知りたくて最後まで見たけど尻尾は捕まえられず。見終わってから映画の紹介コメント読んで膝を打ちました。小津が好きなのねー。ムリムリ。みんな好きだっつーの。でも作るのはムリなの。なにも起こらない、なのにとてもステキなのは最近ナンシーという傑作がありましたよ。これは小津のカケラもないよ。本当に小津が好きで映画が好きなら、自分の消化液で消化して、自分の酵素で分解した作品にしないと。内蔵や骨が溶けかけた不気味な未消化物は人に見せちゃだめです。

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三毛猫泣太郎

2.5変な撮り方は面白いんだけど

2021年6月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

序盤は思いっきり前のめりなってしまったが。 建築とストーリーの絡みや主役二人の葛藤やストーリーの行く末にあまり関心が持てずじまい。

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なお

4.5美しい構図と映像だけかと思ったら泣けた

2021年4月22日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

対象も映像もしっかりしているだけあって、見た目だけで引き寄せる力がある。しかし、あまりに格好良すぎて、多少(?)取っつきにくさはあるのかも─。だから、興味深く見ていたとしても、徐々に苦しくなってくるような気が… ハンモックを聴きながらソノシズケサニ浸ることができれば結構心地よい。 素晴らしい映像や構造物は所詮飾り。人の感情が見え出すと、意外と泣けてきた。

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SH

3.5その場の空気感や情緒を味わえる作品

Jさん
2021年4月15日
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現代建築が立ち並ぶ田舎町の恋愛ストーリー セリフが少ない分 その場の空気感や情緒を味わいやすい 建築に見守られている様な 心地の良い感覚に陥

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J

4.0静かな街並みで静かに進行する似た者同士の物語。

2021年4月12日
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鑑賞方法:映画館

オープニングの邸宅内の鮮やかさ!画角にきちんとおさまったコロンバスの街の色彩豊かな建築物、インテリア。静止画のような落ち着きの中に、鮮明な意思と誇りを感じるカメラの完璧な構図!カットのタイミングも好みだ。 モダニズム建築に対する解釈と、美意識とその合理性をモチーフにしつつ、それによって「自分の在り方」ひいては人間関係をを問うている。 人はどこで何をしていようが、自分を形作っているものを模索し自覚していくものなのだろう。ジンジョン・チョウは翻訳の仕事で自分を保ってきた。ケイシーヘイリー・ルー・リチャードソンはふとしたきっかけで建築に興味を持つようになり、それが自分のよりどころとなる。両者とも親にきちんと受け止めてもらえなかった背景を持ち、それぞれがお互いとかかわりながら自分の立ち位置を模索し進んでいく。 大きな事件があるわけでもないストーリーながら、内に秘めたものが形となっていく過程が素晴らしい。 柵越しにタバコを吸いながら会話するジンとケイシーのプラトニックな距離感が最後まで持続する点も好感が持てる。

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jollyjoker

3.5悪くはないけど鼻につく

2021年3月5日
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知的

もはや計算され尽くした色彩とオブジェの配置には、感動しなくなった与太者なもので、パーフェクトを狙いに来るカメラには些かゲンナリ。うまいよ、配色、アクセントカラーの位置、空間の切り口に、雲の形状まで。でも、飽きる。唯一、良かったのは最初から最後まで、建築物たちが本物の底力を持ち、溢れんとする勢いを自ずと鎮めながら、エネルギーを発散し続けていたこと。そのパワーを浴びながら、俳優たちは呼吸していたからこそ、彼らの演技も光ったが、映画に、自然であることを意識させない自然体、が欲しかったと思うのは、欲張りか。

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Jini

5.0デビュー作にして巨匠

2021年1月9日
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imdbを見たのだが、Kogonadaなる監督の履歴には、映画研究のショートフィルムがずらりとならんでいた。 巨匠の名前がタイトルのいちぶになっているから、わかりやすいのだが、ozuというのがあった。さらに、KubrickもBresson もHitchcockもAronofskyもWes Andersonもあった。 Columbusまで、その来歴に、長編映画はなく、すべてがショート。かつ、ほとんどがドキュメンタリーである。 それらのドキュメンタリーを見たことはないが、おそらく、巨匠たちの映像美学の真意究明をこころみるフィルムだと思われる。 だから、Columbusは、Kogonada監督の、長編デビュー映画にもかかわらず、すでに数多の巨匠たちを思わせる、おちつきがあった。 わたしは小津安二郎をよく知らないが、この映画が小津安二郎っぽいかといえば、そうともいえる。 ただKogonada監督が、いわゆる小津オマージュ系の監督と、根本的にちがうのは、すでに画が血肉になっていることだ。 繰り返すが、わたしは小津安二郎をよく知らない。ただし、こんにちまで「小津オマージュ」との謳いで喧伝された映画や監督に、ロクなものはなかった。 これは、雑感とはいえ、明解な動向であり、小津がぁとか言っている監督に、まず間違いなくロクなやつはいない。 小津安二郎に傾倒して、まっとうなのは、かつてのヴェンダースやウェスアンダーソンやアキカウリスマキや、またはKogonada監督の本作や・・・いずれにせよ、限られたものしかない。と思う。 ちなみにどのへんが小津っぽいかとか、それはよくわからないが、すくなくとも、小津安二郎をまねて腰位置にカメラをすえて撮ってみよう──というような無意味な形骸を、Kogonada監督はやっていない。それが「血肉」の意味である。 自分のなかで消化し、取り込んでいるのであれば、小津風ショットが出てくるわけじゃない。──そのことは、たとえばウェスアンダーソン映画を見て、小津安二郎の真似じゃないけれど、どことなく小津っぽい、と思うことと同様である。 むしろ、その落ち着きは、小津安二郎にかぎった風味でなく、上述した、さまざまな巨匠を研究しショートドキュメンタリーを撮ってきた経歴からくる博覧強記である。 映画には、新人監督デビューらしき、未成熟はまったくない。 ほんの一ミリの未熟も感じなかった。 わたしはパラサイトのレビューに、(撮影の美しさが)Columbusを思わせる──と書いたことをしっかり覚えている。 Kogonada監督はそういうすでに巨匠格をもっている「新人」だと思う。 韓国人と紹介されているが、国籍は米国だと思われる。 Columbus市のことを知らないが、街に、著名な建築家が手がけた建造物が多数あり、それらをとらえながら、映画として美しい絵になっていた。 一見シンメトリカルに見える構図にしながら、たんじゅんなシンメトリカルを嫌っている。そんな老獪なテクニックを感じた。 絵だけでも、そうとうな叙事詩であり、Kogonada監督の今までの映画研究が高いレベルで成就していることは一目瞭然だった。 ただし、わたしがもっと驚くのは、Kogonada監督がペーソス=にんげんをとらえていることだ。 いうまでもないが、映画はにんげんのことを描くものだ。 たとえば小津安二郎好きが高じてオマージュ作品→腰位置にカメラを据えて、日本家屋をとらえたとして、それがなんになるだろう?(Such as:わたしたちの家=「小津オマージュ」という空っぽ体験ができる「天才」がつくった映画です) いかに映画研究者・トリビューターといえども、巨匠を模倣するだけならbotにできる。映画監督は、にんげんを、ペーソスを描くことができなければ意味がない。 絵だけじゃなく、にんげん(のドラマ)も描けているとき、わたしたちは感心する。 Columbusはそれだった。 後日の発見だが、物静かで飽きない時間/空間の取り方が、韓国映画のはちどりに似ていると思った。 なんなんだろうか、血なのか、大陸とのつながりなのか、日本人はああ/こういう端厳な静寧な絵をぜったい撮れない。 ヘイリールーはじょうずな女優なので、監督にはキャスティングセンスも感じた。 ラスト近く、パーカーポージーが運転席にいて、ジョンチョーが後部にいて、助手席のヘイリールーが泣き出す場面がある。なんか説明不能だがすごく巧いなあと思った。

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津次郎

5.0許せたからこそ新しい出発があった。

2020年12月24日
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鑑賞方法:DVD/BD

好きな映画。最後に、橋を車で渡ってケイシーはコロンバスを去ってニューヘーベンに行く。この赤い橋(The Robert N. Stewart Bridge )がコロンバスをでる境にあるような気がする。これはコロンバスを出る方向だが、コロンバスに入るようにしてこの橋をわたると、橋のなかにThe Bartholomew County Courthouse と First Christian Church が見えるという写真を見つけた。ロバートスチュワートさんが設計した(?)この橋がケイシーの将来を明るく 見せているので印象的だったので調べてみた。 数多くのモダン建築物が仲介になったからこそこの映画を引立てたとおもう。主人公ケイシーの環境は貧困とは言えないが、母親はメス(meth)という薬中毒だし、小さい頃から母親との会話がなくいつも母親を心配していた。同級生たちはアムステルダムに行ったり、シカゴにいたりするが、ケイシーは母親が心配で何も踏み出せなかった。だから、段ボール工場でパートで働いている母親を迎えに行きたく何度も電話をしていた。そして、母親は、掃除婦もしていたとわかったとき、これを機会に、コロンバスを離れる直前、二人はお互いに許しあった。そして、改めて親子の結びつきを確認した。これはモダン建築物をジンに紹介することにより、自分の気持ちを吐き出したことが許しに結びついたとおもう。 韓国から父親の病気を聞きつけて、コロンバスにきたジンだが、父親とは名ばかりで、父親の仕事の内容もよく知らないし、興味も持っていない。父親との関係は疎遠で、父親は家族のことより、仕事に没頭していたように思える。ケイシーが好きなビルを説明するとき、ツアーガイドとしてではなく、『なぜ、このビルに感動したのか』を聞くと、ケイシーの感動したことを表す言葉は音無しになる。(視聴者が判断するわけだが、ケイシーは自分を吐き出していると思う。)ジンがツアーガイドが説明するようなありきたりの事実は聞きたくなくて、なぜ、『あなたはこのビルに興味があるか』という心の中を紐解く発想が好きだ。父親がどんな人か?ケイシーと一緒に、コロンバスのモダン建築をみているうちに、父親を許していく。そして、父親の看病にコロンバスに残る決心をする。 ゲイブの言葉が好き:子供は興味があれば集中するよ。(Attention/interest) イリノイ州コロンバスのモダン建築家の三人、この三人を書き留めたので調べてみた。 エーロ・サーリネン (Eero Saarinen) 1)ガラス張りの銀行The Irwin Conference Center was designed 2)The North Christian Church is a church 3)The Miller House and Garden, also known as Miller House James Polshek 精神病棟、James Polshek's Mental Health Center Deborah Berke 銀行 Berke's Irwin Union Bank as her third favorite building.

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Socialjustice

5.0小津安二郎、建築、最高に上品な映画。

2020年12月7日
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建築写真家です。こちらの映画劇場で4回観ました。輸入盤Blu-rayも買いました。 この映画の多くを占めるシメントリーな構図は、建築を写すことを生業にしている者ならだれでも心得ているセンターの構図。大切に作られた建物はどれもセンターからみて素晴らしい美しさを持つ。それをよく心得ている監督さん。 また小津安二郎へのオマージュを単なるローアングルではなく、小津監督が愛されていた廊下を望遠で撮影していたところを踏襲、それがまたこの映画の題材でもあるモダニズム建築の美しさも際立たせる意味のある絵作りで素晴らしい。 心の架け橋を象徴するために橋の形を模して設計された建築の前で、初めて主人公の2人が笑顔を交わして通じ合う。また同建築の前で男女が涙を流しながら抱きしめ合い悲しみをかち合う。意味のある建築の前でその意味に沿った物語がある、なんて上品な映画なんでしょうか。

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TSCM

3.5モダニズム建築と人間ドラマがどう絡むのかと思えば… なるほど、大な...

2020年8月27日
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鑑賞方法:映画館

モダニズム建築と人間ドラマがどう絡むのかと思えば… なるほど、大なり小なりの問題を抱えながら生きている人間たちを、それが在る場所からあたたかく見守り、時には受け入れてくれる、そんな存在。 長い歴史を持つ建物もいいけれど、それだと建物自体に意思が宿っている気がしてどうも、恐縮してしまうけど、比較的最近に建てられたモダニズム建築は、人間をどう包み込んで、どう寄り添うかを考えて作られているので、そのコンクリートの冷たい表情とは裏腹に、安らかな気持ちになるのではないかと思う。 派手な感情のぶつかり合いではなく、物語のトーンは一貫して穏やか。 一度、こらえきれず気持ちが爆発する所もあるにせよ、そんな人間をも建物は、何も言わずそこにあって(当たり前だけど)、拒絶などはしない。 見終わったあとに、小津が好きな韓国人の監督の作品、と知って、なるほど、と思うとともに、韓国人のつくる映画への偏見は捨てることとしました。 モダニズム建築ファンで、インスタでも自分で撮った写真をアップしている自分としては、カットごとの構図が完璧すぎて、たまげました。 ああ、造り手の想いがにじみ出ているようないい建築が見たい…。

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chibirock

4.0【ある女性の母への、そして、ある男性の父に対する屈託した思いと、幾つかの仄かな恋愛を、シンメトリーな複数の美しい映像を背景に静的に描いた作品。】

2020年8月11日
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鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

萌える

ーアメリカインディアナ州コロンバスという小さな町はモダニズム建築の宝庫だそうである。浅学非才な私は知らなかった・・。  モダニズム建築であれば、今作でも映像で映し出されるが、シンメトリーに重きを置くわけではなく、幾何学的な美しさであろう。  が、私の今作のイメージは”シンメトリックな構図の美しさ”である。(ウェス・アンダーソン監督程拘りのない程度の・・)- ー以下、少しストーリーに触れて・・・・、いるのかな?- ・物語は、冒頭、韓国人の”nで終わる”ジンの父で、高名な建築学者がシンメトリックな建物の脇で倒れるところから、始まる。  その後、物語は実に淡々と進む。(近年、これだけ淡々とした洋画は記憶にない。)  母へのある思いを抱える、図書館員のケイシーとジンとが出会い、建築を媒介にして交わす会話。  ケイシーに思いを寄せるタバコが苦手な男性図書館員との会話。  そして、幾つかの恋・・。 ーその過程を経て、ケイシーは諦めかけていた”夢”に向かって、新たな一歩を踏み出す決意をする・・。ー ■だが、今作の魅力は、ストーリーを楽しむとともに、  ・シンメトリックな映像の美しさや(一部、非シンメトリックなモダニズム建築含む)  ・男女の絡みを鏡に映った姿で見せるとか・・、  ・会話する二人のうち、一人だけ映すとか・・、  監督と撮影陣の遊び心を、見ている側も楽しむところにもあるのではないだろうか。 <資料には、今作の監督が小津監督に傾倒して・・、とあるので、今作製作の狙いは”そこ”なのだろう。  だが、私は今作の映像や雰囲気と、小津作品との親和性は余り感じなかった。  (小津監督の作品の美しさは、日本の木造建築や枯山水の庭や、坪庭に漂う侘び寂びの中にこそあると思っているので・・。)  けれども、小津監督の作品は、世界の多くの映画監督から愛されている訳で、コゴナダ監督の解釈も、充分有りなのかもしれないなあ・・、などと思いながら劇場を後にした。>

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NOBU

2.0非対称なんだから二人は釣り合うよ、きっと

2020年7月20日
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鑑賞方法:映画館

 監督の小津安二郎が好きだということがよく理解できる作品でした。定点カメラで建築物の外観、内装をバックに描かれる人物の配置など、また韓国系の俳優ジョン・チョウや、背の高くないヘイリー・リチャードソンなんてのはアジアを意識したに違いないキャスティング。だからといって、面白いかと問われれば面白くない。ハッとする場面は冒頭の教授が倒れているところだけだった。  恋愛模様もありそうでなさそうな男と女。それぞれの親に対する思いや、国の違いによって受け止め方が違うことがわかるエピソードもありました。年齢差もあるし、やはり恋愛には発展しないのか・・・  最もよかったのは、ケイシーがツアーガイド並みにモダニズム建築の説明をするところ。まるでパンフレットのように語るケイシーに対してジンは内面的な意見を述べたりする。まぁ、これは父親の書いた書の受け売りだったわけですが、二人の性格の違いをも見て取れる。  なぜハマれなかったのか・・・会話がつまらなすぎるからだった。どことなく英会話のテキストみたいな実のない会話。大きな決断をするのも、お互いに言外の意味を受け止めたりしていたおかげだろうか。ローリー・カルキン君がもっとはじけてくれればよかったのに・・・

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kossy