「どんどんどん♪どどんどどん♪ベタでーす」藍に響け kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
どんどんどん♪どどんどどん♪ベタでーす
と、なぜか安田大サーカスを思い出してしまった和太鼓の基本。8分音符対決とかアレグロといったシーンで笑いを取れればもっと良い映画になっただろう。オープニングのトウシューズを燃やすシリアスなシーンから始まるし、出演者がみな真剣な表情なので、笑うに笑えない。唯一、笑えると言えば、寿司職人を演ずる吹越満がタタキを調理するところくらい?昨日見た『気休めの報酬』のローワン・アトキンソンを思い出してしまった!
笑いが欲しいと感じたのも『スウィングガールズ』と比較してしまったためで、異色の音楽映画、ガールズムービーの一本だと感じたから。スーパーのバイトというのも家庭環境の理由からではなく『スウィングガールズ』へのオマージュとも取れるのです。水の波紋は『ジュラシックパーク』へのオマージュか?
バチが血で滲むカットなんかは、それほどきつい映像じゃなかったし、スポ根というにはぬるすぎるのでしょうか。でも、環が自宅でタイヤを叩くシーンなんかは良かったかなぁ。そういや、数年前にドラムスティックを買ったことを急に思い出してしまったのですが、今ではたまに孫の手として使ってる程度になりました・・・
面白くなるのは環がリーダーシップを取ってから。まるで舞台劇のワンシーンであるかのように、叱咤激励する言葉が飛び交い、誰のどこの演奏がまずかったのかもわからない。所詮、生徒たちだけで上達しようとするのは無理なのだ。そんな状況で筒井真理子先生が登場。お、おそろしい!まるで月影先生、いや、女王の教室の天海祐希にも見えてくる。「いい加減、目覚めなさい!」(言ってないです)・・・そうだったのか、蟹工船の伏線はこんなところにあったのか。こじつけですが。
なんだかんだいっても、ちょっと感動。それというのも、石川県輪島市の無形文化財である“御陣乗太鼓”の映像が見られたのが大きい。何度か公演を見たことがありますけど、迫力、熱量ともに素晴らしい。これは生で見るべき!作品そのものも良かったよ。ありがとー!