東京不穏詩のレビュー・感想・評価
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女が髪を切り、男が髪を延ばしたまま。勿論髭は剃らず。
不穏詩。
東京も故郷も助けてはくれない。
それが痛いほどわかる話。
なんかを書くと直ぐに消される。
だから、自分で見てみる他に無い。
少なくとも快適なお話ではない。
女と
男の決意を映像では2つ表現しているが、大きな違いに気づいた。
女は髪の毛を切った。
男は髭を剃らなかった。
僕はこの映画を「東京」そして「日本」の中に潜む「不穏」をテーマにした悲劇だと思った。
水商売と農業を取り上げている。
同じ「水」だが、全く違う。
インドから見たら、日本の様に水は気軽なものでは無い。奥が深い話だ。
親父もハゲ頭。のマッチョ。
残念な終わり方
インドの監督による「不穏詩」というので、どんな切り口でくるのか期待して観に行った。
だが、日本人が演じれば、結局、“日本映画”になってしまうのか。
トゲのある短いフレーズの台詞の連続や、不快を感じさせない程度の短い暴力表現が多用されることを除いては、それほど斬新な感覚は得られなかった。
ストーリーは、徹頭徹尾“不穏”だが、現実にありえる話だ。
シンプルだが彫琢されており、俳優陣の演技とあいまって、明快に訴えかけてくるのが良い。このあたりが日本的なニュアンスに拘泥しない、外国人の監督ならではの特徴か。
ちらしを見ると、“スタイリッシュな都市生活”を描いた作品のように見えるが、全く異なる。
雄大な「浅間山」が印象的だが、その麓で起きるのは、「新宿」と同じ“不穏”な出来事だ。
しかし、終わり方は、唐突で整合性がなく、納得がいかない。
あの“茫洋”としたラストシーンのために、2時間近く観てきたのかと思うと残念だ。作品の出来栄えとしても、もったいないと思う。
撮影は、東京で4日、長野と岐阜で6日という短期決戦らしいので、制約もあったのだろうが、脚本の問題だろう。
やはり、もう一度、東京に戻ってナンボの映画のはずだ。
見始めてすぐに、画面サイズが4:3(?)くらいで、正方形に近いのに「え?」と思ったが、(1)俳優にフォーカスしたい、(2)背景に労力を使いたくない、(3)気に入った画角で切り取りたいといった事情があったようだ。
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