ジョン・F・ドノヴァンの死と生のレビュー・感想・評価
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偽ることの窮屈さ…
同性愛者であることを隠し続ける若きTVスター、ジョン・F・ドノヴァン。スターとなった今でも母親にも受け入れられず、本来の自分とのギャップに苦悩し続ける。両親が離婚したため、母親と英国に移り、慣れぬ生活を送る少年ルパートは唯一ジョンとの文通が楽しみであった。ルパートも母親との関係に悩んでいた。苦悩するナイーブさ、危うさをキット・ハリソンが好演。結局ジョンは母親とは打ち解けるが、苦悩することを止めて、自殺してしまう。ルパートへはそうなってほしくないと文通に託して。ルパートも同性愛者だったが、生き生きしている姿で終わる。ルパートにとって、生きる希望を見出したのならば、人生を変えたやり取りだろうが、そこまで苦悩していたことがルパート側には感じなかった。
前情報なしで観た
前情報なしで観たら結構すんなり観れた
亡くなってしまったドラマの俳優その生活を振り返る感じ
この監督さんの作品LGBTについてが多いのだが
この作品もそういう感じ
監督が8歳の頃タイタニックのレオ様に手紙を書いた思い出が
ベースになっているとか
キャストとかとてもいい俳優使っているんだし
もうちょっと物語(脚本)にこだわってほしかった
少し物足りなく感じる物語なのが残念な感じ
キットハリントンがかわいい
語らないことが多いので、見る人が頭で補完していかないと置いていかれることが多々あるかも。あと時制もなかなかに行ったり来たりなので、これも慣れが必要。
そこをクリアできれば楽しめると思う。
キットハリントンがめちゃんこかわいいです。
ちょんまげでふつーの服着てる時がもう、たまらん。とくに花束もってママに会いに行くところね。
あと、もちろん泡風呂シーン。泡まみれで熱唱、かわいー。
自分を知って、自分をさらけ出したい。それを喜ばれない時と場合があるだろうけど、それでもそうすることが、生きるということだ。ってことかな。
マイプライベートアイダホを見て、オマージュの確認がしたいです。
いつも通りです
いつも通りのクオリティー。
内容は、昔の芸能人は、セクシャリティ隠すのに大変だったんだよ〜!て映画。
今は大っぴらに、自由に生きてまーす、て笑顔で終わるので、後味は良い。
けど、芸能に全然興味ない政治記者が、なぜか
俳優である主人公にインタビューしなければならない、
そして主人公はインタビューして欲しくて必死、
て言う設定が回りくどく感じました。
要は政治記者含め、興味ない人も、LGBTに目をむけて!関心持って!!
て訴えたかった故の設定なんでしょうが、
あんまり圧が強いと逆効果な気がしました。
脇にもビミョーなイケメンが大量に投入されているので、
目の保養にはなるのではないでしょうか。
最後好きだった。
テレビドラマのシリーズで一躍人気になったジョン・F・ドノヴァンと11歳の少年それぞれの内面を描く話。
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芸能人ってどこかすごく現実離れしていて同じ人間ということをつい忘れそうになるけど、芸能人も同じような悩みを持って苦悩している同じ人間だということを改めて実感できる映画。
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ドノヴァンが手に入れなかったものを最後少年が大人になって手に入れた姿を、『マイ・プライベート・アイダホ』をオマージュして撮ってるのすごい良かった。『マイ・プライベート・アイダホ』まだ見た事ないから絶対見よ。
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あと音楽の使い方も良いよね。「stand by me」が流れるところは号泣。ただ最後の「bitter sweet symphony」に関してはいや、テラハやん!ってなってしまった(笑)色々とタイムリーなだけに。
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ただ、少年とドノヴァン2人の手紙がほとんど出てこないのには何か意図があったの?ドノヴァンは少年の目線でしか描かれてないからしょうがないのかもしれないけど、ドノヴァンにとって少年が本当に大切な友達だったのかがあんまり伝わってこなかった。
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なんなら少年よりあの厨房のおじいちゃんの方に助けられちゃってるように見えてそこが残念。
たかが生きづらさの問題、というなかれ
2006年のある日、若手人気俳優ジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)が死んだことが報道される。
カフェのテレビニュースで母親(ナタリー・ポートマン)とそれをみた11歳の少年ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)は、「今朝、ジョンからの手紙を受け取ったはずだ」と母親に詰め寄る。
時は流れ、10数年後、新進俳優となったルパート(ベン・シュネッツァー)は、プラハで政治ジャーナリスト・オードリー(タンディ・ニュートン)からインタビューを受けることになった。
インタビューの中で、ジョンとルパートのそれぞれの人生が明らかになっていく・・・
といったところからはじまる物語で、宣伝内容などから受ける印象では、ジョンとルパートの関係に焦点を当てた物語のようにみえるが、それは違う。
ルパートと母親、ジョンと母親(スーザン・サランドン)のふたつの親子関係が描かれる物語(後者は兄や叔父などが出るので正確には家族関係であるが)。
これは、冒頭しばらくしてわかる。
青年になったルパートがインタビュアーに示される初著作の献辞が母親に捧げられているからだ。
そして、それからしばらくすると、ジョンの物語にも母親が早々に登場する。
これまで、グザヴィエ・ドランが描き続けてきた、母親と息子の物語を、二重写しで描いていこうとしているわけですね。
また、これも当然のように、ジョンもルパートも、ドランを投影したとおり、ゲイである。
なので、またしても、ドランの個人的な心情を吐露したような映画とも思えるのだけれども、それは違う。
ふたつの母子の物語を深堀りしつつ、時の隔たりを差しはさむことで、本人たちの変化、周囲の受け取り方も含めて、時代の変化を大局的に捉えているといえる。
10数年前までは、ゲイであることは、ある種のタブー感があった。
いまでこそ、映画監督や俳優のなかでもカミングアウトする人も増えてきているが、当時は、そんな時代だったか・・・と思う。
現在、青年になったルパートは、どこにも誰にもはばかることなく自分を肯定している。
これは大きな違いであろう。
そんな彼が、インタビュアーに対してはじめにぴしゃりという、「世界的貧困や民族対立などと比べれば、あなたは、個人の生きづらさなど大した問題ではないと思うかもしれないが」と。
どちらも同じ地平にある問題である、と。
この大きな骨幹があるので、ラスト、迎えに来た青年のバイクの後部に乗ったルパートに対して、政治ジャーナリスト・オードリーが向ける笑顔に希望を感じるのでしょう。
以下は、演出などについて。
本作では、俳優たちのクロースアップを多用しているが、これは前作『たかが世界の終わり』とほぼ同様だが、今回は上手くいっていると感じました。
この手法は、1対1の関係、つまり、今回の母と子、ジョンとルパートとの対比などでは非常に効果を発揮していると思いました。
逆にいえば、ジョンと家族の会食シーンや母と兄とのバスルームのシーンではあまり上手くいっていませんでした。
また『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』でみせたカラフルであったり、画角を変化させたりといっ突飛な映像表現は鳴りを潜めました。
奇をてらわずとも映画を撮れるという自信の表れでしょうか。
最後に、相変わらず、音楽の使い方が抜群に上手いです。
モヤモヤ
確かに不法侵入は良くないが、先に窃盗したろ同級生。
子供が大事にしてるものを取り返すために無謀なことをしたのをキッカケにあんな展開になるのか?
というモヤモヤ。
先生も母親も、簡単に生徒や息子の言葉を嘘だと決めつけ過ぎではないのか。
まだ話が終わってもいないのに自分のことにすり替えすぎな大人ばかりではないか。
というモヤモヤ。
文通の内容が一体何だったのか、ジョンの過去を振り返るシーンに手紙の文面を重ねるとかをしても良かったのではないか、分かりにくい。
子供に分からないことは書かなかったと言いながら男娼との関係を知ってインタビュアーに話すのなら、ルパートが大人になってジョンのことを調べるシーンも映像だけでもいいから少し見せないと分かりにくい。
というモヤモヤ。
キャシーベイツまで使っておいて、結局ジョンの孤独や病や両親との問題とは何だったのかを明示しないとはどういうつもりなんだこの映画は。
とにかく細かな点が分かりにくい。
ただひたすらに俳優陣の演技力に支えられている。
そして何よりジョン役がイケメンなのが救い。
その演技力に対してでプラス0.5点しての3点。
見終えてみれば
ホモセクシャルだったスターが、自分の心を隠して、自分を居場所を見失うにつけ、母親との軋轢につけ、手紙の相手の子供との関係を思うにつけ、また自分の体調の変調を見るにつけ、命を絶った、もしくは命を絶ってしまうような行動をしたのかもしれないと考えさせる映画だ。
これはホモセクシャルの話になぞらえてというよりは、コミュニケーションの難しさは本人の性格だけではなく、そこにいる環境、居場所で決まるという事。
途中のスタンドバイミーがほんのり幸せ感もあいまって、よかったシーンでした。そういう事がドノヴァンにはなかったのが辛い事だったのかもしれない
個人的にはホモセクシャル的なものは好まないだけに、もっと違った描き方であればよかったなと思うが、それは個人によって違うだろう。
結構女性だけの観客もいたので、女性から見ると綺麗に見えるのかもしれない。
客の解釈に依存した浅い造り
予告でチラッと見てよくわからないけど
キャストもいいしなあとおもって鑑賞
感想としては
ちょっと浅すぎました
それを客に考えて受け取ってくれという
依存的な感じを
音楽やビジュアルで溶かしてる感じ
一言で言うと悪いけど「だから、なに?」
ドラマ俳優ジョン・F・ドノヴァンが過剰摂取で急死
その真相を知るのは数年間文通していた少年ルパート…
みたいな触れ込みで
最初はサスペンスかミステリーかと思わせますが
見ていくと愛に飢えるジョンとルパートの
共感とそこからくる友情と悲劇といった
感じでした
まずルパート夢中にさせる(またをのドラマ観て興奮してる
シーンがウソくさくてイラッとくる)ジョンですが
テレビドラマの売れっ子主役って感じのようで
ハリウッドスターとまではいかない感じで
なんか中途半端に見えました
だから手紙の返事なんか来ないとアタマから否定する人に
そうか?まだファン大事にする段階の俳優だろと思って
しまった時点で自分はこの映画に入り込めなかったのかも
しれません
ジョンはその文通や同性愛関係の発覚で
立場を失っていきその後死んでしまうのですが
死の真相もなにもそのまんまですよね
そこへ報道や周辺の人からバイアスがかかっている
ところを同性愛などへの風当たりかのように
持っていこうとしますが
こういうLGBTなどの社会問題にすぐもっていくのは
なんか最近の映画の良くないとこな気がします
キーワード的に必ず入れろ的な感じ
先日公開されたhisという映画は
二人がそれぞれを好きだという感情から結果的に
同性愛関係でありそこにまつわる問題をたどっていく
丁寧な描写でしたしそっちのほうがテーマとして
真面目に捉えていると思いました
この作品はなんだかテーマが絞れてない感じ
どんなふうにでにでも見えるようにそうした?
ジョンやルパートの親もちょっとヒステリー
だったり酒癖が悪かったり普通にイカれてる感じで
キャラが読みにくくそれでいてキリッと急に偉そうな
格言的なことを言い出したりするので余計キャラが
わからずただイライラさせられます
この監督イライラさせる演出が好きなんですね
なんかもっと点数下げたい感じもしますが
最近岩井俊二の「ラストレター」という似たような
相当ひどい映画見ちゃったのでアレよりはまあ
まとまってるかなと相対的に思います
話は冒頭から成長したルパートにインタビューで
回想的に進むのですが
特にそうする必要性も感じないです
なんか全体的に客にわかるでしょ?みたいな
描写なんですがわかりません
わかるけどただの不親切なイラッとくる感じ
この監督の作品はもういいかな
「オーマイガーぁ~!!」と叫ぶジェイコブ君🌠キュート過ぎ!
・・実に耳に心に、ドランの想いが伝わる
まるでセリフの様な音楽が秀逸でした・・
誰もが1度は聴いたであろうアデル、グリーンデーを始め数々の名曲がストーリーに見事にシンクロされていました
雨のロンドンで母が息子を抱き締めた時の絶妙なタイミングで流れた
「スタンド・バイ.ミー」・・女性ボーカリストの声が、更に母の愛を痛い程感じ
一番心を持ってかれたシーンになりました🌠
「ジュマンジ」等、90年代作品へのオマージュも中々粋で楽しめましたし
物凄い豪華キャストにも始終釘付け🎵
観賞料金以上の価値がありますよ!!
そして!
近年はちょいと無駄遣い的な作品の(すいません🙏)
出演が続いたジェイコブ・トレンブレン君!
望んでいた君の天才子役ぷりっを拝めてミーハーな私は満足でした👏
予告編からミステリーやどんでん返しを期待して観てしまうとハズレとい...
予告編からミステリーやどんでん返しを期待して観てしまうとハズレというか、貧乏くじ引いたみたいになると思います。
ただ素直に「なるほど、少年とイケメンの文通物語ね🤔」と思って観ると大満足できます。
物語の情報量としてはさほど込み入った話ではなく、ドノヴァンとルパート少年の人生が交互に映し出されて、最後にはそれらが統一されていきます。タイトルはジョン・F・ドノヴァンの死と生ですが、彼の描かれなかった生はルパートが引き継ぎ、その不幸な死もルパートの本と記者の取材によって真実が形成されていく…という部分をどう読み取るかで評価が分かれるのでしょうね。結局なんで死んだんよ?というのをハッキリしてほしい人には向きません。というかそういう映画ではない。
興味深かったのは、政治記者である聞き手に青年ルパートが芸能界のゴシップみたいなネタを聞かせている構図です。最初はギスギスして記者の人も聞きたくなさそうでしたが、結局中東やらアフリカの紛争も、欧米のゲイの悩みも、我々が生きているのはこの世界なんだ!全て我々の問題なんだ!という主張はグッときます。単に美しい演出で監督好みのイケメンを堪能する映画ではないです(ただしそういう面もある。ドラン監督は第二のビスコンティかと思いました)。
あと音楽がめちゃくちゃいい。
う〜ん
ナタリーポートマン目当てに鑑賞
予告編を見て、面白そうという前向きな姿勢で映画館へ行ってきた。
決してつまらない作品ではなかった。2時間飽きることはなかった。雰囲気自体は大変良かった。
ただ、ストーリーに関してはどうなんだろう感がある。冒頭でジョンが死んだという事実を提示して興味の持続を促している点はいい。しかし、いまいちジョンという俳優の死がどれほどの大きな事件なのかが分かりづらかったように感じた。
特に主人公の少年との文通。
これ、明確に文通していると判明するのが後半なため「え、本当にこの主人公の文通相手は本物のジョンなのだろうか?」と余計な思考をしてしまいイマイチ話に乗れなかった。またどんな内容の手紙なのかも最後の最後の手紙以外はよく分からず、「文通」それ自体が正直それほど重要なコミニケーションツールとなっているのかよくわからない作りになっているように感じた。
手紙のやり取りをもっと明確に描写しないのは、どういう意図だったのか一度見ただけだと、わたしには分からなかった。
死が生をもたらす
例えば、私の好きなあのアイドルは、本当にあの人自身の望む「あの人」なんだろうか。
そもそも、あの人の家族だって、「あの人」をちゃんと知っているのだろうか。
依存気質のオタク、ぶっ刺さりました。
器と中身の違いにズレに、疲弊してすり減っていくジョンを観て、私はだれかを苦しめてはしないかと、こっそり自分を戒めつつ。
ドランの作品て、必ず、「息子を分かりたい母親」が出てきますよね。
私の気持ちはあなたにだって奪えない、という母親像。
それは実際の彼が投影されたものなのか、願望なのか。
母親と分かりあえないと思いつつも、手紙を書いて、分かり合えるように努力した仮定A(ルパート)と、最後までその壁を越えることができなかった仮定B(ジョン)、という見方をしました。
私は、どっちの生き方をしているんだろう。
今までの作品と比べて、自分がルパートと境遇が似てるせいか、感情移入しやすくて、多用されるアップのシーンは、
「お前にこの母親の気持ちがわかるのか」
「お前はルパートのようにピュアなのか」
そう突き付けられてるみたいで、
同じくアップのシーンが多かった、「たかが世界の終わり」と、違った質感がありました。刺さるやつ...!
ラストシーン、仲睦まじく走り去るルパートとパートナーは、ドラン作品では珍しく前向き(?)な解釈ができて、
ジョンの死が、ルパートの生き方を選択できるものであってほしいなぁ、と思ったのと同時に、
ドランが今、明るい気持ちでいたらいいなぁ、と、思わず願ってしまいました。
音楽と演技力
音楽は良かった。どの曲も背景を感じさせる雰囲気とかあったし、好きなものが多かった。
子役の演技力もさすがとしか言えないものだった!
ストーリーやこの映画で表現したいものはきっとこう言うこと?ってのは何となく分かったが、のめりこむこともなく、ふぅんって感じです。
文通がこの物語の大事な部分だが、文通の内容はほぼない。彼らが背景が似てると言うが、母子家庭の俳優希望。それくらいではないだろうか。
そんな人世の中たくさんいる。
そもそもジョンがどうして文通をしようと思ったのか、
文通のことをジョンが否定したのか。
その辺りが全く分からなかったし、理解できなかった。
そして、何よりも本を出版しているのに、
さらにインタビューって何で?
本で訴えきれない何かが。分からなかった。
本当に映画館でたくさん予告編を観て、期待しすぎだのかもしれないけど、久しぶりにガッカリ。
子役の演技力がもったいない。
bitter sweet symphony
スターになったジョン。そのジョンに憧れるルパート少年。母。
アメリカとイギリス、プラハ。
二つの人生が描かれていて、時系列もこみあっているため、最初は分かりにくい。
大人になったルパートがインタビューを受けて語るところは、「わたしはロランス」の後半に似ているな、と思いました。
必ずしも同性愛のみが主題というわけじゃなく、いろいろな偏見や無理解、差別に対して、どうすれば自分らしく生きていけるか、考えさせられる作品だと思います。
ルパートの母を演じるナタリー・ポートマンが美しい。
キット・ハリントンは色気のある俳優ですね。
表情のアップが多いのは、「たかが世界の終わり」を思い出させて。
そしてドランといえば、母と息子の葛藤、これもしっかり描かれています。
ドノヴァンは死んでしまうけれど、ルパートはしっかり生きていく。
「マイ・プライベート・アイダホ」みたいなラストシーンも良かったです。
私にはよくわかりませんでした。
そうかあ、道理で…。
監督さんはあの『たかが世界の終わり』の人だったのですね。
正直ワクワクするような楽しさは味わえませんでした。
(あくまでも、個人的な感想です)
家族の中でも、あー、この人とは絶対に分かり合えない。
という部分って誰でも感じることがあると思います。
それをわざわざ大物俳優を使って、時には見てる方がもういい加減にして欲しい、と思うほどのしつこさで描く。
『たかが…』に比べれば遥かに薄まってましたが、ちょっとね…。
その流れからすると、母親への思いを綴った〝泣かせ〟の手紙(作文)は監督さんの周囲への妥協のように見えなくも無い中途半端な感じが拭えません。
とても意地の悪い言い方をすると、
大物俳優さんたちが、それぞれの存在感をどれだけ目立たないように演技するか、を競っている映画。
そんな印象でした。
文通が生んだ不幸と幸福
有名俳優のジョンと、彼のファンの少年との秘密の文通。
一体どんな話かとワクワクしていたのですが、思ったのとはちょっと違った。
予告では、衝撃的なジョンの死の真相とは⁈と、期待させられたけど、実際はそういう謎めいたものではなく、1人1人の生き方について考えさせられる内容。
期待していたものとは違ったけど、これはこれで深い話で興味深かったです。
ジョンは有名でありながらも、人間関係が上手く保てず、同性愛で悩んでいる男性。
一方、ルパート少年は、彼の大ファンで役者を目指している、小学生。
普通の生活をしていたら、決して出会うことのない2人が、手紙を通じて、お互いの生活や趣味、家族、夢などを語り合う姿を想像するとワクワクします。
でも、この作品のちょっと面白いところは、そういった直接的な文通のやり取りが一切出てこないところ。
周りの大人たちが、ジョンと少年は本当に文通しているのだろうか?という、疑惑を抱きながら話が進むので、そもそも2人の文通は偽りなのではないか?と疑問を抱いてしまう。
そうして、大人たちの疑心暗鬼は膨らみ、とうとう実の母親にまでも嘘つき呼ばわりされてしまうルパートくん。
ジョンも、ルパートくんも、信頼していた人から次々に裏切られていく姿がとても哀れでした。
ジョンは恋人の男性からも振られてしまい、ルパートくんはお母さんからも信じてもらえないという、お互い自分の苦しみを抱えている中での文通は、どこか通じ合うものがあったのだと思います。
人から認められないというのは、想像以上に辛いもの。
お互いに自分の信念を貫き続けた結果、ジョンは薬漬けになり、死の選択を…。
対するルパートくんは、お母さんと腹を割って話し合い、数十年後の彼は現役の役者として明るい未来を築くことが出来ました。
似たもの同士がここまで違う人生を歩む事になるとは…。
ラストで複雑な気持ちになりました。
そんな暗い気持ちの映画でしたが、映画の構成はとても豪華でお勧め。
お母さん役にナタリーポートマンさんが出演されていることにびっくり!
『ホーム・アローン』を想像させるような深い愛に包まれたお母さんの姿がなんが意外でした。『レオン』の映画であんなに可愛かった少女が、もうお母さんなのですから…。
また、『リチャードジュエル』で優しいお母さんを演じていた、キャシージュエルさんが、今回はバリバリのキャリアウーマンだったこともびっくり!
役で180度も変われる彼女の演技力に感動しました。
1番の見所はやっぱり、ジェイコブくん。
『ルーム』の時の可愛らしさにプラスされて、青年の逞しさをひしひしと感じられる演技でした。
今後の彼の演技に期待です!
素敵な映画をありがとうございました(^^)
酷評され、A Box-Office Bomb ....しかも、いい映画
寂しくて
前置きは終わり....
♪ Rolling in the Deep by Adele ~ ♫ が流れ本格的に映画の幕が開く....
There’s a fire starting in my heart
Reaching a fever pitch, and it’s bringing me out the dark
Finally, I can see you crystal clear
Go ahead and sell me out, and I’ll lay your ship [shit] bare
この曲の ” Rolling in the Deep ” の歌詞を紐解いていくとこの映画のシナリオと何故か共鳴するかのように話がいとも簡単に...心に響く
本当に自分に
John never put me, as a child, in a position
where I'd read things I wouldn't understand.
He would rarely mention his private life, not to me, not to anyone.
There were just rules, he said,
if they were broken, that would destroy him.
ジェンダーの垣根を超えられない、しかも自分自身で垣根を作る...そして垣根が塀になる。
Time never redeemed.
力強いメッセージなのか? Green Day のJesus Of Suburbia という曲...この映画自体が映画・音楽というジャンルを超えた一つのアルバムなのかもしれない...ただし ”Stand by Me” を除いて
多くの批評家から酷評され ”Break-even point” なんてサラサラ存在しない本作...その原因として一つは ”Nonlinear narrative” 形式をとっている負の遺産とも言える物語が煩雑になり簡単に感情移入が出来ない点が挙げられる.....しかし、それよりも、ジェンダーに対しての偏見があると受け止められても仕方がないジョンの立ち位置が大きく影響している。いくら時代設定を過去においても...
映画の巨匠曰く、「音楽 = 映画」....先日鑑賞した「Sonic the Hedgehog」の動としての音楽、それとは次元の違うこの映画は、今までにないハリウッドでは考えられない音楽が主体であり音楽の詩の内容に則した映画を作り上げていることに個人的には共感を呼ぶ。
Go ahead and sell me out, and I’ll lay your ship [shit] bare
ソープオペラなんて製作しないと過去に発言している監督...その監督が言うところには、音楽は、人の感情に愛した人たちの思い出を喚起させる力があるとコメントに寄せていた。
この映画のラッシュ時には4時間という時間の長さからか、ラストに関係しない多くのシーンを敢えて削ったとされている....あまり感心しないが
It’s originally ‘roll deep (with someone)’ but Adele changed it to
‘roll in the deep’.
北ロンドンで生まれて数年間過ごした歌手のAdele....その土地柄ゆえに日本人では決して分からないし、多くの方が日本語に訳してもチグハグさの否めない歌詞。そんな映画と思っていただければいいのかもしれない。
偽りは最後は自分を苦しめる
新宿ピカデリーにて試写会鑑賞。
少し期待し過ぎたせいか思ってた作品とは違い少し退屈に感じることはあった。
詩的なセリフが多かったり哲学的なセリフや描写も多いと個人的には感じた。
予告を見るとジョン・F・ドノヴァンの死は自殺か他殺か、それとも病死なのか。その鍵を握っているのは文通を行っていた少年であり彼が全てを知っている。
そんな感じで期待をして鑑賞したのだが、正直この辺りはあまり深く関係なかったように思う。
ジョンも文通相手となった少年ルパートも互いに自分の気持ちや考えていることを押し殺し、偽りの人生を送り日々生きており、実感のない人生を送っている事に悩む。
文通をする事でお互いになにか刺激をしあうのかと思いきやそのような強い描写はない。
ルパートはジョンのファンのため文通を行うことに対しては幸せを感じてはいるが、それを日々の生活の幸せに繋がるような事には取り組めてはいない。
ジョンもルパートも根本的には周囲のこと、世間のことを第一に考えて嘘を重ねて生きているのだがその嘘がかえって周囲を傷つけ、そして最後は自分を苦しめることになってしまっている。
ジョンは世間を気にし同性愛の恋人と別れ、そして世間に漏れたルパートとの文通のやりとりも否定し、恋人、ルパートを傷つけた。
最後は自分の行いを省みて、反省し彼らに歩み寄るがやはり相手も人間だ。彼らも反省し素直に生きるジョンを理解することはできても受け入れることはできなかった。
そしてジョンは死を選択する。
一方ルパートはN.ポートマン演じる母親に素直な気持ちを打ち明け、夢である俳優の道を今まで以上に頑張ることと同時に、家族愛を言葉で伝え合うことで関係を修繕させた。
そして同性愛者である事を今は当たり前の幸せとして堂々と生活を送ってる事が描かれて終わる。
互いに共通したもの同士が最後は対比的な終わり方をしているのはとても現実的に描かれていたように思う。
劇中でも語られていたが嘘とは時には周囲を幸せにし、時には美しい事もある。
しかし同時にこの作品でも描かれていたように時として相手を傷つけ、自分をそれ以上に傷つけるものでもある。
過ちと気付いた時に反省しすぐに改めた行動をすることはもちろん大切な事だが、しかしそれが周囲に受け入れてもらい関係が改善、回復するかはまた別問題である。
仮にも過ちを許してもらったり、理解をしてもらってもその時自分が生きる環境は壊れてしまいマイナスからの再スタートになる事もある。
人を貶める嘘はもちろん誰しもが悪いという事は分かる事だ。では人を傷つけない嘘は問題ないのか。
そういった事を考えさせられ楽しむ作品なのかと個人的には捉えて楽しませてもらった。
正直これがポピュラーな楽しみ方かどうかは分からず自信もないが、少なくとも少しでも偽りのない、そして素直な人生を歩めるようにしていきたい。そんなことはこの作品から学ばさせてもらった。
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