「僕のヒーローが死んだ。彼も僕と同じにゲイだった。」ジョン・F・ドノヴァンの死と生 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
僕のヒーローが死んだ。彼も僕と同じにゲイだった。
2018年(カナダ/イギリス)123分
グザヴィエ・ドラン監督は子役出身で幼少期からテレビ・映画に出演。
主役の少年・ルパートも子役志望でゲイと虐められてる少年。
ゲイであることを認めているドランの自伝的要素も感じられる映画です。
アイドル俳優と文通するファンの少年・・・
「タイタニック」に感動したドラン監督がレオナルド・ディカプリオに
ファンレターを書いたエピソードをヒントに膨らませたのがこの映画です。
ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)テレビ映画の人気俳優・ジョン・F・ドノヴァン
(キット・バリントン)に、ファンレターを出します。
7歳の時です。
そしたらジョンから返事が来たのです。
その文通はこっそりと母に内緒で5年間続いて、ジョンから100通の手紙が
届いたのです。
(ジョン直筆の緑色インクの手紙・・・ルパートが舞い上がったのも当然です)
映画のファーストシーンは、ジョンが死んで、発見されるところからはじまります。
自殺か?他殺か?事故か?
そこに至るまでに何がジョンに起きたのか?
成人して人気俳優になったルパート(ベン・シュネッツァー)が、記者の
インタビューに答えて、ジョンの生と死の真相を振り返る形式で進みます。
正直言って、「死の真相」に、新鮮さのカケラもなかったです。
込み上げる感情も湧かない映画でした。
ジョンはルパートのヒーローだったけれど、私たち観客のヒーローには
なれない男です。
映像・音楽・撮影・美術はクオリティが高い。キャスティングも良い。
総合点では3・5かもしれないけれど、実質的には3・・・かな?
ルパートのジェイコブ君、凄く可愛かった。
ピュアな笑顔と頬ぬらす涙、悪態までが刺さりました。
「ルーム」や「ワンダー君は太陽」のジェイコブ君です。
それだけでも観る価値はあるます。
グザヴィエ監督の永遠のテーマである「母親との確執」と「差別されるゲイ」
きっと永遠に言い続けたいテーマなんでしょうね。
ルパートのママはナタリー・ポートマン。
離婚したシングルマザーですが、真面目で一生懸命で、美しい。
しかしジョン・F・ドノヴァンのママはスーザン・サランドン。
ナタリーの対照的にアルコール依存症気味の、ジョンと心の通わない母親です。
(この点もジョンには不利・・・だったんですね)
グザヴィエ・ドランは、自身のアイデンティティである「ゲイである自分」
そして愛し過ぎて憎んでしまう「マザー」
このテーマから、彼はいつ卒業するのでしょうね。
それほど当人にとっては、重大でも普遍的テーマは他にもあるはず!
「好きでこんな身体(心?)に生まれたわけではない!!」
ノーマルに生まれた私には差別され阻害されたドラン監督の心の傷の深さ。
そこに共感し尽くすことは不可能。
差別と闘うことが、使命・・・ドラン監督の永遠のなのでしょうか?
そしてひとつ残念だったのは少年ルパート役のジェイコブ君の外見が、
7歳から11歳に変化して見えなかったこと。
もう一つ、俳優の100通の手紙とルパートの100通の返事を、
読みたいです。
何が書かれているのか、とても興味があります
(たとえ虚構でも・・・)
コレ、映画館で寝ないで最後まで観切りましたが、全然意味が分からず、難解映画ワーストレベルでした。全てが共感できない他人事、フィルタリング。共感でございます。【相変わらずレビュー上げてなくてすみませんです🙇♂️🙇♂️🙇♂️】。