「負け戦の美学。イギリス植民地支配に抵抗したインドの英雄譚。」マニカルニカ ジャーンシーの女王 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
負け戦の美学。イギリス植民地支配に抵抗したインドの英雄譚。
イギリスの植民地支配が進む中、抵抗し続けた国民的英雄マニカルニカ=ラクシュミー・バーイーの物語です。近年のインド映画らしく迫力あるダンスシーンや戦闘シーンに満ちたスペクタクルな作品でした。「バーフバリ」が初めて見たインド映画だったので、本作は正にインド映画っぽかったです。
イギリスがインドを植民地にしてたっていう歴史的事実を知ってると、観る前から「抵抗した所で最後は負けてしまう悲劇の終り方しかないやん」っと思わなくもないのですが、あの時代にイギリスの支配に抵抗した英雄がいたっていう歴史はインド人から見ればとても誇らしい事なのではないでしょうか?
こういう作品ってとっても大事だと思うんですよね。自国の英雄をちゃんとカッコ良く撮ってる作品。いつの時代も支配者層に抵抗する英雄の物語には胸が熱くさせられるもんです。某国みたいにデタラメをでっち上げるプロバガンダ・ムービーは困りもんですけど、本作は多少脚色はしてあっても、とても熱く観る事ができました。判官贔屓という言葉があるように、負け戦でも挑んでいくシチュエーションは日本人には大好物です。
実在のマニカルニカも美人だったみたいなのですが、演じるカンガナー・ラーナーウトも負けず劣らず美人です。弓をかまえる格好は絵になりますよね。多感な若い時代から母親になり、カリスマ性を持つ抵抗軍の指導者になる所までしっかりと演じています。もうあんな美人に怒られたらゴメンなさいっていうしかないですね。
いやー、でも本作が2週間限定公開とか勿体無いなぁ。もっと世に広まってもいいと思います。全然知らなかったんですけど、「ラクシュミー・バーイー」って日本のゲームのキャラクターにもなっているんですね。検索したらゲームが先に出てきたのでビックリしました。もし邦題を「ラクシュミー・バーイー」にしとけば、もっと興味を持ってくれる人がいたかも知れないのに。日本のマーケティングの人、しっかり頼みますよ!!