「今この時代に愛国心を問う」マニカルニカ ジャーンシーの女王 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
今この時代に愛国心を問う
そう注目していたわけでなく都合が合ったので鑑賞
東海エリアでは当該劇場だけだった模様
結果
そんな公開規模では勿体ないほどの傑作でした
ラクシュミー・バーイーことマニカルニカが
ジャーンシーの王妃として夫息子亡き後
英国からインドを奪還すべく立ち上がる様が描かれます
自分らは「セポイの乱」と学んだ世代ですが
最近は多種多様に反乱が起こった関係で「インド大反乱」
と呼ぶのだそうで
元々武芸や兵に天性の素養があるラクシュミーは
戦場においても獅子奮迅
インドとわが子を守るためにスチール通り
背中に負ぶって本当に戦ってます
後半は戦闘に次ぐ戦闘なのですがラクシュミーの
コスチュームが場面のたびに変わっていくことで
飽きさせません
カンガナー・ラーナーウトも非常に美しく気高い
出で立ちを見事に演じきっていました
その戦闘シーンも大規模で迫力あるシーンが
結構長い尺で出てきて圧倒されます
CG然とした部分もあるにはありますがそこまで
気になりません
作中感動するのは祖国のために立ちあがるラクシュミー
に絆されて共に立ち上がるインドの人々の勇敢な戦いっぷり
利害でものを考えていた人々も彼女の真っ直ぐな姿勢に
魔法にかかったかのように一致団結します
それは奥底にあった気持ちに火を付けられたのでしょう
そういうカリスマ性が実際にあったと言われているそうです
この映画が描いているテーマは昨今のいい加減なグローバリズムに
荒らされ愛国心とは何ぞや守るべきものは何かという
問題提起が目の前にある時代に非常に請求するものだと思います
武器を手放せば友好的にわかりあえる、多様性が必要と
いった論調が新聞テレビで無責任に踊っていますがそうしたら
自国以外の誰が利するかを考える必要があります
インドもパキスタンや中国との国境問題を抱え
こうした過去の自国の英雄を見つめ直すことで
愛国心を惹起する気持ちもあったのではないかと思います
なんかインド映画っていつも矜持を大事にしている
感じがしますので
今ではインド資本がイギリス経済を支えている現実もなくはない
わけですからラクシュミー・バーイーの尽力は無駄では
なかったのかもしれません
日本人にしてもこのような問題は近からず遠からじ
国を守る事について憲法や愛国心について考えさせないよう
必死になってる連中の正体に関しても知っておくべき事が
あると思います
まあそれはいいとして
こうした他国の英雄を知る機会が映画で持てるのは
貴重な機会だと思います
非常に完成度も高く心を打たれました
新年から本年度ベストいっちゃうかもしれません
おすすめしたいです