永遠が通り過ぎていくのレビュー・感想・評価
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監督の記憶や想いが音楽や字幕や映像の結晶として再構築されている
とても情報量の多い短篇集だった。鳥籠のような温室植物園での二人劇が強く印象に残った。
傷ついた皮膚を覆う瘡蓋のように日本語とフランス語の字幕が貼られていき、二人の台詞が流れてきて、音楽がそれを包み込む。幾重にも連なる表現は過度に捉えられるかもしれないが、それらの重なりから生まれた滲んでくるものに純度の高い禍々しさを感じた。
二人の関係は親子であるように見えて、友達のようでもあって、人間ではないように見えた。植物の化身のようでもあるけども、監督の想いを語る記号のような役目を担っていたのだろう。その温室内で良くも悪くも一定の保護下に置かれて育ち、やがて温室の外へ出荷されていくであろう植物たちに、監督は自分がある一定の環境の中で護られて反発しながらも今に至る自分を表現したのかもしれない。字幕、音楽、多彩な色彩が弾幕のようにスクリーンを覆い守りたかったものは、監督と親との物理的に切ることのできない記憶の糸だったのかと思った。
衝撃作(ある意味)
ここまでひどい映画は見たことがないので
ある意味貴重な体験をしました。
色々言いたいことあるけど、一番は
「登場人物にまったく共感できない」
ある時点で登場人物の感情が高ぶっているのですが、
そこにいたるまでの過程を私達にわかるように描いていない。
画面上の登場人物がなぜこんなにも興奮してるのかがわからない。
そこの温度差がすごかったです。完全に置いてけぼりを食らいました。
あと、台詞が日常会話から浮きすぎてて
終始共感性羞恥を感じました。
最初の詩の部分はおっと思いましたがまだナレーションだからいいとして…
我慢してたら演技が始まってからもずっとあの調子なのでずっこけました。
創作する者として、表現する者として、
こんなんでいいの?!ってなりました。
生の食材とコショウ渡されてこれで
味付けして食ってね、と言わんばかりで。
これが認められるなら、今までみんながやってきたような、
材料を濾したり、味付けを測ったり、というような努力はなんだったの?って感じです
良かった点は、映像がきれいなこと。
大森靖子さんの曲もよかったかな。
ストーリーは抜きに、エモい画を撮らせたらうまい監督さんなのかな。
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