ミッドウェイのレビュー・感想・評価
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事前の宣伝では、両国を対等に描いているとの触れ込みでしたが、実物は宣伝とはまったく違いました。
日本の戦闘機乗りは一人も描かれず、空母も戦闘機も単なる「敵」というか、単なる「対象物」「単なるマト」という扱いでした。
CGは贅沢に使われています。一昔前なら400億円規模は掛かったと思う水準です。
ただ、技術の進歩と低廉化によって、映画全体で120億円しか制作費が掛かっていないそうで、そうでしょうねという水準の出来上がり。
監督が「インデペンデンス・デイ」の監督なのですが、昔、米国系の飛行機の機内でこの映画を観た時に、監督の卑劣な手法に衝撃を受けた鮮明な記憶があります。
エイリアンと戦うクライマックスシーンに、ごく一瞬、硫黄島に旗を立てる有名な写真がカットインしているのです。
日本とか、第二次大戦とか、まったく無関係なシーンであるにもかかわらず。
日本で観た時は、こんなサブリミナル的な画面は入っていませんでしたので、この監督は日本市場向けには平気で二枚舌になる危険きわまりない人間だな、と当時から私は警戒していました。
今回の映画でも、日本で公開されているバージョンにこそ、「両国の兵士に捧ぐ」みたいな文字列が出てきますが、アメリカで観ると、いったいどんな仕様になっているのか、私はそこのところにも興味があります。
作品のレベルとしては、そこそこ楽しめるので、★4つ。
是非、映画館で
日本人側からのミッドウェイも見てみたい
本作品、1976年制作公開された「ミッドウェイ」のリメイクではなく、完全となる新しく作られた作品。
ここ最近、作られるこの手の戦争映画がある意味、平等と言うか、作り手の国だけの背景の映画作りではなくなってきている事で本作品も大変に楽しみにしていました。
本作品、賛否両論あると思いますが、まずは、映画としての内容は大変に素晴らしい作品だと私は思います。
テンポも良く無駄も無く、アッという間に終わっていったかな・・・・
本作品、真珠湾攻撃からミッドウェイ戦闘までが描かれていますが、本作品の中でも、山本五十六の事が描かれていますが、「硫黄島からの手紙」でも描かれていましたが、栗林 忠道さんも同じように、軍人としてアメリカでの留学の経験が語れていて、日本人として複雑な思いでアメリカとの対戦が描かれていましたが、本来、日本人もアメリカ人にとっても、起きては欲しくない戦争であり、するべきではなかった戦争だったのかもしれませんね。
本作品、勿論アメリカ側が作った作品なので、やはりアメリカ寄りの表現もありますが、クリントイーストウッド監督が撮り上げた「硫黄島」の作品のように、日本人側から見た「ミッドウェイ」や「真珠湾攻撃」の作品を見てみたい気がします。
2001年に作られたマイケル・ベイの「パール・ハーバー」のような戦争映画なんだけど、主人公との恋愛的なエンターテイメント的な要素が無かっただけ「ミッドウェイ」は、しっかり戦争映画として受け入れられたかな・・・
私的には、大変に素晴らしい映画だと思います。
私があの時代にいたならばどう戦ったであろうか
外国映画、特に欧米映画は文化的な基盤が異なるのでなかなか理解が出来ず、見ることは少ないのですが歴史物は別です。歴史は共通だからでしょう。
ただ、歴史物は本当のことは当事者しか分かりません、全て後の人の評価です。それを差し引いて映画は見るべきですが、見終わって「私があの時代にいたならばどう戦ったであろうか」と考えさせられました。日本もアメリカも必死に戦った、それだけで良いではないですか。
私の父は当時帝国海軍におり、ドーリットル隊の東京空爆を間近で見て「たった数機で日本に突入してくるアメリカ人の勇敢さと大胆さに驚いた。日本人に大和魂があるのであれば、アメリカ人にもヤンキー魂があるのだと思った」と言っておりました。
また、父は英語が出来たので、前線に行くことはなく、どうやらアメリカ軍の通信を傍受して、なにやらしていたようです(私には決して語りませんでした)。その意味でも、この映画は見せてあげたかったです。
最後にこれだけは言っておきたい。他のレビューで「アメリカ視点だからダメ」と言うのが散見しますが、アメリカ映画ですからアメリカ視点なのは当たり前。悔しかったら「日本視点」で映画を作ってから言っていただきたい。柔軟な発想ができず、情報戦で完敗したミッドウェイの教訓が全く生かされていません。
史実に詳しくないから…
アメリカの映画に賭ける情熱
登場人物の誰にも感情移入できず
エンドロールで期待してしまいました。
ドンパチが好きならお薦めだけど、ミリオタ的には△。大甘で5段階の3点
「インディペンデンス・デイ」シリーズのエメリッヒ監督が、太平洋戦争の重大な分岐点となったミッドウェー海戦を史実に則って描く超大作ということで、ミリオタとして期待半分心配半分で見に行きました。
初戦の真珠湾攻撃から珊瑚海海戦、そしてミッドウェー海戦に至る約半年を、主にアメリカ側からの視点で描く物語で、両国の艦隊首脳とアメリカ側のパイロット達を描く群像劇となっています。脚本もこれまでのアメリカが描く日本のトンデモ戦争映画(作戦会議を戦国時代のような陣幕で行うとか)ではなく、かなり正確に時系列に沿って描かれていて好感が持てました。戦闘の迫力も凄くて、ドンパチが大好きな映画ファンなら満足できる内容と言って良いでしょう。
しかし、頑張っているけれど海軍マニアから見るともう一つ詰めが甘いのです。この映画を作るために20年資料を集めたとのことですが、本当なのか?それにしては日本側の描写がかなり甘いというか。
例えば、冒頭で1937年に主人公の一人である情報将校のレイトンが日本で山本五十六に会うのですが、山本の階級が既に大将になっているのが間違い。山本五十六が大将に進級するのは昭和15年、すなわち1940年です。のっけから間違っていて、「おいおい」と心の中で突っ込んでしまいました。この時山本は海軍次官で階級は中将です。他にもミッドウェー海戦の際の源田実航空参謀が大佐になってました。この時源田はまだ中佐です。
それから、冒頭の真珠湾攻撃の際に沢山の零戦が機銃掃射をするのですが、増槽(落下式燃料タンク)を付けたままなのです。被弾炎上を防ぐために戦闘前に切り離して捨てるのが鉄則なのに…。映画の日本軍のパイロットはみんな死にたいのかな?(苦笑)
また、多くの人が指摘しているのがトヨエツ・國村・浅野以外の日本将兵が片言の日本語な事。これは昔から言われていることなんですが、何でアフレコでちゃんとした日本語を吹き替えないのか?こんなこと、お金なんてそれほどかからんでしょうが。単なるやる気の問題だと思うのです。
日本海軍の艦艇では、空母が全部左艦橋になってるのがおかしい。確かにミッドウェー海戦で活躍した飛龍や赤城は艦橋が左側にあるけど、加賀と蒼龍は通常の右側艦橋です。こんなの、ネットでリサーチしても簡単に分かることなのに…。
日本側の描写で変なのが、九七艦攻や九九艦爆が魚雷や爆弾を搭載せずに丸腰で飛んでいること。攻撃前なのに、どうやってこれから敵に魚雷や爆弾を当てるのかな?アメリカ側のSBDドーントレスやTBFデバステーターがしっかり爆弾や魚雷を搭載しているので、日本側を描くのに手を抜いているのだろうなと観ていて分かってしまいました。
一番駄目なのが、空襲を受けている日本側の機動部隊が全く回避運動をしていないことです。本来空襲を受けたら艦隊は敵の攻撃を避けるためにくるくるとミズスマシのように弧を描く回避運動をするのですが(これを駆逐艦乗りは盆踊りと呼びました)、映画では微動だにせず列を作ってただまっすぐ進むばかり。ミッドウェー海戦は多くの写真が残っていて、日本側の赤城の回避運動の写真も残っているのに、ちゃんと見て再現したのかなと疑問に思ってしまいます。
人によってはそこまで細かく突っ込まなくてもいいじゃんと言うかもしれません。その昔、「トラ・トラ・トラ!」では赤城の艦橋が右側だったし…。でもあれは空母CVS-10ヨークタウンを赤城に見立てて使うための苦肉の策だったわけで、現代のCGなら簡単に再現できることです。CGのすごいところは、これまで不可能だった映像を全て叶えてしまうこと、ならばその当時の映像を完璧に再現することこそが一番大事なのではないでしょうか。その意味で、日本側の描写が甘々なこの作品は私的には高い点数を付けることは出来ません。
脚本的には、アメリカ側のパイロットを描くのなら、同じように日本側のパイロットも描いて欲しかったですね。ベストやディキンソンに相対するのは飛龍飛行隊長の友永丈市大尉です。彼の獅子奮迅の戦いも描いてくれれば日米双方のミッドウェー海戦映画と言えたのですが。
まあ、ディープなミリオタじゃなければそれほど気にならないと思いますので、大甘で星三つ付けておきます。僕はこれから「トラ・トラ・トラ!」のBDを見て口直しをしようと思います。あと、録画した「坂の上の雲」も見よう、うん。(苦笑)
あの破壊王が?
奇跡の事実に脱帽
戦争映画はノンフィクションか、人命の尊厳か、アクションかに分かれます。この映画はノンフィクション寄りで、アメリカが恐れる日本軍に対して、いかにしてどんでん返しをしたのかという、奇跡的な事実を描きたかったと感じました。
およそ80年前の出来事が、いま起きているような錯覚に襲われました。ミッドウェイの戦いでは実際にはアメリカの天才的な情報戦に敗れたというのがよく分かります。その激しい交戦は海だけが知っているというセリフが流れると、善悪をこえた歴史の流れに居住まいを正したくなります。
若い頃だったら、日本軍に加担したくなりますが、今はむしろ人類という単位で考えれば、いかに無益なことかよく分かります。
ドイツはヨーロッパを蹂躙し、日本は中国を支配下に置きました。宇宙はこの経験を人類に課し、アメリカの勝利を持って、戦争の時代をほぼ終結させました。この妙なる時間の流れは不可思議としか思えません。いずれにしても、最初から最後まで釘付けでした。心に残る秀作です。
ミッドウェー海戦全体を詰め込んだ作品
飽きずに面白く鑑賞できる佳作
日刊ゲンダイに連載されている保阪正康さんの「日本史縦横無尽」というコラムにミッドウェイ海戦のことが書かれている。
ミッドウェー海戦時の日本とアメリカの海軍の質と量を比較すると、圧倒的に日本が優勢であった。「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」の正規の航空母艦を軸にした日本の機動部隊に対し、アメリカ海軍は「エンタープライズ」「ホーネット」の2艦を中心とする戦力であった。搭乗員にしても日本はベテランのパイロットが中心で、アメリカ軍のパイロットは戦闘経験もなく、空母から飛び立ったことのないパイロットさえもいたというのである。それなのに敗れたのは何度か繰り返したように情報力の差であり、全体におごっていたというのが真相である。(2020/4/23日刊ゲンダイ)
本作品を観ると、保阪さんの指摘がことごとく正鵠を射ていることが判る。米軍の側に立ってみれば、真珠湾で受けた大打撃から海軍を立て直し、ミッドウェイ海戦の勝利に至るまでの苦しい道のりが判るし、日本軍の側に立ってみれば、真珠湾攻撃で講和に至るどころか、眠れる獅子を起こしてしまったと認識していたのが山本五十六以下のごく僅かな軍人たちだけであったと判る。加えて情報戦に長けていた米軍が日本軍を先回りして待ち伏せすることでミッドウェイ島の海戦を勝利することができた。保阪さんの言う通り、情報力の差が勝敗を分けたのだ。太平洋戦争はミッドウェイ島の戦いで大勢が決している。早期の講和を夢見ていた山本五十六の夢はあえなく破れてしまったのだ。その後は軍官僚の面子と保身のためだけに戦争が継続された。もはや負けるために戦っているようなものである。
戦争に賛成だろうが反対だろうが、死の恐怖、捕虜になる恐怖は変わらない。朝一緒に食事をした人間が夕方には海の藻屑となっている状況は、精神的にかなり堪(こた)えそうだ。人間には何でも慣れる能力があるから、最前線のそんな状況にもいつかは慣れてしまうのかもしれない。しかしPDSDになる者は数多くいる。戦争は人間の精神を破壊するのだ。ミッドウェイ海戦の勝利も敗北も、どちらも喜べない。
本作品では前線の個人の描写は米軍兵士に限られているが、未体験の戦闘の恐怖や死んでしまうかもしれない絶望感などは米軍も日本軍も同じだろう。戦闘シーンは迫力があってとても興奮した。敵味方の砲弾や銃弾が飛び交う中で攻撃が成功するのはほとんど僥倖に近かったことも判った。戦争映画としては飽きずに面白く鑑賞できる佳作だと思う。
さすがエメリッヒ監督です。
撮影、視覚効果、音響のアカデミー賞は確実かも?!
中共に逆らえないハリウッド
多くのコメンテーターが日米双方からの視点を公平に表現しているということで鑑賞したが、酷いプロパガンダ映画であった!
冒頭の真珠湾攻撃の場面は、ハリウッド映画では仕方がないが日常平和な真珠湾を日本が
一方的に先制攻撃した情景を母娘の危機など心情的に訴えていますね。
実際は本体を事前に退避させ、日本軍の攻撃を待っていたというのが史実でしょう。
極めつけは東京を空爆した爆撃機が中国に逃れ、現地人と手を組むという場面。
そこに日本軍の爆撃が行われ、米兵曰く「なんてことだ、民間人を無差別に爆撃するなんて」(こんな感じ) おまえ東京でそれしてきたばかりじゃないか! 開いた口がふさがりません!
ハリウッド映画もこれまでですね、中共のプロパガンダを組み込まないと作品を作れないなんて。
ムーランも然り! トランプ大統領頑張ってくれ!
零戦!!
零戦カッコいいです!
もっと零戦パイロットのエピソードも入れて欲しかったな
映画は流石のエメリッヒ監督で迫力満点です
是非、映画館でこの迫力を体験してもらいたいです
迫力だけでなく最後の監督の一言がなんとも泣かせます
日本人としては複雑な描写も多少はあるものの我慢出来るレベルかな…
当時の戦力比較は例えるならフルチューンしたスーパーカブで大排気量ノーマルのハーレーにゼロヨンをいどむ様なモノだったんですよね
スタートで勝ってても中盤から怒涛の追い上げでカブを点にしてしまう
ミッドウェイ海戦時はレース前半でまだカブが前に居たのでしょう
元々の排気量が桁違いなのですから、どんな改造しても勝てませんよね…
映画では日本軍が凄まじい強さで描かれてますけど所詮は壊れる限界まで改造されたカブの爆走です
その後のハーレーのアクセルのヒト捻りで余裕のブッチギリを見せられると思うと劇中の米軍将兵達の危機感も白々しく思えてしまいます…が、
…ミッドウェイ辺りまでは本当に危機感があったのかな?
と、まぁ色々と思いを馳せる映画ではありますけど上映時間の2時間はあっという間に過ぎます
そのくらい面白いって事ですね
鑑賞する前に山本、南雲、山口の各将兵達の評価を少しでも調べておくとより楽しめると思いますよ
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