「【9.11】」ミッドウェイ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【9.11】
真珠湾攻撃の場面を見て、これは、アメリカにとっては9.11と同じ感覚だったのだろうなと想像してしまった。
「追い詰め過ぎてはいけない」
これは第二次世界大戦の教訓だと思う。
第一次世界大戦の敗北で、過度に賠償などで追い詰められたドイツ。
第一次世界大戦の戦勝国となりながらも、植民地支配や資源獲得に常に欧米列強の反対が付きまとった日本。
大戦肯定派は、これらの原因が最も問題なのだと歴史観に変更を加えたがるが、
問題なのは、
「追い詰め過ぎること」と
「とにかく何か理由を見つけて事を起こしたい人間が蠢いていること」
の2つがセットになった時だと思う。
そして、後者はとどまることをしない。
だから、山本五十六の早期講和の考え方は甘かったのだと思ってしまう。
やられたらやり返す。倍返しだ。
これは時代を超えた人間の本質みたいなものかもしれない。
暴走を止められない戦争は本当に悲劇だ。
インパールの日本軍もそうだし、原爆を落としたアメリカも同様だ。
真珠湾攻撃を成功させた日本の兵士の8割が戦死したのだそうだ。
日本軍の6割以上(一説には8割)が病死や餓死で亡くなったのだそうだ。
戦争の悲劇は繰り返してはならない。
映画で興味深いのは、アメリカの諜報活動がかなりアナログなことだ。
言語の起源が全く異なることを前提に日本の通信は逆に暗号化させる動機が少なかったのだろうか。
ナチスドイツのエニグマをアラン・チューリングが開発した演算機で解読し、反撃に転じたのと、あまりに違い過ぎて驚いた。
戦闘場面は、映画ならではだ。
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