「この戦いから学ぶべきことは何か」ミッドウェイ h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)
この戦いから学ぶべきことは何か
ミッドウェー海戦は、「太平洋戦争の戦局はこの一戦で決した」と言われるsymbolicな戦いである。
戦争映画に公平中立的な視点など存在するはずがない。が、日本側の計画過程などかなり調べたうえで描かれている。
戦争もゲームスポーツも、互いの意思と目的の実現を競い合うもの。「(ゲームにおいて)自分たちらしさを出しきることができるか」とよく言うが、戦いは相手が存在するもの。
競合相手は逆に自分たちの持ち味を消しにかかる。当初の思い(ゲームプラン)通りに事が運ぶほど簡単なゲームは殆どありえない。
予想外の不測の事態に陥ったときに、すぐに軌道修正や適切な対処ができるか。
その際にも指揮官と配下のメンバー(実行部隊=プレイヤー)との間において、行動の意図や目的は事前にしっかりと共有できているか。
圧倒的に経済力や軍事、リソースで劣後する日本にとって、仮にミッドウェーで勝てたとしても、どこかで戦況の日米逆転が起こることは必定だったと思われる。
奇襲作戦は一度きりだから成功するのであって、いずれ総合力のある相手に行動の意図を読まれ、その勢いはいずれ止められる。
情報収集能力や相対的総合兵力の差から、太平洋戦争の結末は必然的なものであったのは明らかだ。それよりも、想定外の状況のなかでの戦略実行における臨機応変な行動力、組織の柔軟性やresilienceなど、日本はこの戦争から何も学んでいないのではと日本のビジネスやチームスポーツをみて感じてしまうのは自分だけだろうか。
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