「夏休みの真空パックのような青春映画」子供はわかってあげない ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
夏休みの真空パックのような青春映画
最強のバカンス映画ならぬ夏休み映画。
ガールミーツボーイandガールミーツファーザー。
先週みた『サマーフィルムにのって』も爽快だったけど、こっちは絵の厚みが違った。その分予算も違うのだろうけど。ワンシーンワンカット的な前半攻め攻めの演出、横切る人の厚み、仕掛けの多さによる楽しみ。部活動あるあるではないが先生と部長、仲間に至るまで手抜かりなく面白い。
物語は中盤の水泳大会あたりからグンと面白くなり、そしてトヨエツが出てきてからはもうボーっと眺めてていい。にしても強い日差し、日本の夏の海の色、合宿、夏を丸ごと閉じ込めた感ある。そして沖田監督作品の伝家の宝刀である食卓芝居は今回も最高。トヨエツも沖田作品になるとこんなふうになるんだ、と。にしてもモカが不意をついてもの凄いいい顔をしてくる。斉藤由貴が出てるからか、往年の相米映画を思い出したりした。
なんか今年に関して言えば、夏休みを体験したかのような気分になって映画館を出てこれる。冒頭のアニメもちょっと長いし前半ちょっと長い。けど、ひょっとしてこの長いって感じがないとこの鑑賞後感には至らないのかもしれない、ってくらい夏休みに部屋で横たわる感じが残る。
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