「誰しもが抱える心の闇」ファーストラヴ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
誰しもが抱える心の闇
心の闇がない人間なんていない!というほど、登場人物にはそれぞれの暗い過去があり、何らかの形で思い出したくもない過去が暴かれていく心理サスペンス。この際、父親を殺したという尊属殺人事件はモチーフにしか過ぎない。でも、気になるよねぇ。
公認心理師という聞きなれない職業が登場したけど、かつて人気のあった産業心理カウンセラーはいったいどうなったんだろう?なんか、アンケート中心だったし、ハローワークでの相談窓口でしかなかったような。やっぱり国家資格のほうが安心できるなぁ・・・と、まだまだ心理学での資格制度が確立してないんじゃないかと思わせてくれる。劇中ではクリニック勤務だったし、医師に次ぐ立場だった気がする。
弁護士・庵野迦葉と心理師・真壁由紀のコンビ。かつては恋人だった?と思わせる意外な序章から始まり、それぞれの過去も暴かれていく。そんな由紀を優しい目で包んでくれる迦葉の義兄でもある夫の我聞(窪塚洋介)にしても戦場カメラマンを思わせる作品もあったし、つらい経験をしてるはず。そして加害者である環菜(芳根京子)の陰惨な性的虐待の過去も明かされていき、心の奥底のPTSDで気持ちが繋がっていく様子も描かれる。でも、誰が一番変態やねん!?と考えると、板尾創路なのだろう・・・
芳根京子の千変万化の演技にも驚かされたが、男目線で見ると、小泉裕二(石田法嗣)の告白に泣かされてしまう。さすがに小学生に手を出しちゃいけないけど、少女に対する恋は本物だったに違いない。“初恋”を最も感じられるのも環菜よりも彼だったし。法廷で見せた慟哭にも禁断の年齢差恋愛の苦しみと贖罪を訴えてくるものがあった。
一番おぞましかったのは性的拷問のようなデッサン画。集団レイプされるかのようなトラウマとアナウンサー試験の面接官が重なるところでもらい泣きしてしまいました。そしてまさかのリスカ痕つながり・・・最近の女性蔑視発言が話題の問題や閣僚の買春疑惑にも絶妙にリンクしている作品だとも感じるし、法廷劇かと思いきや、鑑賞者の心を抉ってくる作品でもありました。さらに傷を埋めるかのようなか細い声のUruの歌声が心地よかった。
堤幸彦ということもあるけど、例によって予告編では北川景子のびっくり顔がクローズアップされてホラー感を醸し出すところもニクい。予想外の内容という点では予告編も絶妙ですなぁ。
kossyさん
そのとおりですよ。面談も個別にカウンセラーがしないでメンタルヘルスをアンケートチェックで済ますなんて誰もおもってることなんて馬鹿正直にかかないし、心も開く訳ないですしね。本当に立ち遅れてる分野なんですよね。ではまた。
わたし最近、メンタルの資格をたまたましらべてました。国家資格は最近できた公認心理師が唯一なんですね。臨床心理士は前からありこの2つがまともに仕事にありつける2大資格ですがどちらも大学院2年行かないとだめ。一方で、語弊ありますが、趣味にしかならないような民間カウンセラー資格が山程あります。4大出たら取れる資格ありますが、それでは仕事ないようです。本来はおっしゃる産業カウンセラーくらいは国が企業に義務付けるなどしたら需要が増え、カウンセラーは必要になるんでしょうけど、そんな流れないですよね。精神疾患が医療精神科や薬に依存してるのも本来おかしくて、もう少し簡易には資格とれて、かつしっかりカウセリングができる人が必要、さらに安価にカウセリングが受けられる国の制度的な仕組みが必要なんだと思うんです。
すみません。少し調べただけの知識ですが大体あってるはずです。
ではまた!