「二人きりの学校。サイレンナ~」サイレント・トーキョー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
二人きりの学校。サイレンナ~
爆破のスローモーションはまるでデ・パルマ。この渋谷ハチ公前のシーンだけでも邦画史上に名を残すのかもしれません。予告編だけでは感じられなかったリアルさと空虚な政府の姿。「テロには屈しない」、「テロリストと交渉はしない」という言葉の真の意味がじわじわと伝わってくるサスペンスでもあった。
スピーディな展開、しかも無駄な部分をカットしてある気がするし、壮大なテーマにしては尺の長さもお手頃感。キーワードとなる“平和ボケ”という言葉も、渋谷に集まる若者たちに向けてというより、鶴見辰吾演ずる磯山総理と彼を選んだ国民に対するものとして、辛辣な批判をも浴びせている。
うかつなことを言うな!というか、一番のテロ言葉は石田ゆり子に対してすぐに「おばさん」と発したテレビ局員だろ!と、金井勇太がそのとばっちりを受けてしまった。バイト扱いされていた契約社員の井之脇海の心の変化も面白かった。
自衛隊の平和維持活動も実際に現場に行かないとわからないことだらけ。それでも国連での地雷除去活動には恐怖が伴うもの。本当に平和のためなのか?と主張する、自爆した少女の気持ちも伝わってくる。
ハラハラさせられ、二組の夫婦の苦悩、痛みが伝わってきてPTSDについても訴えてくるものがあった。犯人の動機としては抽象的で対象も不明瞭なものではあるけど、戦争を知らない政治家が戦争をできる国にしようとする矛盾が最も響いてきた。テロは許されるものじゃないけど、総理も許されるべきではない。そんな気持ちをジョン・レノンとオノ・ヨーコの曲「Happy Xmas (War Is Over)」が代弁してくれた。
~戦争は終わる
君たちがそれを望めば~
友人がせっかく中村倫也の家に行ったのに、機嫌を損ねてしまったという話をしたシーンでそう言ったような。私もその時は聞き流していて、後になって、言ってたなあと思ったので、私の記憶違いかもしれませんが💦違ったらすみません。
「うかつなこと」と言えば、広瀬アリスが恋バナで、「地雷を踏んだ!?」と言ってた気がします。あれもあの少女との対比で、平和ボケした彼女が後で罰を受ける事になった、という事でしょうか。
kossy様コメントありがとうございます😊
もの凄くわかります。我らが石田ゆり子様におばさん呼ばわりは許せん!
エキストラの方々も馬鹿で良かった!
ほんとにあんな感じです。私は絶対に渋谷に行きません。