クリスマスに降る雪はのレビュー・感想・評価
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なにげに渋すぎな選曲
おしせまると、クリスマスものが出てくる。
かるくて、たのしい。
アメリカの上手なドラマを見ていて感じるのは公平さ。
白も黄も黒もぜんぶ揃って、かれらが、それぞれの外見のちがいをまったく気に留めず、コミュニティを形成している。加えてLGBTの境界もない。
きょうび、わたしの職場も外国人だらけになったとはいえ、アメリカの生活基盤にある人種の坩堝とは比べものにならない。
アメリカ映画を見慣れるほどに、かの国のレイシズムを、事実上単一民族国家な日本人が揶揄するのは、べらぼうにお門違いなことだ──と思う。
わたしはネグロイドより濃い黒人も、白人のFreckle Faceも、ディナールや地中海の人種も、現実ではほとんど見たことがない。
グローバルって言葉があるけれど、隣人あるいは隣の席のひとが、じぶんと肌の色が違う──ような環境で育たなければ、根本的にグローバルなんて幻影じゃなかろうか。LGBTだってそうだ。知人にゲイがいないなら、それに対する不明を免れない。
翻って、それがアメリカ映画の公平さ──だと思う。
もちろん、人種と性的指向を網羅しているのは34丁目みたいにクリスマスの予定調和へ落とすためでもある。ハッピークリスマスなクライマックスと、そこへに至る曲線に過不足がなかった。
因みに、教会へ入ってオルガンを伴奏にウォーターボーイズ、というかマイクスコットのThe Whole Of The Moonを歌い出す。わたしは洋楽信仰者だったのだが、ど真ん中の曲だった。マイクスコットのなかでも最高の楽曲だが、元来キーナンシプカの世代が知っているはずがない懐メロである。「つぎはSound and Visionやろう」とか言うんだが、それってデヴィッドボウイのLowのSound and Visionなんだろうか?おかしいな、過去設定の話だったっけ。でもみんなスマホ持ってるし。でも冒頭でアナログレコード選んでるし・・・。祖父がストーンズのExile on Main St.で話ふって、からの100 Years Agoでみんな踊り出すし・・・。
よしんばこれらがぜんぶ過去設定な話だとしても選が渋すぎ。
個人的にこの映画の音源監修は最高に幸せだった。
しかし。いくら洋楽を聴こうと、いくら洋画を見ようと、わたしはグローバルになんかなれない。この映画でいちばん楽しいのはJacob Batalon。ハリウッドじゃモンゴロイドをさらけ出したほうがぜんぜん売れる。きっとどんな世界だってそうなのだ。知ってると思うが、わが国のほとんどの国民はクリスマスとはぜんぜん・まったく・これっぽっちも・つゆほども・小指の先ほども関係がない。
「人生には雪が必要」!?
台詞は多いですが、内容が頭に入ってきませんでした。主人公はとにかくスマホが大事だという印象です。タイトルから静かにクリスマスを過ごすのに向いていそうと思ってしまいますが、まさかのラストのBBAの言葉から、このタイトルになったようで、いっそう寒さが増しました。
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