ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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しょっぱい街のしょっぱい人々
主にキャストの力でもたらされている煌めき、素晴らしい。二人ともとてもいい。
だから物凄くもったいないと感じてしまった。
ノッキングをおこしてしまうポイントが多く、手放しに劇中に連れていってもらえなかった。影だけが存在して、光が希薄なため人物造形の彫りが食い足りない。
良さげな場面は羅列しているがぶつ切りの印象であり、脳内で色々なことを補足しながら観ていた。抑揚の問題だろうか、実にもったいない。
タイトルなし
15分25秒の予告につらた感じ
yotubeで見た予告はとても感動的だったけど、それは「いいところを上手く集めたもの」で釣られてしまったという感じ。
最後ジェンダー草彅は死んでしまうのだけれど病名が不明なために、ホルモン注射や男性の性器を取ってしまったことからくる悪影響のように思えてしまうが
「トランスof アメリカ」だったか正確なタイトルは覚えていないけど性器を取る為に旅に出かけたジェンダーが男として結婚していた時にもうけた一人息子と偶然列車に乗り合わせるという映画ではその男性は健康そのものだった。
予告を見たから引き取って育てた娘が草彅を男性として好きだったというのが分かるけれど、映画では、ラストに男の姿で抱き寄せられたところを思い返すシーンがエンドロールと共に流れるだけで、そこまで来ないとラブストーリーだと分からない。
母親になりたがっているジェンダーと男性として恋をしている高校生の切なさを描くには不十分この上なかった。 中途半端に女子高生の友情を描く時間があったなら、2人の距離が縮んでいく様をもう少し丁寧に
ラブストーリーとして描きたいなら、少女の微妙な表情などを多く取り入れるなどしていった方が何を言いたいのか主軸がはっきりしたと思う
予告の最後に「世界で一番切ないラブストーリー」という文字が映し出されるが「ラブストーリー」だとわかりづらい。
多少詰め込み過ぎかなあ
LGBTをテーマに親子関係やら貧困問題などが絡み合って、物語がテンポ良く進んでいくのは、結構、重いテーマ、重い描写の連続でもスルスルと消化できるのは素晴らしいと思いましたが、イベントごとが多すぎて、半ば説明、話の行方が不透明になり、多々気になったのが残念ですが、良作ではあります。
多分、主人公凪沙役は草彅剛でないと成立しないし、一果役の服部さんもバレエはもとより、バレエが上手くなっていくさまはとても難しかったと思います、一果の成長や変化も適切に演技で素晴らしかったです。
ただ、全体構成はテレビの長尺ドラマそのもので、映画館で観なければならない作品かと言えばノーで、映像も音響も凡庸そのものでした。万引き家族に近いかもしれませんね。
白鳥とオデット
食わず嫌いでした
かなり話題になってたのと、アカデミー主演男優賞とったのと
色々あり、余計に見るのが遅くなりましたが
今更ですが、見始めからぐっと引き込まれて
最後まで一気に観れました。
私もヒエラルキーの最下層の1人ですが
ジェンダー云々なしにしても貧困問題はぐぐっとくるものがあり
その中で優雅なバレエがただ一つの希望でした
そんな夢や希望があれば最下層でも強く生きれるんだなと。
ま、実際はお金続かんけどね。
草なぎ君が、収入のために、髪の毛切って戸籍上の名前で働く姿は鳥肌が立つほど感慨深い物がありました。
女として産まれて生きて子供も産めたのに母親を放棄する女と
身体は男であるがゆえに子供も産めない矛盾に生きてる女。
前者の私には辛い
当たり前のことすらできない。
女ってだけで甘えてる自分に深く刺さった。
あのシーンはえぐい破壊力あるけど
それなしで語れなかったのかな?
ただの衝撃的だけで終わるには惜しい。
最初にあれほど実家にバラすと云々言ってたのに
女性としていちかを迎えに行くシーンも
だって隠す隠さないじゃなく女なんだもの
執念のように感じるほどに体と心が違う苦しみなんて
理解してるようで、わかった気になってるだけなのか。
作品を作るということ
樹咲さん演ずる一果のバレエ、綺麗ですね。小顔で手足が長くバレエの為に生まれて来たような容姿。
多分、一果とは真逆の生活環境で育っているのでしょう。
この作品でLGBTの苦悩の入り口を少し覗いた気になってレビューしましたが削除して改めて投稿しています。
他の方のレビューで知り得たのですが、凪沙の手術による身体の不調は稀であるという事。
私にとっては二度と目にしたくないぐらいの衝撃を受けストーリー的にも主人公が一人いなくなるかもという大きな出来事です。
であるのに殆どの事例は健やかに過ごせている筈だとか。
つまり凪沙さんの術後の不調はあり得ない事らしいのです。
凪沙を死なせず一果と仲良く親子のハッピーエンドだと印象が弱まるからでしょうか。
草なぎさんの熱演が勿体なく思えました。
鑑賞する多くの方があまり知らない世界の事。
ストーリー的に受けるからと事実とかけ離れた内容では感動できないです。
シナリオがなぁ…
世間的ステレオタイプのLGBTで偏見のある演出かもしれませんが、草薙くんとてもキレイでした。
イチカ役の子も、とても強い(色んな意味で)のに儚げな演技、最高でした。
問題はシナリオなんですよ、シナリオ!
唐突にリンはタバコ吸ってイチカにキスして、他人の披露宴で踊り狂ったかと思えば飛び降りて、それ以降の描写ほとんどなし。
ナギサは転職繰り返すキャラじゃないんじゃないの??
あの流れなら、イチカにバレエ教わって店のショーが盛り上がって万事うまくいくじゃダメ?!
イチカのコンクールに唐突に来た母親。
急に情にほだされて舞台上で2人が抱き合うシーン。
ナギサの母親、そもそもお前が面倒見ろとか言い出したのにその母親がナギサを叱責、"病院に行け"ってヒスるとか…
イチカの母親もクソ中のクソ。
この親戚集まったシーンは本当に嫌悪感しかなかった。
ナギサ最後死ぬ必要あるの??
ハートウォーミングで終わってよくない?
死んだ後の掘り下げも全然なくて共感できない。
大事なことはそっちのけで、感動するでしょ!刺激的でしょ!ってシーンだけあげつらってる印象しかない。
なんのカタルシスもなく、モヤモヤーっとしたシナリオでモヤモヤーっと終わりになる。
誰にも理解されない心の傷
草彅剛扮するトランスジェンダーの武田健二は凪沙と 名乗っていた。男に消費されたら負けだと言う世界で生きていた。そんな折健二のいとこの中学生の娘服部樹咲扮する育児放棄された桜田一果を健二が預かる事になった。
トランスジェンダーを理解しようと思わないが、保護者として健二の風体で現れたら当然荒れるだろうね。一果も気の毒だ。でも愛想もなく荒れてる一果がバレエをやりたいのも意外だな。なんで私だけ…と泣く健二。そんな健二にもバレエ繋がりで愛情が芽生えるなんてね。心の傷は誰にも理解されないかもしれないが、ひとり頑張っていると理解者が出て来る可能性もあるよね。人は寄り添って生きないと。草彅剛はそれなりに役作りしてたけど、服部樹咲はなかなか存在感あったね。最初の気味悪さを通り過ぎて、それぞれの人生に望む姿に期待したいものだ。悲しい話だったね。
いろいろ考えさせられたが
見たいなと思いつつ忘れていたんですがやっと見ました。
最後まで飽きることなく見れたことは高評価。草薙さんも目線が美しかった。改めて草薙さんっていい役者だなーと感嘆したんですが、前評判で期待しすぎた分、思ったより男に見えてしまったのが残念。そこが引っかかって物語に入れ込めない部分があった。
脚本や演出も今見ると古い感じがしてしまう。リアルタイムで見てたらまた感想が違ったんでしょうけど。
自分にはトランスジェンダーやLGBTのことより貧困とその連鎖、家庭環境や教育がいかに大事かの問題の方が心にグッとささった。LGBTは絡めずにそんな親子をテーマにした作品を草薙さん主演で見たくなった。
愛に満ち溢れている!涙が止まらない!
また、違ったブラックスワン
トランスジェンダーの男性とネグレストを受けている女の子との共同生活を描いた作品。
こういう作品は、どこか偏見や価値観の違いからあまり受け入れられ事がない事がと多いと感じる事があります。
だけども、この作品は、多くの人が観てほしいと感じました。
今、世界でもLGBTに対する考え方が少しずつ変わりつつもあるけど、まだそれは小さいと思う。
作品の中で女の子は、自分の成長の中で上手く、自分の感情に対して向き合う事が出来ずいる。
トランスジェンダーの男性は、世間という周りから受け入れられずにいて、どこか虐げられ生活を送っている。
それでもなんとか前に向いて動こうと四苦八苦しながらぶつかりながら、前に進もうしている姿がとても良かった。
女の子為に自分が踏み出せなかったら、性転換手術にも取り組み心身共に女性になる事でほんとの母親になろうとしていた。
それがきっかけで自分の身体がどんどんとおかしな老化を遂げてしまう。
生きるという事は、それぞれの人生があるけど、それを誰かの考え方によって固めてしまう事は、その人を殺すという事になるのかもしれない。
簡単に受け入れ事は、難しいけど、そういう人達の声を聞いてみる事は、出来るなと思う作品でした。
マイノリティだからこそ
どこに才能の芽が咲くのかは誰にもわからない。
広島の片田舎でヤンキーのシンママにネグレクトされたバレエの才能があるイチカ。
トランスジェンダーのなぎさ。
最初は腫れ物を触るような二人がお互いの弱さを見つけていくうちに、あぁ一人じゃないんだ、って思い始めて不器用ながらも心を開いていく様子をじっくり描いてる。
とはいえ、多感で一人では決断も生活もできない中学生。母の元に帰るけど、ちゃんとなぎさの「自分を大事にして強く生きるんだよ」という言葉どおり、NYのバレエ学校に進む。
バレエの先生にも才能を見出してもらってたけど、あの先生も物事をフラットに見れるから、イチカも信頼できたんだろうな、いい先生だったよね。
最後は、せん妄が見えてたのかな。
海で美しいものを見ながら天国に行けてよかったと思う。このまま、あの部屋で一人死んでいくなんて悲しすぎる。
草彅氏の演技が棒読みに見えるけど、あれは自然体と表現するのか。
残酷な世界で最も美しい物語
これほど素晴らしい作品だったとは。公開時スクリーンで見なかった事を心の底から後悔した。
草彅剛演じるトランスジェンダーの凪沙がとにかく魅力的。美しく気高く見えて、実は優しく本当は脆く儚い。そんな多面的な女性が少女・一果に自分の夢を重ねて託し、母になろうとする様の美しさ。音楽の素晴らしさも相まって魅了された。
最悪の出会いから始まった一果と凪沙の出会いが、こんなにも美しいドラマに繋がっていくとは。
2時間という短い尺の中に織り込まれた様々な人間模様。残酷な現実と温かな希望。そのどちらも描かれていた。誰が悪いでも良いでもなくゆっくり時間が過ぎていく感覚が心地良く、それでいてフェアに感じられた。
何度も繰り返し見てドラマに浸っていたいと思えた名作だ。
白鳥さん
久しぶりにがっかりな映画
母になろうとして、やがて女になった悲しく優しい物語
名作を今更ながら鑑賞。
虐待、あるいはネグレクトを受ける子どもが実の親でない人と住んで絆を深めていく物語はよくあるが、今作はそこにLGBTQが絡めてあるからより厚みと深みが増す。
女性にどうしてもなりたい凪沙。孤独を抱えた一果。最初は互いにギクシャクしながらも、やがて互いの穴を埋め合うようになる。
そしてバレエの夢を諦めたりんの死、凪沙の死
同性愛者が死ぬという結末もいたたまれない。
また、性転換の手術も術後のケアも大切だし、簡単にはできないことも教えてくれている。
一果の才能を目の当たりにした凪沙が、バレエのレッスン料などを捻出するため、男に戻り就職したシーンには号泣。そしてラストの海のシーンでも涙なみだで。
どうにもならないもどかしさと悲しさ……
母になろうとした凪沙の姿と思いに、想いを馳せると胸が張り裂けそうになりました。
草彅剛の演技はさすが。儚く繊細な表情が凪沙にぴったりだった。
そして一果演じた服部さんのバレエとスタイルの良さには感服!!
海で踊るシーンは名シーンです!
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