ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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惜しみない愛
惜しみない愛に、まんまと感情をベリッと持っていかれましたわ。
求めるのでなく、理屈抜きで与えてしまうのが愛よね、と。
草彅剛がとにかくすごい。
新人の服部樹咲も魅せる。
なにより、脚本・監督の内田英治氏にやられた!
『全裸監督』の脚本・監督の人やん!
2か所だけ嫌な部分はあって(途中の自殺シーンと、最後の流れ)、きっとここが賛否両論となり、否定派から叩かれることになると思いました。
私は、映画としてのあざとさと理解しつつ、驚かせる仕掛けなのだと容認できましたが、世間ではどうか?
理屈ではなく、二人の役者が醸し出す空気を感じて楽しめばいいと思うのです。
白鳥の湖のストーリーを知っていると、より染みると思います。
心が揺さぶられる映画
初見で心を鷲掴みにされ、小説を読んで朝イチで観てすぐにおかわり。
凪沙や一果が徐々に寄り添い変わっていく姿、りんと一果の危うさ
凪沙の優しい眼差し、心に残るシーンばかり。何度観てもまた凪沙の世界に浸りたくなる。そんな映画です。兎に角 観て感じて欲しい。素晴らしい映画です。
良かった
なんで
トランスジェンダーや育児放棄ばかりに目が生きそうになりますが、お金を貯めてるけどなかなか貯まらないとか、なんで私ばっかり不幸なのって思ったりとか、友人を大切に思ったりとか、小さなところでいくつも共感するポイントがあります。
登場人物それぞれが、嫌な奴であり、良い奴でもあって、みんなに幸せになって欲しかったです。
草彅くんはさすがと言うべきか、自然体の演技で、まるで凪沙が現実世界に存在するかのようでした。
醜い世界で美しいものに憧れる、その心こそ美しいのかもしれませんね。
そして母になる
皆様、いきなり寒くなって参りました。日中は丁度良いですが、朝晩は寒いです。北海道の大雪山系は冠雪が記録されました。
さて本作「ミッドナイト スワン」ですが、草彅剛の渾身の演技が堪能出来ます。と、映画の感想に行きそうですが・・・
私は週刊文春を長い間、読んでいます。辞めたいのですが和田誠さんの表紙を見ると堪らず買ってしまいます。大好きなんです。和田誠。
最近の事です。冒頭グラビアに妙齢の美女。あれ?見た事がある。富永愛?違う!後半のページで、正体が判明。そうです。
草彅剛です❗️
取り上げてくれてありがとう。と・・・同時に複雑な思い。だって文春がSMAP解散のトリガーを引いたのは間違いない。お前だよ!余計な事をしやがって。週刊新潮の中吊り広告をカンニングしやがって❗️テキトーにごまかしやがってよー‼️このセンテング スプリングめ‼️
はっ❓❗️失礼しました。言い過ぎました。
詫びろ、詫びろ、詫びろーー‼️
ごめんちゃい🙏
でもカンニングはカンニング。かもめはかもめ。ダメですよ。
はい。枕終了です。ここから本作の感想です。まずは簡単なストーリーを・・・
トランスジェンダーの凪沙(草彅剛)は新宿のショーパブで働いています。そこに東広島の親戚の娘の一果(服部樹咲 はっとりみさき)が同居する事になります。もちろんお金目当てです。
一果の母、早織(水川あさみ)は水商売。金髪。
元ヤンキー。養育の資格がないと引き剥がされたのです。
水川あさみは凄味が有ります。しかし私はワクワク。何故か?いや切れのある広島弁が気持ちいいんじゃ❗️逆に叱られたい。広島の人はどう思うんじゃろのう。
広島弁は本当にいいのう。「父と暮らせば」で
宮沢りえちゃんが広島弁丸出しで紙芝居をするんじゃ!悶絶じゃ❗️みてくんさい。
草彅剛はSMAP感を消して凪沙になりきっています。近作のだらしない大人感を消しています。せつないのう。でも好きじゃ❗️しかし大事な事は・・・
主役は一果じゃ。虐待を受けて育った子供。喜怒哀楽のベクトルを極限まで抑えて育った子供。しかし・・・一定のラインを超えると爆発する子供。
正直、難役じゃろ。まず、なかなか喋らん。最初の台詞が「嫌じゃ❗️」こっちはズッキューンじゃ!
まあ題名にスワンが入っているんで、バレエが
大切なモチーフになっているんですよ。一果のバレエスキルの上達。表情の変化に注目して下さい。とんでもない!
あっ?この感じ。リハウスの宮沢りえじゃ❗️
大物じゃ❗️
とりとめのないレビューですみません。
読んで頂き有難うございました。
じわっと泣けた
まあまあだった
主人公の選ぶ道が険しすぎて気の毒になる。それほど母親になりたがっている感じは伝わらない。気合を入れれば海に遊びに行けるくらいなのに、普段寝たきり状態なのは変だ。
私、こわい? 私、気持ち悪い?
切ない。そして、儚い。
草彅剛の演技はどうか、と聞かれれば、どうも男が抜けていない、と感じた。例えば肩が張った歩き方とか。でも、まったく女にしか見えないトランスジェンダーを演じ切るよりもリアリティはあった。そこに、世間からゲテモノ視されながら生きている悲哀が漂っていたからだ。
そんな、一人で生きてきたナギサの目の前に、一人ぼっちにされてきたイチカが現れる。どん底同志の二人ながら、一人は夢を自らの手で掴んでいき、一人は我が身を捧げながら朽ち果てて行った。でも、二人とも同じ思いだろう。幸せかと言ったらそうでもないだろうけど、少なくともお互い自分の出来ることに精一杯向き合い、結果としてイチカの夢を叶えられた(ようとしている、が正しいが)のだから。だから、僕にはハッピーエンドに思えた。
主演はもちろん草彅剛なのでストーリーはナギサを追いかけるのだが、これをイチカ視点で物語を進めてみてはどうだろう?とも思った。・・・笑顔が素敵で、社交的とは言えずとも凛とした、NYで成功した日本人バレリーナがいる。さぞこれまで恵まれた環境で英才教育を受けてきたのだろうと周りは才能と出自を誉めそやす。しかし、彼女はその過去を語らなかった。そんな彼女の成功の陰には、身を削って尽くしてくれたトランスジェンダーの親戚のオジサン(!)と、イチカの人格すべてを愛してくれながらも失意のまま去っていった友人の存在があった。的な。イチカの華やかさだけでなく、人間そのものの強さが際立つと思う。
それにつけても、イチカとリンの二人のキャスティングの絶妙さ。草彅の存在はもちろんながら、この映画のクオリティは、この二人がいてこそだと言って過言ではない気がする。
正直、トランスジェンダーの方々の本当の気持ちなんてわからない。むしろ、わかっているっていうのは偽善だと思っている。だけど、それで生きている人がいることの事実はわかっている。そして彼ら彼女らが、苦しみながら生きているということも。
救われないシーンが多くて、場面はぶつ切れ感があるけど、とても良い
服部樹咲の一果役も多少のぎこちなさをぶっ飛ばして良かったけど、草薙剛のぎこちない生きざまの演技が良かった。 自分の人生でつらかったことを思い出してきて、数十年ぶりに泣けてきた。 人生って、思うようにならないな。
鳥肌もの...
この感覚は何なのだろうか?
気が付くと自分で自分を軽く抱きしめている。
心が満たされる感覚と空っぽになる感覚を同時に感じました。
草彅剛さん演じる凪沙らトランスジェンダーの彼女たち、今作で女優デビューとなった服部樹咲さん演じる一果とその同級生りん。みんな「自分の立場に苦しみながら世の中をもがいて生きている」というより「自分という生命を必死で輝かせようとしている」という印象でした。
草彅さんは素晴らしい俳優さんですが、今回はまた別格です。
冒頭お客さんの接待中に照れで頬を両手で覆う仕草を見た瞬間、この作品に取り込まれてしまいました。
本当に終始美しかった。
服部さんも初めての御芝居とは思えないくらい良かった。
凪沙を見つめる目の変化などは形としては簡単だと思います。
しかし、そこからちゃんと凪沙への想いも伝わって来るのですから素晴らしい。
たまに1エピソードの展開が短かったかなと感じることもありましたが、これらは蓄積なのだと思いました。
この作品は過程が最大の魅力ではないでしょうか。
もちろんラストも感動しましたし、綺麗に描けていましたが、そこよりもさらにアルバイトがバレてしまった帰り道や一緒にした夜のバレエ練習、2人の気持ちと過ごす時間が親子のモノになっていく過程に文頭のような2つの感覚がありました。
作中で多かったバックショット。
距離とかではなく「向こう側」、綺麗な後ろ姿なのに痛みや憂いを感じざるを得ません。
ラスト浜辺で踊る一果を見つめる凪沙が「綺麗、綺麗…」と呟きます。
自分もあんな風に踊れる白鳥になりたかったんでしょうね。
草彅さんが自身が出演された作品の中で今作が1番終わってから席を立てなかったと仰っていました。
納得です。
僕も映画館は出たものの、近くのベンチに座り浸ってしまっています。
劇中とエンドロールで流れる渋谷慶一郎さんの『Midnight Swan』が頭から離れません。
今僕の目に映る全ての光景が映画になっています。
美しい
新宿二丁目の太陽
コロナ禍もあってしばらく映画館から遠ざかっていましたが、東京FMの稲垣君の番組でこの映画の存在を知り、またYouTubeで15分間の告知動画を観て興味を持ち、久しぶりに映画館で鑑賞することにしました。歌舞伎町の映画館で観ましたが、映画館を出たあと、暗くなった街の片隅で二人が寄り添っていそうな気がしました。
まず草彅君ですが、一般的には難しい役どころと言えるかと思いますが、私は最初から草彅君にハマりそうだと思っていたので、案の上期待通りで、すんなりと映画の世界に没入することができました。途中エグい場面がいくつかありますが、これは前所属事務所ではOKが出なかったと思いますので、そういった意味でリミッター解除というか、彼の役者としての幅は確実に広がったと思います。日本で活躍が難しいのなら、いっそこの作品によって日本の枠を飛び出してほしいと思います。そうなるように願っています。
そしてイチカ役の服部さんも素晴らしかったです。初の演技ということでしたが、だからこそのビギナーズラックというか、初めてならではの計算のなさと、ネグレクトや自傷癖など複雑な問題を抱えた役どころが絶妙にマッチして、二度と観ることは適わないだろう名演を見せてくれています。そしてバレエも本当に素晴らしかった。コンクールのバレエシーンは本作のハイライトであり必見です。インタビューを拝見すると今後も演技を続けるお考えのようなので、草彅君と共に今後の活躍が楽しみです。
服部さんを観ていて、異論はあるかと思いますが、その面立ちと良い、私は初期の倍賞千恵子を思い浮かべました。賠償千恵子もSKDの元トップスターで踊りも歌もいける名優です。全く作品の質感は異なりますが、ある意味「男はつらいよ」の寅さんも生きづらさを抱えた一種のマイノリティだったように思われ、イチカはその傍らに優しく寄り添うさくらのようにも見えたわけです。そこで彼女には倍賞千恵子の代名詞「下町の太陽」ならぬ「新宿二丁目の太陽」の称号が相応しいと思いいたりました。もちろんあくまでこの作品においては、です。今後は新宿を大きく超えてどんどん活躍を広げていってほしいと思います。
30分ぐらい長くなっても良いので、特に後半部分はもう少し丁寧にストーリーを見せてほしかったようにも思います。「カットしてません?」と思えるような箇所がいくつかありました。その他演出の部分でいくつか疑問はあったものも、やっぱり映画館で観る映画は良いなと思える良い映画でした。
人間描写が弱い
この映画の評価出来る点は草薙の「知名度」により映画がヒットしたこと。ジェンダーについて考える機会を、多くの人に与えるきっかけとなったのは良い。
しかし映画の内容としてはイマイチ。
登場人物の心の葛藤が「大声を出し怒鳴る」「自傷行為をする」「暴力行為をする」といった形で表現される場面が多く物足りなかった。
社会的に、あるいは年齢的に複雑な心理状態に置かれている人物の心理描写をもっと深く丁寧に表現して欲しかった。
特にイチカがママ母と別れて実母の元に戻る際の心の葛藤が描かれていないのは本当に惜しい。
似たような物語設定のアニメ、「アルプスの少女ハイジ」では、ハイジがアルプスの生活から都会へと戻る際に【山での生活を心から愛していた少女が、大きな寂しさを感じながらも現実を受け入れる逞しさ】が表現されていた。
この映画からは、イチカのそういった感情の葛藤があまり感じられず残念であった。
個人的にはオカマちゃんの会話がとても楽しく、そこがとてもリアルで良かった。
もう出会えない、奇跡の一本。
想いが溢れて止まらない。
鑑賞した人と話したくてたまらない。
死、血、汚物、リアルが迫る大事な演出。
草なぎ剛君が凪沙役を引き受けてくれた奇跡と、いちか役の本物のバレエができる純粋な目をした服部樹咲との希少な出会い。
何も考えず、そのままの自分で観に行って欲しい。訳がわからない感情が溢れ出てくる。
内田監督のオリジナル脚本というところが良いです。
監督の譲れない潔い演出の想いが深く突き刺ります。
評価とかじゃなく、自分が表現したい事をオブラートに包まずに真っ直ぐに届けようとしてくれた強さを感じる映画です。
恐れずに届けてくれた制作陣にこの国の暗部が引っ張り出されて、私達は直視する勇気を持たなくてはならないと感じました。
【祈り】
多様性とはなんだろうか。
「LGBTって流行りなんでしょ」
と作品中で採用担当が話すように、言葉やカテゴリーが先走って、逆に窮屈になったり、取りこぼされている人が多くいるのではないのか。
凪沙は母性に目覚めたのだと、僕達は簡単に言って良いのだろうか。
僕達は、至る所で、無意識に男女を分けて考え過ぎてはいないか。
凪沙は当初、単に親になりたかっただけではないのか。
踊りとバレエという共通項を見出して、窮屈なジェンダーというカテゴリーに縛られ、水槽の中で生きることを運命づけられたような自分とは違う、自由な可能性を一果に見出し、その可能性を「親」として後押ししたかっただけではないのか。
そんな親になりたかっただけではなかったのか。
しかし、一果と引き裂かれ、自身のジェンダーを追い詰められるように考えた時、書面上・登録上の父親という選択肢には耐えられず、手続きなど容易なタイで性転換をしてしまって、母親にもなれるのだと一歩踏み出してしまったのではないのか。
性転換に葛藤を抱えていたように見えていた凪沙には大きな決断だったのだろう。
多様性とはなんだろうか。
ジェンダーとはなんだろうか。
LGBTQとはなんだろうか。
親であるとは、
母親であるとは、
父親であるとはなんだろうか。
元々ある区別に加え、選択肢が増えたからといって、僕達が人であることに違いはないだろう。
多様性を云々する前に僕達はみんな人なのだ。
僕は、僕達の生きる社会が、心と身体の性が一致しないのであれば性転換しなさいと強制するような社会であって欲しくはない。
また、性転換しないのだったら、身体の性のままだと決めつけるような不寛容な社会でもあって欲しくはない。
うわべで多様性を論じても、僕達の社会には、実は、そんな不寛容さが至る所に潜んでいる。
凪沙と一果を繋ぐのはバレエだ。
2人が公園で踊るシーンは秀逸だ。
凪沙は、ジェンダーを意識することなく、夢や目標を持って、それに向かって努力出来るはずの一果に、窮屈なカテゴリーの中で、水槽の中だけで生きることを運命付けられた金魚のような自分にはない自由な可能性を見たのだ。
これを後押ししたいと思うのは、ジェンダーでは括れない愛情ではないのか。
だから、親であるだけで実は良かったのではないかと思うのだ。
スクール水着を着る身体的男子がいたって良いのだ。
同様に主人公ぎバレエにひたすら向き合う映画「Girl」のように強く性転換を願うこともあるだろう。
しかし、心と身体の性とは関係なく、「親」であるだけで、別の更なる一歩を踏み出す人もいるのではないのか。
僕達はカテゴリーを多様化して、いつの間にか、それで満足してはいないか。
細かい窮屈が増えただけになってはいないか。
凪沙の期待と共に白鳥のように羽ばたく一果。
社会の不寛容に押しつぶされるように去る凪沙。
これは皮肉のようだが切ない対比だ。
人として、不寛容が少ない社会であれば良いと願いたい。
そんな社会になることを祈りたい。
「草彅剛」はいなかった。
深い深い愛のはなし
内田英治監督の創り出す世界は古いフランス映画のように優しく切なく胸に沁み込んでくる。
新宿のネオンが、本物になりたかった白鳥たちを包み込んでいるみたいに…
長い手足の一果が踊る、バレエのシーンが本当に美しい。
真夜中に凪沙と一果が踊るシーンが一番好き。
草なぎさん、服部さん、水川さん、田口さんはじめ、キャストの演技がストーリーを補完してる印象。
予告のときから思ってたけど…渋谷慶一郎さんのピアノ曲がストーリーを切なく彩り、最高に泣ける。
そして…りんちゃん。
お金持ちの両親がいても、本当のりんちゃんを見ていない。見ようとしない。
りんちゃんの踊るシーンは悲し過ぎる。
愛の力で醜いアヒルの子は白鳥になる、深い深い愛のはなし。
公開記念舞台挨拶中継付きで鑑賞。
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