ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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美しいシーンで散りばめられた悲惨な物語
なかなか感想を語るのが難しい映画だった。重いテーマであることは覚悟してたけど、予想以上にショッキング。これがリアル…とは思えない部分も、ちょっとやりすぎなんじゃないかと思う部分もあるけど、いろんな問題提示があったのは確か。
LGBTを描いた作品はいくつかみたことがあるけど、こんなに身体的にも金銭的にもキツいということを強烈に描いたものをみたのは初めてだった。草彅剛主演じゃなければこんなに全国大きな映画館で公開できなかったんじゃないだろうか。
ストーリー展開にはモヤモヤしたものもあるけど…何もそこまで悲惨にしなくても。。みたいな。
でも草彅剛と一果ちゃん役の子の圧倒的存在感に魅せられた。音楽も綺麗で。最後の海のシーンよかったなあ。悲惨な物語で、それだけだと見てて辛いけど、バレエという要素が加わったことで華やかで美しいエンタメになっている気がした。
大切な人の為に、白鳥は舞い踊る
邦画でも近年、LGBTやネグレクトを扱った作品が徐々に作られるようになってきた印象が。
『彼らが本気で編むときは、』『万引き家族』『his』…いずれも力作/良作ばかり。
また一つ、素晴らしい作品が舞い踊った。
トランスジェンダーの凪沙。
貧しい生活を食い繋ぎ、いつの日か性転換手術を受ける為、新宿の片隅のショーパブのステージに立つ日々。
そんなある日広島の実家の母親から、育児放棄されている親戚の娘を預かるよう頼まれる。
凪沙と預かる事になった少女・一果の共同生活が始まるのだが…。
頼まれたのは何も凪沙が面倒見がいいからではない。養育費と交換条件で嫌々。それに、子供が大嫌い。面倒かけたら殺す/追い出すといきなり釘を刺す。これじゃあ暴力を受けてないだけで、実母の元に居るのと変わりない。
親の愛情を知らぬ一果。常にブスッとした無表情、無口。何を考えているのか分からない。転校早々問題を起こす。
片や早くももううんざり。
片や全く心開かず。
最悪の共同生活…。
が、
この手の作品、この手の設定。
二人の距離が少しずつ縮まっていく様が、分かっていても魅せられる。
そのきっかけとは…、
下校中、バレエ教室を覗く一果。
一日体験。どうやら経験があるのかもしくは才能があるのか、講師に気に入られる。
が、通えるお金など無い。教室も偶然学校も同じの親しくなった女子に誘われ、いかがわしいバイトを。そこでまた面倒を起こす。
凪沙が呼ばれ、初めて一果がバレエを習っている事を知る。
講師はバレエを続けさせ育てたいが、当然凪沙は反対。一果は自暴自棄になり、自傷行為を。
さすがに心配した凪沙は、一果を店へ。
凪沙らが客と揉め事。
その時、一果が突然ステージに上がり、バレエを踊る。
自分も下手くそなバレエを踊っている凪沙だが、こんなに美しい白鳥を初めて見た。
魅了され、心を奪われた凪沙の表情…。
自身の白鳥ヘアアクセサリーを一果に譲る凪沙。
「あげる」の一言は、「続けなさい」の言葉に他ならない。
一果を優しく抱き締める凪沙。
一果にバレエを教えて貰う凪沙。二人で一緒に踊る。
凪沙手作りの豚肉の蜂蜜と生姜焼き。違うでしょ、ハニージンジャーソテー。
バレエが繋ぐ。
この世界に、その片隅に、あったんだ。
こんな温もりが。優しさが。
交流が。愛情が。知らぬ内に芽生えて。
それまで見せなかった笑顔が自然と。
どん底のような場所で差別の対象、偏見の目。
全く愛されてもいなかった。
そんな二人に突然訪れた、穏やかで幸せな日々。
…いや、ひと時。
くどくどは言わない。草彅剛が素晴らしい。
元々演技力に定評はあったが、新境地、入魂、キャリアベスト。
トランスジェンダーとしての佇まい、悲哀。
その中に滲ませた母性愛の顔。
年末、多くの主演男優賞を受賞して欲しい。個人的には、今年の邦画の主演男優賞は決定だ。
劇中でバレエの才能を見出だされたと等しく、服部樹咲という才能が彗星の如く現れた。
演技の経験はナシ。オーディションで選ばれた新人。確かに演技はちと拙い部分もあるが、それがリアルでナチュラル。と言うか、堂々とした存在感。垢抜けない少女が美しくもなっていく。その成長も体現。こちらは新人賞で注目されるだろう。
圧巻だったのは、劇中で披露する素晴らし過ぎるバレエ。やはり、バレエ経験者。幾つもの舞台に立ち、幾つものコンクールで賞も取っている若きバレエ実力者だとか。
その演技もバレエも注目…いや、必見!
他キャストでは、バレエ教室講師の真飛聖が全く違和感ナシのハマり役。いい役回りでもあった。
ついでに、田口トモロヲのママも。
一果と親しくなるりんも印象的。友情を深めたり、妬んだり、特別な感情を抱いたり。最期の踊りは美しくも衝撃的であった。
樹咲の実母に水川あさみ。最初水川だと分からなかった。毒親だが、娘のバレエを見て…。人は急には変われないが、女手一つで子供を育てる苦労。卒業式のシーンでは母の顔だった。
監督の内田英治の作品を見るのはこれが初めて。
話題になった『全裸監督』の演出を務めたり、映画監督作ではマニアックな作品が多いようで。
自身の体験に基づいたオリジナル脚本。
繊細な演出で時に優しく、時に胸痛く切なく、作品世界に見る者を引き込み、ストーリー語りも見事。役者たちから名演も引き出し、初鑑賞だが内田監督の代表作なのではなかろうか。
映像や音楽も美しい。
今年公開された邦画の中で最もというくらい絶賛の声が寄せられている本作。今年を代表する邦画の一つなのはまず間違いナシ。
その一方で、批判的な声も。
LGBTやネグレクトを扱った際のステレオタイプ描写。
貧困、最下層、夢も光も無い…。
これ事態が虐げる差別/偏見そのものではないかという指摘。
否定も肯定も出来ない。何も知らぬ私が何を言ってもそれは偽善か他人事。
しかし、現実に差別/偏見の対象となり、喘ぎもがき苦しむ性的マイノリティー者が居る事は事実。
何故、私たちだけ…?
ありのままの私で生きる。…なんて、理想的な大言壮語かもしれない。
クライマックスの凪沙の決断など結果として愚かな間違いかもしれないし、末路はあまりにも哀しい…。
そんな中で、美しい白鳥を見た。
私の可愛い白鳥が飛び立った。
私に優しさと温もりを与えてくれた白鳥さん。
心の底から私を愛してくれた白鳥さん…。
誰かを愛す。
誰かを想う。
大切な人の為に、身を削る。
大切な人の為に、踊る。
二人のみにくいアヒルの子が、美しい白鳥へ。
評判につられ、隣町の映画館まで観に行って良かった。
今年の邦画のMY BESTはご贔屓大林宣彦監督の『海辺の映画館 キネマの玉手箱』に…と決めていたのだが、
今年の邦画のMY BESTだ!
考えさせられる映画
ノスタルジックな映画
立ち上がりゆっくりなんだよね。アバンタイトルで丁寧に草彅剛と服部樹咲の事情を説明してから入るの。いまの作品でこの丁寧さは珍しいね。じっくり観てくださいってことだと思う。
そこからは、足りないもの同士が一緒に生活して、互いになにかを得てく話なの。でも服部樹咲の才能が全てを解決しますという話にもみえた。才能なかったら変化できないね。
前半は草彅剛のトランスジェンダー設定も余り活きないのね。普通に都会でうだつの上がらない遠い親戚設定でも成立する話。
バレエの発表会で「やっぱり最後はお母さんか」ってなってからトランスジェンダー設定が活きていくるの。
でもなんで「やっぱり最後はお母さん」って思ったんだろうね。まあ、そういうものなのか。
そして草彅剛は性転換手術をし、服部樹咲を迎えに行くんだけど、付いてきてくれず、服部樹咲は中学の卒業式を迎えました。
ここ、水川あさみ(服部樹咲のお母さん)が頑張ってるよね。ちゃんと中学卒業させてるし、東京からダンスの先生呼んでレッスンも受けさせてる。それでダンス留学も決めるまでになってる。だから服部樹咲は草彅剛に付いていかなくて正解だったんだよ。
それで中学卒業した服部樹咲が草彅剛に会いにいくと、たぶん性転換手術がうまくいってなくて、良く解らないが草彅剛は死んでしまうと。
トランスジェンダーの苦しみが、この作品では、良く解らないのね。途中、男性相手の風俗に堕ちた同僚が「なんで私たちばっかりこんなに苦しむのよ!」って叫ぶけど、それは選んだ男が悪いからと思っちゃったな。貢がせる男にいれあげて風俗に堕ちるのは普通の女の人でもあるよね。
そして服部樹咲の同級生と、草彅剛が死ぬんだけど、これ死ななくても物語的に良くないかな。人が死んだら心は必ず動くけど、だからこそ意味なく死ななくて良いと思ったな。
《仁義なき戦い》って、がんばって生きてる人が死んじゃうんだけど、この映画は《仁義なき戦い》のころの作品につくりが似てるノスタルジックな映画だなと思ったよ。
事実を知ることの大切さ。未来の凪沙はどう感じた?
草なぎ剛くんの凪沙は多くの方がレビューしてるように、本当に凄かった。その自然体の演技は冒頭から凪沙自身にしか見えず、途中、髪を短くした凪沙を見て、ハッ。あ、そうだ草なぎくんだったんだなと思い出したくらい。
また凪沙が一緒に暮らすことになった、虐待を受けて育った一果ちゃん役の新人の少女も、一人を寄せつけない、まるで捨て犬のように人に怯える、新人だからこその演技が、草なぎくんのトランスジェンダーの凪沙と不思議くらい融合していた。
そして、辛く悲しい二人の生活に、光を差し始めた一果ちゃんのバレエの姿は、神々しいほど輝いていて、凪沙が母になりたいと感じ始めた時に、初めて「生きがい」を見つけた嬉しさや喜びも表現していたように思う。
この物語の中で、二人の心が最も輝いていた時だった。
観終わった後、トランスジェンダーの方々の苦しみを、草なぎくんが演じることで、より多くの人達に伝えることができる機会になったことが本当に良かったと思ったと同時に、当事者のトランスジェンダーの方達はこの作品をどう観たのかなと。観るのは辛いかもしれませんが。。
理解者が増えることに喜ぶ方と、これからの人生に迷われる方が出てくるのかもしれないな、とも感じました。
素晴らしかった
そういうことだったんだ…だから夜の白鳥
バレエ【白鳥の湖】で描かれる白鳥は
夜にだけ人の姿に戻ることができる。夜が明けるとまた白鳥の姿に変わってしまう。真実の愛がなければ、人の姿に戻ることはできない。
ふたりが踊るシーンでお年を召した男性がつぶやく
それがこの映画のテーマなんですよね…。
トランスジェンダー。
シングルで育てる人たちの苦しさ。
ネグレクト。
低所得で生きる人々。
お金があっても真から愛されていないことを感じながらペットのように生きている子ども。
今の社会の様子をいろんな角度から見せられ、生きること、愛されること、愛することを考えさせられる映画だったなと感じました。
草なぎ剛さんの演技が真に迫っていて、素晴らしかった。
ネタバレします 違和感がいっぱいでした 小学5年生の子どもと観ても大丈夫か?
監督の、バレエを習っている子に是非観てほしい、という言葉に安心して小5の娘の分もチケットをとりましたがig仲間が、本当に大丈夫?と心配されていたので、慌てて私だけ前鑑賞。
以下ネタバレです。
草彅さんの好演と新人の服部さんの原石のような、計算のない素のままの演技、所々温かい気持ちになったりじーんとくる場面もあるのですが、最初から違和感ばかりで結果、消化不良気味です。
年頃の少女を、いくら親戚とは言え中年の男性の家に託しますか?児相に通報された絡みもセリフもありましたが、それならば尚更、そんなことはしないでしょう。児相の職員にも追及されるはずです。
そもそも現状を親にひた隠しにしている凪沙が、養育費欲しさとは言え面倒極まりないことになる姪との同居を受け入れた事にも、違和感。
一果のバレエへの想いも、違和感。前に習っていたから?ならばその説明が足りない。あんなに人見知りの、心に傷を負った子が見ず知らずの通りがかりの教室に、トントン拍子にレッスンに通う事になる過程に違和感。そしてあのバレエ教室の昭和感。りんのような将来有望視され桁違いのお嬢様なら、あんな昭和レトロな雰囲気のスタジオには通いません。
そして一果はバレエ上達のスピードが少女漫画並みです。
りんの、違法バイトに手を出したり、自死をするまでに至った心の闇の過程というかエピソードが、もう一つ足りなかったように思います。
一果の母親、
ネグレクト?育児放棄、とまでは言えないんじゃないかな?最初のシーンで、娘を呼び、ごめんね、って酔いながらも呟いていましたよね。まあ、それは置いといて、母親が急に迎えにきて、急に寄り添うあたり。その辺のとこも、違和感。本当の母親だから、娘を大事に思う気持ちはわかりますが、なんだかそのあたり雑な描写な気がしました。
凪沙は、コンクール会場で本物の母親に敵わなかったから、身体を女性にするしかない、母親になるための決意として手術をしに行ったのでしょう。
が、あの手術の場面も違和感です。あんな全身麻酔級の手術を局所麻酔下でするわけない…とガクブルでした。そして術後の通院が不十分であんな結果になってしまったのでしょうが、術後の経過が悪いって、化膿して酷くなれば壊死していくのであって、あんな新鮮な出血……演出でしかないなと。そして目が見えなくなるのは、不自然。糖尿病の持病があれば、まだ考えられなくないですが、全盲はないですよ。
一果が入水して、ザブザブと突き進んで行き、
そのあと急にNYの街に変化したところも、
ちょっと違和感でした。
波に押し返されて、死んじゃいけないんだ、生きなきゃ、踊らなきゃいけないんだ……
というような一瞬があれば、納得できましたが。
そういう、全体的に散らばった違和感が回収できないまま話がふくらんでいくので、説明不足の感が否めず、最後まで、涙が溢れて止まらない、とかはなかったです。
子供と一緒に観に行っても大丈夫かどうかは、
各々のご家庭の判断になるかと思います。
私が心配していたのは、行為そのもののだったり、性的な発言だったり、際立つ暴力シーンだったり、そういうところでしたが、そういうのはありませんでした。凪沙の身売りのシーンも、未遂に終わりましたし。
ただ、一果が母親から殴られたり、一果が椅子を同級生に投げ飛ばしたり、凪沙の仲間が凪沙を庇うためにデッキブラシで客を頭部打撲するシーンはあります。
我が家の判断は、、、5年生なら大丈夫かなと思いましたが、ある程度の知識は吹き込んでおくべきと思います。
一果のバレエシーンは美しかったです。
監督は、バレエがお好きのようなので、
ただただ、そこと物語をくっつけたかったのかなと。
すごかった。 観終わってしばらく経っても心臓がドキドキし...
もっと斬新でも良かったのでは
草なぎ剛が怪演!!!、、、のための映画だった
最初から最後まで、、、違和感しかない!
何故か?
脚本がクソ!、演出がクソ!
何でそうなる?となる所が何ヵ所もあって20分位でこの映画をあきらめた。
最も駄目な所は、キャラクターの心の機微や変遷を雑に撮っているので全く感情移入できない事。
それに、LGBTQの描きk、、、とにかく全てが雑だし浅い。
これ、草なぎ君の怪演すげぇぇええええ!!!って言いたいだけ(子役の子のバレエシーンも良かった)の映画だなぁーって感じていたところでエンドロール。
エグゼクティブプロデューサー=飯島三智
制作=CULEN
なるほどね!
ただ、映画としての体裁はしっかりしていたし、宣伝も上手かったからホントに優秀なんでしょうね。
ただ、映画の中身はクソ!それだけ
彼女の願いは叶わなかったが、彼女の希望は飛び立てた
どう言葉にすれば良いか分からない、そんなタイプの映画。
トランスジェンダーの凪紗が見出した希望とその果ての母性。その気持ちは何も間違いではないのに、一果は確かに救われたはずなのに。
どうしてこうも報われないんだろう。
「人は一度堕ち始めると堕ちるところまで堕ちる」
バーのママがそんなことを言っていた。
確かに、風俗に堕ちるとは言うけれど、彼女はその後真っ当に働こうとしたじゃないか。女性になるために手術をしただけじゃないか。母親になろうとしただけじゃないか。それのどこがいけなかったんだ。あまりにも報われない。
確かに、母親になることを、女性になることを急ぎすぎた。その代償なのかな。負の連鎖とでも言うべきか。
でも唯一の救いは、彼女の行動は自身にはマイナスにしかなっていないけれど、一果にはプラスに働いたこと。凪紗がいた事で一果は救われたし、愛を知っただろう。広島へ迎えに行ったことで一果は真っ当な生活を取り戻したし、バレエも再開した。
彼女が見出した希望は、彼女がいたからこそ飛び立てた。
久しぶりの映画
コロナ始まってからはほとんど映画館には行ってなかったけど、この映画は予告を観て絶対観たいと思った
レイトショーに30分遅刻、冒頭は見逃した…
軽い、エンタメかと思いきや、
(有名タレントが女装するという点で)
重厚な文学作品みたいな良作だった
多様性の時代とはいうものの、この解けない課題のような苦しさは、どこにもっていったらいいんだろう
作品の中で、好きなところ
面接官の女性 こうゆう人好き そして演者さんもきっと上手い人と思う
エンディングもいい 白黒ハッキリするだけがエンディングじゃない この作品をしめるのにはアレがいい
あと、配役
水川あさみ?別人みたいで分からなかった
本当に役の人みたいな雰囲気
ただ、佐藤絵梨子と役を入れ替えても合うなと思った
日本版チョコレートドーナツではなかった
観る前に15分の予告と評価が良かったので期待しすぎた。
チョコレートドーナツは新宿で観た。泣く映画とは知らず、不意を突かれ、嗚咽が止まらなくなり、引くぐらい涙がとまらないので、周りに迷惑をかけないためハンカチで強く口を押さえながら酷いくらい泣いた。
草彅剛のニューハーフの儚さは良かった。暗い雰囲気のまま進むストーリーのなかで、バレエ教室での優しい女の子、爺さんが2人をお嬢さん呼ばわりしたり、愛を感じるバレエの先生役がお母さんと自然に呼んでてホッコリして良かった。
なんでいちかを引き取ったんだ??と初っ端から疑問で観てた。最初は養育費目当てだったのは観終わってから知った。
あの親でなんでバレエができる環境だったのか謎。センスがあったとしても謎。
水川あさみの弾けっぷりは良かった。ブルー好きが謎だった。今時あんなバブルな見た目の母親いるんかと疑問だった。モンスターのシャーリーズセロンのようなリクエストがあったらしいけど、時間がないにしてももっと努力はできたでしょ。
脱いでこそ女優魂を感じる自分には残念。脱がない女優はもっと頑張れ。
真飛聖は宝塚だもん、ハマり役だし、レッスンシーンなんて上手よねぇ…と思って見てたけど、ほわほわする雰囲気が嫌味なくて、出演してるシーンずっと心地良かった。他の作品観てるけど今回は印象に残った。
面接帰りの月謝のシーンでニコニコ嬉しそうな凪沙が可愛くて観に行ったようなもん。
何気に演技の上手なサトエリのセレブママっぷりは良かった。「腑抜けども〜」は好きで何度も観てるので。
いちかが広島と東京を行ったり来たりする所や、あっさりネグレクトの母親に戻される所、母親がすんなり凪沙のもとへ行かせる所、術後のケアを怠ったくらいで悪化しすぎな所が観てて謎だった。
膣を作って癒着しないため毎日棒を突っ込んで、ケアがずさんな知り合いのオカマを知っている。メンタルは意味不明だったけど身体はピンピンしている。彼女が駅のホームで「みてみてー」と術後の写真を、嬉しそうに見せてきたときはギョッとした。
身体は弱い設定で金に困ってもあんな事になる?やたらよろよろ歩いてたのは身体が弱いのか、おかまだからなのかどっち?年がいってるからホルモン治療がきついの?
養育費目当てだった凪沙が、いちかのために自分の身体を売ろうと思うまでに至る気持ちも理解不能だった。
ニューハーフたちのキャピキャピしたやりとりを見るのが好きなので、そーゆーシーンは良かった。自分は國村隼人のオカマが好きだけど、田口トモロヲのママも良かった。ニューハーフたちの生きづらさ、葛藤、苦悩をもっともっと残酷でリアルに忠実にやって欲しかった。とってつけたような薄っぺらさを感じた。凪沙の親のしんどさは良く伝わった。
いちかとセレブの子が同時に演技をするシーンは良かった。あー、これ何かあるなと観てたら飛び降りるとは思わなかったのでドキッとした。あーゆーシーンが好きだけど物足りん。レズ描写必要だったか謎。セレブ親だけじゃ死ぬ理由が足りなかったから?
うーん、つまらん…と思いながらも、ラストにいちかが「みてて」と呟いて踊り出し、凪沙との思い出のシーンが蘇ると涙がでてきた。我慢してる訳ではなかったけど、涙がつたうまでにはならんかった。
突っ込みどころはいちいちあって、手抜き?ってくらい残念な所もかなりあったけど、まだ良い方なのかなぁ…。よくわかんない…。
いちか役の子は将来が楽しみ。
想像より衝撃作
何より草なぎさんの演技は素晴らしかった。
最近見た「まくこ」のだらしないお父ちゃん役も良かったけれど。
今回のなぎささんの目は慈愛に満ちて聖母マリアを思わせる程。
元々優しい目をした方ではあるけれど。
ただ、なぎささんの一果に対する思いは、
成り得なかった美しい女性の姿に対する憧れな感じがして、つまり投影?
全てを慈しむ愛というよりは、一果に果たせなかった自分の希望を課している気がして。
同じ舞台で白鳥を舞っても、一果みたいにはなれない。
本当切ないです。
それと一果ちゃん役の踊ってる様は、とても感情豊かで、本人は台詞は殆ど無いけれど、
ダンスからは多くの言葉が聞こえてきました。
特に海岸で踊るシーン。
ノンバーバルコミュニケーション素晴らしかった。
りんちゃん役の子の役所も人生も凄まじくて、脇役で良かったのか、、とは思いました。
評判通り
親子って何だ?
いつもの調子で、ポップコーンとドリンクを買って、開始時間ギリギリに席に着いた。もともと2丁目などで実情は見ていて、トランスジェンダーの苦悩とか、自分なりに理解していたつもりだったけど、最後まで圧倒された。あっという間に時間が過ぎた。結果ポップコーンには手を付けず、ドリンクも数口飲んだだけだった。
草薙くん素晴らしかった。バレーのシーンも圧倒的で美しかった。言い方は悪いけど、汚い世界と美しい世界が入り混じり、LGBTに対する現実の厳しさを際立たせていた。でも、それだけじゃない。自分は子育てを終えたけど、親子の形やあり方を考えさせられた。母性ってどうあるべきか、生きる為に必要な本能的なものであるはずなのに、それを備えていない親って何なんだ。
コロナ渦でまばらで静かな客席で、真っ黒なエンドロールだったけど、心の中ではスタンディングオベーションだった事は間違いない。皆んなそうだったと思う。
タイトルなし(ネタバレ)
夜、仕事から帰ってきて、なんでわたしだけ、と涙を流す凪沙さん。
会社勤めをしようと面接に向かい、LGBTのこと勉強してるんだよ、って言っちゃう面接官に何も言えなくなってしまう凪沙さん。
家族に否定されて、病気じゃないから、と言う凪沙さん。
傷ついて、でも凛と佇む凪沙さん。
とても悲しい気持ちになりました。
もしかしたらわたしも知らず知らず、そういう思いをさせていることがあるのかもしれない。
髪を染めたりメイクするのも、はたまた洋服を着ることだって、なりたい自分に近づくことなんだけど、生まれてきた性を本来の性に近づけていることを、同じように考えることは難しいのかな。
いちかちゃんと出会ってせっかく生き甲斐を見つけたのに、(手術もそのためだったのに)こうもうまくいかなくなっちゃうものなのかな。
後半、どんどん転がり落ちていくストーリーは、ほら凪沙さん、こんなに可哀想でしょ、って言いたいだけに見えてしまいました。
草彅さんが上手だっただけに、もうちょっと希望や気持ちが見える演出だったらよかったのにな、と思いました。
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