ライトハウスのレビュー・感想・評価
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なんだこれとはなったけど嫌いじゃない
観終わった後は何とも言えない不気味さとデフォとパディンソンの演技力すごすぎということしかなかったけど、解説とか読んでみたらものすごい話だった😳
諸説あるみたいやけど、プロテウスとプロメテウスの話で、灯台が火🔥の象徴みたいな。
後、灯台守の1人が死んで嵐の中死体と共に過ごした男の実話ともかけてるらしい。
モノクロ映画で、正方形に近い画面ってのも雰囲気あってカッコいい😎
ん、でも2人の灯台守と嵐と人魚ってなんか観たことあるような、、、🎬コールドスキン!
全然違う映画やけど、設定めちゃ似てるやん🤣
あの北欧の童話はキャラクターの可愛さばかりが強調されるが、実はダークファンタジーだ
あの北欧の童話の一巻を大いにリスペクトしていると僕は感じた。孤島 灯台守 怪物 バラバラな人格 完全にリスペクトしている。ディストピアなファンタジーだ。あの北欧の童話はキャラクターの可愛さばかりが強調されるが、実はダークファンタジーだと知るべきだ。『洪水』『彗星』『冬』そして『孤島の灯台守』
ギリシャ・トキシック・マスキュリニティ
ギリシャ神話ベース。
非常にうまい。プロメテウスが火を盗み、怒ったゼウスが罰として生きたまま鳥に臓物を食わせる話を灯台守に置き換え、トキシックマスキュリニティを交えながら40年代映画のようなざらついたモノクロで表す。
片目のカモメが元相棒かつ悪い前兆だったり、ハワードフィリップスラヴクラフトのクトゥルフのようなキモさ、酒が絡むことによる現実との境界線など見どころがたくさん。特に2人の喜怒哀楽の演技は最高。
本作で灯台はペニスのメタファーであるが、灯台にペンキを塗らせて(奉仕させて)落っこちて顔射させるシーンでめっちゃ笑った
悪夢の灯りが人の狂気をさらけ出す…
1890年代、米ニューイングランドの灯台が立つ小さな孤島。
そこに灯台守としてやって来たベテランの男と新人の男。
邦画だったら人情と漢涙の作品になりそうだが、
気鋭のA24スタジオ製作、『ウィッチ』で高い評価を得たロバート・エガース監督、ウィレム・デフォーとロバート・パティンソン激突。
感動作になる訳がない。
見る前の印象は極限状態下の心理スリラー。開幕は往年の怪奇ホラー。そして作品は、見る者を狂気と幻想と戦慄の悪夢世界へ惑わしていく…。
絶海の孤島。島にあるのは生活の為のオンボロ小屋と灯台のみ。
そこに男二人。
相性悪く、初日から衝突。これから4週間も…。
ベテランのウェイクは威圧的な性格で、スーパーパワハラ。雑用は全て押し付け、「わしのもんだ」と灯台最上部の灯室には一歩も入れさせない。
新人のウィンスローは寡黙な性格。が、時折反抗的。沸き上がる不満や怒りを抑えつつ、真面目に黙々と雑用をこなしていたが…。
あれやこれやと口うるさくダメ出し。…いや、それならまだ優しい。
罵り。「若造」と名前ですら呼ばない。
酒飲みで、かつて海に出ていた事や海の神話を自慢気に得意先に話す。しょっちゅうこく屁もイラッ!
掃除なども自分が納得するまで何度でもなり直しさせる。
口答えは許さない。絶対服従。
仕事ぶりの評価も日記に記され、彼の一言や気分次第で、給料や解雇すら決まる。
何故こんなクソみてぇな仕事を選んじまったのか…。
辞めたくてもここは絶海の孤島。島から出られない。
通る船は島から遠く過ぎ去っていくだけ。ボートはあってもこんなんで…。
まあ、いい。4週間。4週間我慢すれば、いい金貰って、クソみてぇな島と仕事、何よりあのクソジジイとおさらば。
だったのだが…
突然の大嵐。
それにより航路が絶たれ、島から出る事が出来なくなってしまった。
交代要員もナシ。
つまりは期間延長。嵐次第でいつ終わるか分からない。
外界とも完全遮断。食料も尽きていく。腹を満たすは、酒。その量がどんどん増えていく…。
最低最悪、地獄のような設定がさらに究極にまで整った。
ここから二人の鬼気爆発の関係が嵐の如く…。
ウィレム・デフォーvsロバート・パティンソン!
近年、これほどの狂気すら感じる演技対決を見た事がないってくらい。
その横暴さは勿論、次第に声も顔すらも見たくなくなってくるデフォーの圧巻の演技。独裁者のようでありつつ、何処か惨めで愚かな哀れ人の隠し味も滲ませる。悪役は十八番だが、それらとは全く違う、どの役よりも恐ろしかった。
対するパティンソンも素晴らしい。序盤の抑えた演技、徐々に徐々に込み上げてくる怒りと反抗心、そして遂にの感情爆発。様々な感情を入り乱れる難役を見事に演じ切った。特に中盤からのラストにかけてまでの彼の変わりようは凄まじく、終始圧倒。新コウモリヒーローに抜擢されたが、そのヴィランでもイケそう。
いきなり気まずい初日の夜食の席。
衝突。途切れる事ないピリピリムード。
罵り合い、怒鳴り合い。
正気と狂気。その狭間に蝕まれていく…。
キャストも全編通してほぼ二人のみ。二人のキャリア最高と言って過言でもない渾身の演技は必見!
往年の名作のような画面サイズ、モノクロ映像。
このモノクロ映像がとにかく、恐ろしく、感嘆するほど美しい。
往年の名作怪奇ホラーを彷彿させる雰囲気に開幕から魅了された。
見る者はさらに混沌の中へ。
神話や古典の引用。
ウェイクが何度も警告するカモメの存在。
島に着いた時から鳴り響く灯台の音、不穏な音楽…耳を塞ぎたくなるような不協和音。
そして我々を悪夢の世界へ誘うものとして鮮烈に印象残すのは、ウィンスローが夢や幻想で見る人魚や異形のモンスター。
これら現実と幻想の境界線の象徴か、己の内に潜めた“何か”か。
全てに於いて、ロバート・エガースの才気が炸裂する。
人は何処まで狂気の中に堕ちていくのか。
支配する者とされる者。
が、ある時を境に立場が逆転。
ウィンスローの過去。素性。そして本性…。
ウェイクが性悪なら、ウィンスローは病悪。
大酒飲み。性格も豹変。
凶暴になり、罵倒罵倒罵倒!罵倒し尽くす。
そんな彼が抱える過去に犯した罪…。
一度解き放たれた本性は、もう逃げも隠れもしない。
惨めさも哀れさも恐ろしさも全てさらけ出す。
もはや“倍返し”どころどはない。人が人を支配する。人はあそこまで恐ろしい姿になり得るのか。
そしてまた再び…。
その狂気を止める手立ては…?
もう一つしかない。
死を以て。
あのラストシーンは衝撃的で皮肉的でもあった。
まるで、この島が愚かな人間に罰を下したようだ。
並みのホラーなど比べ物にならない。
この恐ろしさ!
聞けば、1801年に英ウェールズで実際に起きた事件が基。
それを聞いてさらに戦慄。
久々にこんなにも嫌なものを見てしまったなぁと、しかし芸術的な作品を見たと感じさせてくれた。
ギリシャ神話知識が必要そう
主人公が狂気に取り憑かれ、意味深なカットが挟まりつつ相手を殺して最後は自分も…というわりとありがちなスリラー?ものでした
人魚=セイレーン(下半身が魚で美しい歌声を持ち男を虜にして海に引き摺り込む サイレンの語源となった)とかプロメテウス=ゼウスから火を盗み鷲に肝臓を引き摺り出される責苦を受ける 等ギリシャ神話ネタを知らないと意味がわからないと思います
自分も最後の鳥に内臓引き摺り出されてるのが暗喩になっている事は他の方のレビューで気付きました
プロメテウスの逸話は知ってたのに、老人がその話をしているセリフを聞き流してしまって自分で気付けなかったのが悔しい(笑)
他にも色々暗喩が隠されてそうで解説が欲しいです
強烈な映画体験。様々な映像が脳裏(眼裏?)から離れない。内容の解釈はその後にしましょう。
①映画の全編を流れる霧笛の響き。レイ・ブラッドリィの『霧笛』が思い出されて、そのうち海から太古の怪物が現れるのかしら、と思わされてしまった(モンスター好きの私にはそれでも良かったけど)。実際現れたのは人魚でしたが。②孤島や隔絶された場所に取り残された人間たちが幻想や狂気に囚われていく姿を描いた映画は時々あるが、今回は「灯台」を舞台としたところが新味か。『そして誰もいなくなった』(これは小説だけど)や『マタンゴ』『鳥』といった映画的記憶を呼び起こさせる。③人を殺した罪悪感に囚われ続けている男が、これまた変なおっさんと、秘密めいた灯台のある絶海の孤島みたいなところで何十日も二人だけで閉じれ込められたら、そら幻覚も見るだろうし頭もおかしくなろうというものだか、圧倒的なモノクロの映像がそれだけではないと思わせるシーンを綴っていく。映像で語り映像でイメージさせる正に映画らしい映画だ。④
見応えあり
見応えがあった。観ていて、まったくダレなかった。
登場人物は、ほとんど男2人だけ。
それでここまで見せるとは大したもんだ。
デフォーとパティンソンの演技合戦を堪能しました(とくにデフォーが素晴らしかった)。
冒頭から不穏な空気が漂う。
寒々とした孤島の風景、ブゥォーン、ブゥォーンと警笛のような、あるいは何かの叫びのような、聴く者を不安にさせる音が反復し、不吉な予感を誘う。
嵐の襲来する孤島での灯台守りという特殊な状況下、追い詰められ、スライムのように、軟体動物のように、ドロドログニャグニャに刻々と変化する男たちの心理。
ああ、凄絶哀絶なり。
途中、「何だ、けっこう相性いいじゃないか」と思ったりもしたけれど、最後はやっぱり……。
モノクロの映像、スタンダード・サイズの画面も効いている。
面白かったけど、もう1回観ようとは思いません。内容が内容なので。
上映後、一人のおばさんが、「なんのこっちゃ」とつぶやいていたことも、いちおう付け加えておきます。
見る側によって正解が異なる映画
この映画の寸評を書くのも製作者側の意図から外れるとは思ったものの、その辺りに触れた寸評が見受けられなかったので視聴から時間が開いたものの書くことにしました。
個人には心が揺さぶられる映画でした。
人が狂っている様を主人公視点で上手く表現しています。
個人的に映画を見る際に俯瞰で楽しめる方だと思っていたが主人公視点の狂気を見ているうちに自らが狂っていってるかの様に感じてしまいました。
一連の答えは映画の中では一切語られません。
エンターテイメント作品に慣れた映画ファンには意味不明に感じるだろうが、この映画を見てその様に感じる人はその感性がこの映画は合わないということでしょう。
別の映画の話になりますが某評論家の動画にて、アニメ映画版の火垂るの墓の冒頭のシーンとラストシーンは繋がっているのですが、その大事な部分を大半の方々は覚えていないといいます。だから製作者の意図とは異なる反戦映画やお涙頂戴映画という解釈を勝手にして映画を語ってしまうらしいですね。作り手の意図がエンターテイメント作品ではないとしていても勝手にエンターテイメント作品として脳内補完して誤った見解を導いている例になります。
この映画はその脳内補完すら許しません。だから合う合わないがはっきりするだろうし、映画の感じ方は人それぞれとなるのでしょうね。主人公がどこから狂っていたのかが見る人によって異なるというのがこの映画では正解だと思いますね。
あと白黒映画としているのは泥と血の判別が見る側が付けられないという意図を感じます。とにかく見る側にその判断を委ねるというスタンスは見事だと思いました。
見応えありあり
始終白黒正方形のような画角現代の映画とは思えない
今時中々できない映像体験なので映画館で見てよかったです
絵的な美しさ俳優二人の演技だけで大満足
度々このシーンの意味は?という意味深なシーンもあったので監督の解説が欲しくなりす
見返してパンフレット買いたくなりました
主人公は狂ったというより元から狂っていた様子
実際あんな状況で二人だけだったらもうちょっとうまくやるでしょうがそこにツッコむのはやめときます
不穏な怪奇な迫力
白黒の映像に、汽笛のような重く響く耳障りな音と、不穏な空気が嫌と言うほど漂っています。
規則よりも俺流のやり方を偉そうに語る粗野なベテラン老人に、肉体労働を押し付けられる新人。
不満を抱きながらも過酷な肉体労働をこなす新人ですが、それを先に言えよとか、危険過ぎるだろとか、老人からの嫌がらせのような扱いが酷いです。
しょっぱなから老人が屁をかましまくる場面も秀逸で、滑稽ながらも、この人と二人きりで4週間も生活しないといけないのか……、と嫌な気分にさせられます。
殺伐とした島で淡々と過酷な労働に従事する様も、悲哀を感じます。
この環境では、精神的に追い詰められるのも分かるような。
しかし、その過酷な労働環境に、夢か幻か分からない怪奇なものが入り混じり混沌としていき、最後まで観て、正直、どこまでが幻でどこまでが現実か、よく分からなくなりました。
そもそも新人が真面目に肉体労働をしていたのも妄想なのか、老人が嘘をついているのかも、よく分かりませんでした。
ラストシーンも、何故そうなるのか、これは現実なのか?呪いなのか?と。
老人は死神のような存在で、罪人を連れてきてこき使う罰の場なのか?もしかして新人はこの状況をループしているのか?とか想像しましたが。
神話がモチーフになっている部分があるようで、そういうところに詳しかったらもっと面白かったのかもと思います。
よく分からないながらも、二人の説得力のある演技や、不気味さを増す映像など、不穏な怪奇な迫力は楽しめました。
ウィレム・デフォーの下卑た威圧感は貫禄があり、ロバート・パティンソンの不服を堪える繊細な演技から怒りや混乱の激しい演技と変貌ぶりも見応えがありました。
クライマックスの灯りを見る場面も、正直何が起こっているのかはよく分かりませんでしたが、人知を超えたものに触れてしまったような、奇妙な表情や映像が異様な迫力でした。
ちなみに、この作品は以前から気にはなっていましたが、白黒映画で限定空間の二人芝居らしいということで、眠くなるかもしれないし劇場で観るのはやめとこうかなと思っていました。
しかし、好きな漫画家の伊藤潤二がパンフレットにあらすじ漫画を描いていると知り、パンプレットが欲しくて観に行ったものです。
異様な雰囲気で眠気には襲われず、無事に最後まで観ることができました。
パンフレットについては、7/15に大阪なんばのTOHOシネマズなんば別館で観ましたが、パンフレットは完売で買えませんでした。
が、梅田の大阪ステーションシティシネマの方にないかと思い行ってみたら、まだ販売していたので、買うことができました。
時々ツボにはまるセリフがありました(見てもいいかも 決してホラーではない)
ホラーが好きなので、公開前から注目していて、見に行きました。
結論から言うとホラーではないですが、ギリシャ神話など好きな領域のレファレンスがちりばめられていて、楽しめました。
気になったこと
1.音響調整(ぶつけてくるような音が続いてしんどい 特に霧笛)・・映画そのもの
2.結構「密」 私の座ってた一列全部が人で埋まっていた・・映画館
3.ウェイクがついたウソ(ケガの?)の意味が不明、というより、ウィンズローのウソと天秤にかけて釣り合わない。二人はこの点でお互いを嘘つき呼ばわtおりしていたように思った。
「他人の生死に関わる秘密」こそが、二人がヤるかヤられるかに落ちていった理由ではないか。言い合いは派手だが、そこがなんだか分かりにくかった。・・映画の内容
面白かったこと、良かったところ
1.ツボにはまったセリフは、ウェイクの作ってくれる料理が「馬のクソ同然でまずい」とけなした時のウェイクの反論内容が洒落ていたのと、「分かった。。。あんたの料理が好きだよ」と答えたウィンズローの演技が良くて、ちょっと笑いが止まらなかったです。
2.人魚(ここだけカラー)の表情。もっとニヤリとしていても良かった。
3.とうだいに立てこもると男性はおかしくなる、ろくな事がないということが分かった。
素晴らしい
1800年代の実話をもとにしたサイコロジカルホラー。
殺風景な小さな島で灯台守の仕事をする男二人。
今とは違い他の人間と連絡を取る手段が存在せず、外界の情報を得る手段もない、ゲームなどの娯楽もない。
陰鬱な深い霧の中、不気味な霧笛の音が繰り返し流れる。徐々に狂っていく男。
この映画の舞台である1800年代であれば、灯台守に限らず人里離れた場所の仕事には似たような状況はあっただろう。
置かれた環境によって暗闇の世界に引きずり込まれ病んでしまう状況を、古い時代の描写とモノクロ画面によって効果的に表現している。
あらゆる場所がネットワークでつながり夜も光であふれる現代でも、同じように闇に落ちて病んでいる人はいるが想像するのは難しい。
この映画によって、今もどこかで誰かが苦しんでいるであろう暗闇の世界に入り込んだような気分になった。
人の心
「すごい話やなあ」が、率直な感想だ。
灯台の機械の音が冒頭からの不吉で不穏な雰囲気を盛り上げる。気の合わない二人、いかにも悪酔いしそうな安そうな酒、不味そうな料理。人を恐れない不吉な海鳥は、ヒッチコックの「鳥」を思い出させる。
「灯室はおれのものだ」という台詞が呪詛のようだった。最後の場面で、生きながら海鳥に腹を食われているのに、恍惚の表情を浮かべていたのも、忘れられない。この映画がカラーだったら、正視できなかっただろう。
人は、狭いところに閉じ込められると、気が狂うのだろうか。確か、東野圭吾の作品にも、変な気持ちになる灯台守の話があった。
実話から着想を得て作られた作品らしいが、海の安全を守るための仕事に就く人が、自分の心と体を犠牲にしていたとしたら、残酷すぎる。
灯台も海鳥も、明るく可愛らしいイメージで、イラストにもよく描かれるのに、すっかり印象が変わってしまった。見てよかったのか…💧⁉︎
いろんな事を連想させながらも煙に巻く、モノクロの映像が濃霧の様にまとわりつく作品です。
ポスタービジュアルで俄然興味が沸いた作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと…すんごく変。
いや〜久々に観たな〜頭がおかしい感じの作品w
でも、物凄く後味の残る様に余韻があるんですよね。
モノクロのポスタービジュアルから昨年公開された「異端の鳥」や「サタンタンゴ」を連想させ、どんな変な感じかにワクワクw
「ウィッチ」のロバート・エガース監督に「TENET」のロバート・パティンソンと「スパイダーマン」のグリーン・ゴブリン役のウィレム・デフォー。
この二人が実話をベースにした外界と遮断された孤島の灯台守を舞台とするある意味密室劇的なストーリーにモノクロの映像。
制作会社は「攻める」事で目が離せない「A24」で日本の配給担当は良い意味で節操のない感じのトランスフォーマーw
鑑賞した有楽町の「TOHOシネマズ シャンテ」は満員。
シャンテって、なんとなくシャレオツで芸術的なイメージがある劇場なんですが、ラインナップはこういうちょっと変な作品を上映するんですよね。「異端の鳥」もシャンテで観たしw
もうこれだけで怪しい感じがプンプンw 舞台が整って、役者が揃ったって感じがしますw
4週間に渡って、灯台と孤島の管理を任された2人。
ベテラン灯台守で傲慢なトーマス・ウェイクと無口な新人灯台守のイーフレム・ウィンズロウ。
最初からお互いに反りが合わず、細かな衝突を繰り返し、徐々に関係も悪化していく。
そんな中、大嵐のせいで2人は島で孤立状態になってしまい、島を取り巻く環境も二人の関係も不穏な空気が急速に濃くなっていく…と言うのが大まかなあらすじ。
もう、最初の所から怪しい雰囲気がプンプンw
登場人物の二人の人相も怪しければ、環境の不協和音も怪しいw
やたら鳴り響く霧笛に灯台の機械音とかもめの泣き声。
普通に静かに眠るなんて到底無理な環境。
それに重労働な仕事ばかりを押し付けてくるトーマスにコミュニケーションを取ろうとしないウィンズロウ。どう考えてもこの二人の組み合わせって無理じゃね?って感じで明かに配置ミスw
同じ灯台守をテーマにした作品「喜びも悲しみも幾歳月」みたいにはならんわなw
とにかく話が進むにつれ、全体的に暗く重く、不快な違和感と嫌悪感が漂っていくんですが、途中からそれが真実なのか、幻想なのかが分からなくなる。
この辺りは多分明らかにならないので、観る側の判断に委ねると言う事なんだろうけど、A24はこの手が好きだなあ〜と思ってしまうw
また、ギリシャ神話をプロメテウスの件を元にしているらしいんですが、こういったのもホントA24っぽい。
だけど、なんと言ってもあの、悪臭感が漂う様な二人のやり取りの真実が何処にあるかがキモだと思うんですよね。
劇中のセリフでも幻想や空想の中の様なのが多分にあって、観る側は疑心暗鬼に陥ってしまう。
いろんな考察・解釈がされるけど、ウィンズロウが「本当の名前はトーマス・ハワードで、本物のウィンズロウは既に不慮の事故で亡くなっている」と打ち明けるシーンがあったけど、あれが本当にキモ。
本当にトーマスはトーマスなんだろうか? ウィンズロウはウィンズロウなのか?
もしくはウィンズロウがトーマスでトーマスがウィンズロウ?
でも、これに必要以上に食いついてしまうと振り回されてしまう。
他にも様々な幻想や衒学的な映像描写もあり、モノクロの映像が怪しさを醸し出しながら、朝なのか夜なのか? 朝焼けなのか夕暮れなのかが分からなくなり、観る側に芸術性を醸し出しながらも何処か彼岸の地へいつの間にか誘われた様な錯覚を出させる。
この辺りの真実は濃霧の様にまとわりついて、奥深く隠された感じ。
この作品の面白いところは、そんな妖しくも幻想的でありながら、二人が酒を飲むと途端にバカになる所。そのバカさ加減は酔っ払いの極み。
本当は酒でなく、何か薬をやっているのでは?と思ってしまうぐらいのドランカーならぬジャンキー状態w
この酔っ払ったシーンで「サタンタンゴ」の酔っ払ってパンを頭の上に乗っけるシーンを思い出しましたw
作品的には幻想かつ文学的でやたらめったらと小難しくした感じがしますが、この作品をやたらと気持ち悪く感じる事も、全てを意味あり気に落としこむ事も何処か製作サイドの暗黒面に落とされた感じがしますw
ただ、様々な所でヒントと言うか、伏線的な描写が散りばめられていて、意味ありげな感じで実は超重要だったり。
でも、全てを目を凝らして意味を見出そうとするととても疲れる。
この辺りもサタンタンゴで評論家が「超長いけど無駄なシーンは1秒もない」的な事を言ってたりしてますが、個人的にはとてもそう思えない。
7時間18分の作品に1つも無駄が無いと言うのは明らかに製作サイドの暗黒面に取り込まれてますわw
話がサタンタンゴにソレましたがw、この作品もセリフと描写的にリンクしながらも少しだけ手招きするのが上手いんですよね。
また様々な部分でモノクロ映像の良さをふんだんかつ、うまく使われており、また情緒不安定感を醸し出している。
クライマックスの狂乱からラストの後味の悪さも素敵w
劇中でトーマスが「謎めいて見えるように無口を貫いているが、お前に謎なんてない」と言うセリフはこの作品の本質を突きながら、観る側を巧みにスカす様にも感じます。
文学的に語れそうでそうではない。
また、スリラーとカテゴリーされてますが、一概にスリラーとも言い難い。
いろんな事で観る側を煙に巻く感じで、ここまで考察と後味が残って、気持ち悪さが残るのも珍しい作品。
ロバート・パティンソンは2021年公開のDCコミックスの新作「ザ・バットマン」のブルース・ウェインが決定しているとか。
間接的にDCコミックス=バットマンとマーベルコミック=スパイダーマンがリンクしているのも面白い。
面白い・面白くないで言えば、多分に面白くない寄りw
観る人を選ぶ作品ですが観た後に語れる作品。
とにもかくにも観ない事に分からない怪しさを秘めている作品で変な作品好きでグロいのにも大丈夫な方にはよろしければ是非是非な作品ですw
古風な怪談×プロメテウス神話×ハロルド・ピンター風味。シネフィル垂涎の密室劇。
とある密室状況下で、男と男が究極の精神的闘争を繰り広げる。
この手の「アンチ・バディもの」の対決映画は、原初のマッシヴな獣性の激突と、闘争のなかで生まれる奇妙な連帯に、いかに同性愛的なスメルを漂わせるかが、シェフの腕の見せ所となる。
『太平洋の地獄』の三船敏郎とリー・マーヴィン(孤島の密室)。
『北国の帝王』のアーネスト・ボーグナインとリー・マーヴィン(走行列車の密室)。
『さらば友よ』のアラン・ドロンとチャールズ・ブロンソン(金庫室の密室)。
『あしたのジョー』の矢吹ジョーと力石徹(リングの密室)。
でも、この映画の予告編を観て、最初にぱっと僕の脳裏をよぎったのは、実は『探偵スルース』(72)だった。
同じく閉鎖空間を舞台に、年長者の作家ローレンス・オリヴィエが若い美容師のマイケル・ケインをいびり倒していくうちに、驚くべき展開が待ち受けるという、僕の大好きな映画だ。
そうして、いざ『ライトハウス』を劇場で観て思ったのは、むしろこちらはリメイク版の『スルース』(07)――ジュード・ロウがハロルド・ピンターに脚本を書かせ、ケネス・ブラナーに撮らせたバージョンのほうと、「男と男」の絡ませ方が実によく似ているということだ。ピンターは、異性愛者どうし(老作家と間男は同じ女をめぐって争っている)が、「男×男」の闘争を繰り広げる延長上で、いつしかインティメットな「ぬめり」を生じていく過程を生々しく強調することで、旧作を別物へと変容させた(『探偵スルース』を愛する僕にとっては、まあまあ許せないリメイクだった)。
で、家で今回買ったパンフを開けて読んでみたら、なんと監督のロバート・エガース本人が「二人のセリフのやりとりはピンターからインスパイアされています」と述べ、『ミッドサマー』の監督アリ・アスターも対談の出だしで、「『ライトハウス』は僕が大好きなハロルド・ピンターの作品を想起させたんだ」とか言っているではないか(笑)。やっぱり!
本作がハーマン・メルヴィルの長編『白鯨』から、ごった煮的な語り口から、エイハブ船長を模したデフォーの外見に至るまで、多大な影響を受けているのは、監督自身も言及している通りだが、「同性愛的な仄めかし」という意味では、同じメルヴィルの中編『ビリー・バッド』も霊感源のひとつに挙げられるだろう。
『ビリー・バッド』は、誰からも愛される天使のような水夫ビリーが、老水夫の計略で人を殺め、ついには処刑されるまでを描いた作品で、背後には密室状況下で募る同性愛的欲求と、それを認めようとしないがゆえの反動的憎悪の存在が秘められている(とくに同性愛者であったブリテンによるオペラ版ではその仄めかしが色濃い)。
本作でも、アレの形をした灯台という、自ら慰めるしか性的に達する手段のない鬱屈した閉鎖空間で、彼らはただふたりきり存在する人間どうしとして、愛着と憎しみの両極を激しく行き来する(デフォーはパティンソンについて「きれいな顔」とはっきり述べる)。やがて起きる悲劇もまた、『ビリー・バッド』をなぞるかのようだ。
※ ※ ※
物語としての『ライトハウス』が、どういうジャンルの作品かと問われれば、やはり僕は古式ゆかしい「海洋怪談」の系譜に属する「怪奇映画」だ、と答えるだろう。
本作の構造は、監督と弟が少年時代に心をふるわせた古典的怪奇小説を「ベース」に、メルヴィル調に幾層にも表象的な階層を上塗りして、宗教的隠喩(黙示録)、神話的隠喩(プロメテウス)をこめたうえで、モダン・ホラー的な要素や、ニューロティックな要素(エディプス・コンプレックスを含むフロイト的解釈)を加味し、最後に「腐レイバー」をひとふりしたものである。
影響源としての恐怖小説も、ひとつではなさそうだ。
まずは遺作として未完の「灯台」を遺したエドガー・アラン・ポー。「目」への執着や生き埋めテーマ、何よりアルコールや薬物による意識の混濁や混乱が物語と深く結びついている点は、ポーを想起させる。
それから、海洋奇譚を得意としたウィリアム・ホープ・ホジスン。目撃したこと以上に、闇のなかで五感がとらえる「臭い」や「音」、「肌ざわり」が登場人物の恐怖を増幅させていく描写は、実にホジスンっぽい。
人魚やクラーケンといった深海から来る怪異を、深層心理と結び付けて登場させている点では、ラヴクラフトからの影響も顕著だ。実際、監督はデフォーに「セイレム」の地名を口にさせていて、クトゥルフとの連関を容易に想像させる。
今起こっている怪異の背後に、黒々とした神話的恐怖が眠っているという意味では、アーサー・マッケンの作品群(『パンの大神』)なども念頭に置いているだろう。
しかし、実際に観て一番強く感じたのは、アルジャーノン・ブラックウッドとの親和性だ。ブラックウッドの怪異譚の真骨頂は、「旅先で見知らぬ宿に泊まることになった男が、ちょっとした予兆や闇のなかで鳴る音、側聞した噂などから、しだいに妄想を逞しくし、疑心暗鬼のなかで怪異の存在を確信するに至り、“その結果として実際に”怪異が立ち現れる」というメカニズムだ。個人のなかで生まれた疑念や恐怖が凝り固まって、現実世界にはみ出て侵食し、ひいては現実自体を歪めてしまう恐ろしさ。『ライトハウス』で描かれる恐怖もまた、まさに同質のものではないか。
こういった、古典怪奇小説の枠組みのなかに、海鳥への恐怖(デュ・モーリアの「鳥」およびヒッチコックの同題作)や「だんだんくるっていく描写」&「管理人と斧」の恐怖(『シャイニング』)、死んだはずの人間の復活(『悪魔のような女』『危険な情事』)といった諸々の要素が継ぎ足されて、怖さにニューロティックなモダンさが加わっている。
さらに、徹底してバーナード・ハーマン調の不安な音響とノイズの効果的利用によって、本作が「音のホラー」として企図されている点も強調しておきたい。
※ ※ ※
一方、映画としての『ライトハウス』の中核にあるのは、シネフィル的なレファレンスの集積としてのマニア性だ。
(アスペクト比の選択も含めて)監督本人が強く主張している1920年代無声映画からの影響(ムルナウ、エプシュタインetc.)や、彼が私淑するベルイマンからの影響のみならず、全編にわたって作り手のシネフィルぶりは炸裂している。
たとえばオープニングのだんだん船が浮かび上がってくる描写はヴィスコンティの『ベニスに死す』を想起させるし、そのあとに続く崖下から二人を仰ぎ見るカットや、灯台から若者がぶら下がるシーンは、まるでオーソン・ウェルズの『オセロ』のようだ。突然挿入される目のアップや螺旋階段のカットは、ロバート・シオドマク『らせん階段』(45)からのいただきだろう。それから、もちろんヒッチコックの『鳥』。ロバート・パティンソンが観る性的イメージの集積は、おそらくデレク・ジャーマンに由来する。他にも、僕の知らない古典的名画からの引用・レファレンスは山ほど隠れているにちがいない。
あえてモノクロームを採用したうえで、徹底したオッサン&身体欠損&汚物&哄笑&飲酒&暴力&グロテスク描写を示すという意味では、アレクセイ・ゲルマンの『神々のたそがれ』(2013)の存在も、きっと監督の頭の片隅にあったことだろう。考えてみると、本作『ライトハウス』と似たような時期に、同じく『神々のたそがれ』と近接した中世趣味と露悪性をもつ『異端の鳥』(2019、バーツラフ・マルホウル)がモノクロ&35㎜フィルムで作られ、ほぼ似たり寄ったりの汚物まみれの貯水槽(穴倉)を作中に登場させ、生き埋め、鳥、目つぶしといった要素をお互い被らせているのは、大変興味深いシンクロニシティだ。
絵画作品からの引用・影響も枚挙にいとまがない。
パンフレットでは、ゴッホやデューラー、ジョン・マーティン、サシャ・スナイダーなどの名前があがっているが、そもそも室内のシーンでは、レンブラントやカラヴァッジョ、リベーラ、ラトゥールなどのバロック絵画の明暗法(キアロスクーロ)がそのまま援用されている。とくに、ウィレム・デフォーの描写には、リベーラの聖人画を強く想起させるところがある。
一方、うねり狂う海の描写は、ジェリコーの描く荒波のようにロマン主義的であり、人魚の出し方などは実に象徴主義的である。飲み食いのシーンの汚さはヤン・ステーンあたりのフランドル絵画を思わせる。
ここで重要なのは実のところ、ロバート・エガース監督が「何を引用したか」ではない。
何を引用するにしても、シネフィルとして恬として恥じるところのない、衒いのない、その「姿勢」である。
これはエガースに限らず、A24のプロデュースのもと世に出る若手監督たちの多くに共通することだが、彼らは、自身がシネフィルであることや、既存の敬愛する作品から受けた影響を作品に反映させることについて、あまり含羞やうしろめたさを感じていないように見える。
これは、同様に生粋のシネフィルであっても、常に斜に構えて、露悪的&偽悪的にふるまっていた(ふるまわざるをえなかった)クエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲス、ピーター・ジャクスンあたりの世代から見れば、明らかに隔世の感がある。
彼らにとって、シネフィルであることは誇りであり、映画史的知識と影響の集積体として映画製作を行なうことに、一切のためらいはないのだ。
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そうして出来上がった『ライトハウス』は、「閉じ込められた空間内で起きる男と男の闘争」という大枠のなかで表現可能な、様々な物語の「諸層」を同時に担っている。
海洋怪談としてみれば、これは、水夫の魂である海鳥を叩き殺した若者にふりかかる呪いの物語である。だからこそ、ラストシーンで彼の死骸は鳥たちについばまれ、食われるという形で復讐される(まさに「かもめは死せる水夫の魂」というのは、ダミアがうたうシャンソンそのままですね)。
人間の普遍的ドラマとしてみれば、これは、暴君でありながら冷静に若者を観察し、「秘密はもらすな。興味がない」と言い放つ「強い」老人と、抱えている秘密を吐露することで安心を得ようとする「弱い」若者の、避け得なかった軋轢の物語である。老人は食事をけなされて激昂し、若者は老人が自分を無能であるかのように日誌につけていたことを知って激昂する。信頼と裏切りの交錯と連鎖が、やがては取り返しのつかない狂気の暴走へとつながってゆく。
フロイト的な側面を強調すれば、これはエディプス・コンプレックスにまつわる「父親殺し」の物語だ。
ブロマンス面を深掘りすれば、ご神体形の塔にとらわれた二人が、人魚の幻想でしごいたり、光の福音のなかで果てたりしながら、お互いむらむらを抑えきれず、若者は老人の寝姿を「窃視」し、老人は若者にむりやり食器や器具や塔をこすこす磨かせ、代替行為にふけったあげく、白ペンキを顔に勢いよくぶっかけるような話である。
宗教的隠喩からたどれば、神に至る「鍵」(聖ペテロ!)を奪い取って、神の御正躰をその目で観てしまった人間が、めしいたうえに命まで落としてしまう話でもあるし、神話のまねびだとすれば、旧き海神に仕える老いた神を倒して「火」を手に入れたプロメテウスが、神話にあるとおり、罰として鳥に食われてしまう話だともいえる。
監督のちりばめた引用や影響関係をあれやこれやと考え、物語の重層性を考察したうえで監督の意図にそって読み解くことを好むタイプの人間にとっては、正直こんなに面白い映画はない。
一方で、スタイルよりも骨太のナラティヴを映画に求める人にとっては、若干退屈な映画でさえあるのかもしれない。
個人的には、パティンソンが次第にくるってゆく過程のあたりが、少し通り一遍というか、陳腐に思えてしまうのが、映画としては最大の弱点ではないかとも思っているが、それを補って余りあるデフォーとパティンソンの大熱演が、中盤に若干漂う安易さを忘れさせてくれる。
少なくとも、僕にとっては、大変楽しく観られる作品でした。
会場は市松でほぼ満員。若い世代が大半を占めている、素晴らしいことだ。
眠くなる
登場人物が二人ともクズみたいなのはよかったのだけど、長く感じて眠くなる。カモメに発狂して振り回しているところが面白い。燃料を酒の代わりに飲んでいたけど失明しないか心配だ。
めちゃくちゃ不快だけどすごく好き
孤島で灯台守をする男2人が嵐の影響で取り残され、灯台の灯りを巡って徐々におかしくなっていく話。
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初日から屁を垂れ流して、酒を飲み明かし、雑用は全て押し付ける小汚いおっさんと孤島で2人きりと言うだけで充分気が狂う。それに加えて白黒に普通より狭い画面の比率なので、結構しんどい。
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でも、酔っ払って仲良く一緒に歌い出したかと思えば、急に寄り添って踊り出したり、急に殴り合い始めたりする男2人はかなり滑稽で笑える。
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ウィレム・デフォー演じる男がロバート・パティンソン演じる若い男を理不尽にこき使っているように見えるけど、若い男って本当にちゃんと仕事してるかは疑問ではある。石炭を運ぶ様子はあっても掃除ってウィレム・デフォーがいるところ以外でやってる描写あんまりなかった気がする。
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今作を見て大学の時の聖書とギリシア神話の授業をちゃんと聞いてなかったことへの何千回目の後悔をしたけれど、全く意味わからなくて不快でも何故か食い入るように見てしまう映画だった。
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A24だからといって全て面白いわけではない。
灯室には一体何があるか?の1点だけで延々と不快、不潔、不衛生で気分が悪くなる映像を見せ引っ張っただけの映画。
結果何もなく、ただ閉鎖された状況下で2人の男の精神が病んで行く様を見せられただけ。
その様子を丁寧に描いたと言えばそうかもしれないが、途中のイベントも一切なく間延び感は否めず、短編で十分だったのではないかと思う。
午前中に観たが、気持ちが悪くなったので昼食を取る事が出来なかった。
映画の評価とは関係ないが、シャンテでの鑑賞だったが、この時分平気で満席にしソーシャルディスタンス意識ゼロだったことについては残念に思う。
【絶海孤島の灯台守二人に起こった出来事。不穏感極まりない、狂気漂う世界観に引き込まれる作品。神の怒りに触れた、二人の灯台守の姿を描いた、極北のモノクローム映画でもある。】
- 古来、長き孤独感故に、灯台守は精神を病む者が多かった・・。
テロップで流れるが、19世紀初頭に南ウエールズで実際に起こった事件に触発され、制作された作品。-
◼️感想
・老人の灯台守(ウィレム・デフォー)と、若き灯台守(ロバート・パティンソン)の関係性の描き方、及び二人の狂気溢れる演技が、凄い。
老人は、若き灯台守を、激しく叱りつけたり、酒を呑んだくれてグダグダになったり・・。
ー ウィリム・デフォーの”凄さ全開シーン”が、数々描かれる・・。ー
・徐々に狂気に囚われていく、二人の灯台守のカッと見開いた、黒目と白目の凄さをモノクロームフィルムが、映し出す。
・劇中、流れ続ける、内燃機関や、猛る海の叫びのような不穏な音が、作品の世界観を盛り上げる。
・人魚との夢想の中での行い・・。殺してはいけない海鳥を殺める・・。
ー 次々に禁忌を犯す、若き灯台守の姿。ー
・その報いのように、露になる二人の真実の過去・・。
そして、二人の関係性にも、変化が生じ・・。
<老人の灯台守が魅入られていた、灯台の灯り・・・。
そして、若き灯台守は灯台の灯りの中に、何を観たのか?
独特な世界観と共に、モノクロ映画の魅力も十二分な作品である。>
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