「ビジネス、エンタメとは無縁。こういう監督は重要。」ライトハウス masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)
ビジネス、エンタメとは無縁。こういう監督は重要。
エガースは前作The VVitchもそうだけど、最恐の怪異は人間の心の中から産まれて来るという立ち位置で話を組み立ている。その怪異が産まれる瞬間が人間の心が歪んだ瞬間で、そこに至る状況、経緯に彼の興味がある。
だから怪異は存在するのかしないのか、ハッキリしない。
今作は観る人にも閉塞感を与えるため画面が正方形で小さく一時期日本での上映は不可能といわれていたが、見れてよかった。しかも汚い酔っ払いの与太話と喧嘩をずっと小さな画面で見続けるのはつらいし途中退席者も多い。
元々セットデザイナー出身の監督だから絵は最高だ。
その絵や台詞の出典、神話や伝説を知っているといないとでは話の理解が全く異なる、そういう意味で見る人を選ぶ。その手の知識がある人には重層的に面白い。
ちゃんとテーマもストーリーもあるよ。
ラストは神話の知識がないとチンプンだろう。
ギリシャの監督、ヨルゴスの「聖なる鹿殺し」思い出したわ。
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