花束みたいな恋をしたのレビュー・感想・評価
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花束みたいな恋の描写が尊い
菅田将暉さんと有村架純さんが演じる、出会いから恋人との一番楽しい時期の描写がとても自然で可愛らしく「あぁ恋愛っていいなぁ。すごく楽しくて大事な時間が重なっていくんだよなぁ。」と、自分の過去の恋愛の思い出に浸りながら観ていました。
物語の展開に意外性はなく、というかもう予告から結末は分かっているしそのキッカケも想像通り。本作は物語というよりも、一組の普通の恋人たちの花束のような恋の始まりから終わりまでの日記のような日々の描写を愛でる作品だと思います。
一つ一つのやり取りにリアリティがあり、幸せなときめき、恋の楽しさやドキドキ、そしてイライラやもどかしさが伝わってきます。中でも、嘘みたいに共通点が多く恋が始まる予感しかない麦くんとの出会いの一夜のあと、朝帰りして実家に帰った絹ちゃんが母親の小言に耳を塞ぎ「まだこの気持ちを上書きしないで」と、余韻に浸る姿が大袈裟過ぎず、でも物凄くドキドキした恋の始まりの表現にぴったりで、とても共感しました。
終始とても丁寧でナチュラルな描き方で、それぞれの心理描写も分かり易く、ほっこりしながら観ることができました。
恋はナマモノ、賞味期限があるからこそ…
2015年から2020年までの時代背景とともに、ある男女の恋の始まりから終わりまでをリアルに描いた作品。
他人の恋愛事情を見ることによって、客観的に自分の恋愛経験も見つめることになる。わかりみが深いとはまさにこのこと。
ずっと同じ人を好きでいることはほぼ不可能である。
恋の賞味期限はよくもって三年と言われていて、そもそも恋とは脳の快楽ホルモンによっておこるものであることも科学的に証明されているのだ。
恋のいざこざも男と女の脳の構造のすれ違いによって起きる。
また男の愛情は責任であり、女は共感やダイレクトな愛情を求めるということが、本作からも感じられる。
花束って特別なもので、そこにあるだけで日常が彩り華やぐ。そして恋は花束のようなものでいつか、枯れてしまうのだが、たとえ枯れたとしてもドライフラワーのように楽しむことはできる。それが例えるのなら“結婚”ではないのかなと。(経験者から見て)
とはいえ、やはりドライフラワーより、生花、瑞々しいフレッシュな花束の方が良かったりして(だから不倫って古今東西なくならないんです)。
恋愛は儚くもあり人生をより豊かにしてくれるエッセンス。恋せよ若者、夢みよ若者、そんなメッセージ性を感じた。
カラオケっぽくみえないカラオケ、あの“蜜”が今は懐かしくもあり、そして、渋谷パルコが閉店したり、スマスマが最終回を迎えたり、パズドラにはまったり、前田裕二の『人生の勝算』、Air Podsじゃないイヤホン、この5年間の時代の象徴といったものを加えての描き方も好きだ。
部屋のインテリアも、絵も、色調も全て私好み。
不満な点を挙げるとすれば、エンディングで、オーサムシティクラブの『勿忘』が流れるとばかり思っていたから、そこが残念。聴きたかったな。
始まりはいつも終わりの始まり
菅田将暉扮する山音麦は、終電を逃した事をきっかけに有村架純扮する八谷絹と出会った。価値観が似ていた事からふたりは付き合い始めた。「始まりはいつも終わりの始まり」と言う詩も紹介されていたが、昔から同棲と言う言葉はあったけど、いかにも安易な今どきの同棲は昔とは違う様な気がする。
麦曰く、生活する事は責任だ!と言うセリフがあったし、麦は結婚を望んだりもした。身近な私生活においても同棲から結婚に踏み出すタイミングで相談を受けたり女性の両親に挨拶に行くのに悩み始めた男性の話を聞いた事があるが、私に言わせると麦の場合は就職が決まった段階で何とか結婚に踏み切るべきだったよね。同棲と結婚の考え方が男女で違っても、一生を添い遂げる覚悟を決めてプロポーズするのは男性であるべきと思う。甘い恋愛も生活が入ってくると、現実にさいなまれる事が出て来るから何とかふたりで乗り切る努力が出来るのは結婚して子孫を作ると言う意識から始まると思う。菅田将暉と有村架純は悪くなかったけど、この映画の展開では単なるその辺にありがちな話になってしまったんじゃないかな。
ところで、映画前半の最寄り駅は京王線名大前駅であった事からすると、麦は明大生かと言う感じで、綺麗になった名大前駅とともに我が青春時代をも懐かしく思えたのは良かったね。
恋と愛の違い!?
学生時代の毎日がときめきの楽しい恋。
でも、そこへ責任がのしかかってくると、人は変わらずにはいられない。
それは成長であって悪い事では無い。
付き合いも5年目に突入すると、結婚がチラつく。
そのまま妥協で結婚する人もいるだろうけど、二人は別れた。
二人に足りなかった物はなんだろう。
相手に対する尊敬や信頼?思いやり!?
恋が愛に変わるのは気が合うだけじゃダメなのかな。
出会った年齢が若過ぎたのかな?
もしかしたら、10年後くらいにバッタリ会って、お互い訳あり独身で。
そしたら今度はうまく行くのかも!?
観終わった後も色々、空想させる物語でした。
菅田将暉さんも有村架純さんもとても自然体で良かったです。
これが恋の映画か?
サブカルと恋愛対象への知識と情報を如何に多く細かく持つかにだけ腐心して、
実は対象を好きでもなければ感動もしていない二人。
恋もアートも情報ではないはず。
そうであってたまるか。
だからか、この二人を全然好きになれず、
これが恋の映画には見えなかった。
非支持。
押しボタン式の信号機
素敵な出会いをして、こんな偶然 こんな気の合うことある?🎵なーんて恋愛に夢中になって、楽しい毎日。
ずっと続いていくと思っていたけれど‥
良い恋愛ストーリー。
二十代にはめちゃささるんだろうなぁ
じんわり染みました。
「私たち」だったし、きっと「あなたたち」です
坂元裕二さんだったから観に行きました。
単純なラブストーリーなど書かないと思ったから。
ジェットコースターのような上がり下がり落ち着く、恋愛という時間。
生きていく、又は生きていかせる為にしなければいけないこと。
それでも忘れられないあの日々。
埋め合いたかった言葉たち。
学生の時に出会っていたらきっと理解出来なかった作品でした。
でももう私も学生ではなく、学生気分でいられるわけでもなく、でも学生気分のつもりでもなくて、、。
私は今の私そのものを観ているようでした。
きっと、誰もが一度は経験する道なのでしょう。
そしてその道を共に歩いた人のことは一生忘れられないのでしょう。
道を歩き続けても、違う道を歩き始めても、間違いではない。
私も、「私たちの道」を考え直したいと思いました。
ネタバレはしません。
でも、必ず観て欲しい作品です。
誰にもある大切な恋愛体験を思い出させる
終電を逃したことで出会った麦と絹。2人が付き合って別れるまでを描いたラブストーリー。
有村架純と菅田将暉が主演で坂元裕二が脚本、Awesome City Clubの音楽がフィーチャーされてるとなったら観ない要素がない。
ストーリーは意外とシンプルで、2人が出会っていろんな趣味や感性が似ていることに驚きながらも惹かれ合う序盤、卒業間近に2人で暮らし始める中盤、社会人となり徐々にすれ違っていく終盤となっている。
2人の趣味・感性にすべて共感できたわけではないが、好きなものが似ていたり共有できる素晴らしさを存分に味わせてもらった。そして後半2人が別れるまでの過程もそこらへんでありそうなエピソードに固められていた。それはありきたりということではなく、とても共感できるものということ。
ハッピーエンドではないが、バッドエンドでもない。多くの人が経験する昔の恋愛を思い出すような鑑賞体験だった。そういう意味ではとてもリアルなラブストーリーだと言える。泣いたりするほど切ないわけではないが、個人的にはすごく愛おしい作品になってしまった。
嫉妬!やっぱり坂元裕二さんだな〜
花束みたいな言葉の数々、やっぱり坂元裕二なんだよな〜。流行りものポップカルチャー引用&時事ネタ満載だけど普遍的、こんなの嫉妬する。時間経過を表すナレーションなんかは、紛れもなくぼくの大好きな坂元裕二節。リアル(ex.『ゴールデンカムイ』)実名登場の嵐がその時代を知っているものとして共感ポイント上げる。「偉い」「おかしい」「何も感じない人だよ」の差異を伴う反復に、靴などの小物使い。「さわやか」!ハンバーグ食べたい!サラッと静岡!Awesome City Clubの刷り込みがもはや癒着サブリミナル効果。それに対して『希望のかなた』は本当に良い映画。「パズドラしか!やる気しないの!」は名台詞・オブ・ザ・イヤーか。「もうなんかどうでもよくなった」という温度差。羊文学いいよね。無理なのは分かってるんだけど、僕も坂元裕二さん脚本で恋愛モノ演じたいっすね、そんな気分にもなる。
架純と将暉が恋をしたら…。あえてカリスマ性を押し殺すように平凡な菅田将暉の髪型はちょっとカツラみたい。そんな将暉が社会に飲まれる。架純も苦労する。だから、2014年のワールドカップでブラジルがドイツに7点取られたのよりはマシだって思うようにしている。主人公たちが終盤ファミレスの若者に若かりし頃の自分たちと重ねるように観客もまた自分たちの経験・体験を重ねる。けど、大学の授業サボってセックスしてる連中マジでくたばってくれ。二人ともバイトしながらダラダラ同棲とかしてみたい。そして謎にお金発生してるんかってくらいのジョナサンの主張!よーし、コロナ終わったらライブ行くぞー!!あ、下心とかじゃなくって…。にしても最後までイヤホンって物持ち良すぎる。きのこ帝国の解散、多摩川の氾濫、そしてグーグルマップ。かわいい手描きの絵のタッチとかオシャレが鼻につくのは確か(普段はこういうの大好き)。出たなリトルモア。
不思議な気持ちになった。
映画館を出て、不思議な気持ちになった。
どこかうらさびしいような、きつねにつままれたような…。
ふたりの出会いは飾りっ気なく魂が出会うようで観ていてドキドキした。
共通点の多いふたりが意気投合するだけじゃなく、相手の気持ちを細やかに慮りながら一緒になっていく描写はほんとうに美しかった。
なのに、ラストに向かってホラー化する(笑)
相手のことをどんどん受け入れられなくなっていく。
相手の変化、自分の変化も受け入れなくなっていく。
別れをごくごく簡単に選ぶ。
自分も若い頃、こんな別れがあったような気がしてきた。
軽い。別れが、耐えられないほど軽い。
傷が大きくなる前に、戻れなくなる前に別れた、というべきか。
賢い選択なのか、人間的な成長を放棄したというべきなのか。
不思議な後味はどうもそのあたりのようだ。
坂元裕二脚本。なんとなく納得した。
そんなの駅前で買えばいいじゃん
坂本裕二さんってどんな恋愛してきたんだろう。。
学生、特に大学生にほんとに刺さる映画でした。セリフ一個一個とか空気感とか、もはや共感通り越してこれ自分の話?みたいな錯覚に陥りました。
付き合いたての盛り上がりからどんどんすれ違っていくって恋愛映画は、世間に山ほどあってステレオタイプだけど、この映画が特別なのは、別れることを前提としてストーリーが展開されていくからだと思う。(あのオープニングは秀逸でした)見ている方が映画に共感して感情移入するというより、自分の過去の恋愛を客観的に見ているような感覚。だからこそ、ラストのファミレスのシーンが非常に効果的なんだと思う。麦くんが必死に独白していく姿と、後ろの初々しい男女の対比がうますぎて。涙止まらなかった。けれどこの映画は涙のまま映画館を出させることはない。余韻すらも楽しく可笑しく、微笑みで終われる、本当に花束みたいな作品。
だんだんお互いの立場が逆転していって、嫌いになったとかじゃないけど、圧倒的に価値観が合わなくなってくる。趣味や感性があっていたとしても、人生の選択によって自分の中の優先順位を恋人と揃えることは相当難しいこと。とにかく脚本がすごい。なんでこんなにわかるんだろう?って。
学生が学生のうちに見てほしい映画
PS.オダギリジョーのビジュアルとライブハウスの佇まいがめちゃめちゃ「南瓜とマヨネーズ」??となったけど、「別れて他の男探せばいいじゃん」てセリフで、あ、違うってなった。
出会いの運命は必然だが上手くいくとは限らない
この映画は観る人の性別や世代によって評価が別れそうでしょうか。一言で言えば恋愛あるあるなのですが、内容的には起伏が乏しく、ピークも無く、淡々と進行して淡々と終わった印象で40代のおっさんには微妙な作品でした。たぶん若い人が見ると心に刺さる映画なんだと思います。音楽のLRチャンネルの話とかガスタンクはちょっとツボでした。
#09 花束みたいな恋じゃなくて
普通の恋愛を花束みたいにギュッと詰め込んで描いた作品。
普通の男女が出会ってから恋に落ちるまでの過程や心の動きを女目線と男目線から描いているが、映画は尺が決まってるから、漫画や小説みたいに完全に男女別々に描けないのが辛い。
それにしても、明大前から千歳烏山までなんて、終電逃したら最初からタクシー乗れよ〜!って冒頭で突っ込んだの私だけ?
ウチのダンナも調布から新宿まで夜中に歩いた経験があるらしいから、若者あるあるな甲州街道なのでした。
新しいチキンタッタのような甘酸っぱさ
ちょっと昔「結婚って結局如何に妥協出来るか⁈なんだよね…」って言ったら若いお姉ちゃんに「そんな恋愛絶対にしたくありません(キッパリ)」言われたのを思い出した。
見本のような出逢いー恋愛ー別れ。美しすぎてニヤけてしまうけどそこが良い。
多かれ少なかれ誰も?が通過する道だと思う。
故にこの作品の美しさに感動すら覚えると。
キャストも良い。ジョーくんの胡散臭さもう少し見たい気も有ったのに…
ラス前に顔出す清原果耶の初々しさったら無いね(笑)
清々しくっておじさん眼をやられました。
愛情の愛がなくなって情が残る。って言うけど歳とってホント実感する。子供可愛いし。
これだけ運命的な繋がりがあった作中の2人はきっとまた何処かで出逢って鞘に戻るのかも…?って思わずにはいられません。
素晴らしい
二人の世界感がほんとに素晴らしくて、
演技も自然でとても引き込まれました。
たまにクスッと笑ってしまうようなところもあれば、
本当に泣けてしまうところもありとても満足出来た映画でした。
オススメです!
ファミレス最高!
2021年1月21日
映画 #花束みたいな恋をした (2020年)鑑賞
@T・ジョイ博多
#試写会
しっかりとした王道恋愛映画でした
20代後半の人達にはメチャクチャ刺さったんだろうな
#菅田将暉 と #有村架純 の2人だけの世界で話は進むけど、脚本も監督もしっかりしてるのでだれることなく最後まで楽しめました
重厚なラブストーリーに感じる余韻、ドラマのような重みが役者二人からほとばしる
上質なラブストーリーを観た気分。坂元裕二らしい重厚な世界を展開しつつ、優しく包み込むラストは心に突き刺さる。2人だけの国が、あらゆる環境によってほつれる過程と2人の答えに涙した。
退屈な日々を過ごす麦と絹は、終電を逃したことをきっかけに出会う。好きな音楽や小説が同じだったことから、ふたりは付き合い始める。美しくて眩しい2人の出会いは、自堕落な生活へと誘う。フリーターになっても、互いに想い合うように暮らしていく空間は、善人版『劇場』のよう。しかし、就活や誰かの死によって、2人の価値観が解れてゆく。同時に、時代の変化を彩るモノや出来事によって、刻々と変わる関係性に彩りを持ってゆく。そうして訪れる2人の答えと奇跡。その答えこそラブストーリーの名手である坂元裕二らしく、重厚で濃密なモノへと昇華している。また、キャストも豪華でありつつ、シーンが少ないのも面白い。ラブホに入る宇野祥平に終電を逃したOLを演じる瀧内公美。さらに、友達の一人に古川琴音といったキャスティングの妙が個人的にはグッとくる。
充実した内容とキャストだけに、もう少し大きな波があると良かったなと思う。ただ、カップルの口喧嘩に漂う緊張感など、リアルな雰囲気はさすが。主演の2人が持つ強さが光る1本。もう一度観たくなるような温かさが内在している。
追記
2021/1/31 2回目@MOVIXさいたま
学生の頃
長く付き合ってた趣味や感覚が似ている彼女と分かれ、それとはまた別の人と結婚し、子供が生まれて、そのあとも色々あって、いつのまにか大きくなった息子がその彼女と同棲しつつ就職し、仕事にもちょっと疲れ始めたオジサンにも少し沁みるストーリーだったが、ラストにほんの少し救われた気がした★
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