「強そうに見える人もほんとは打たれ弱い」弥生、三月 君を愛した30年 あおねるさんの映画レビュー(感想・評価)
強そうに見える人もほんとは打たれ弱い
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とても感動しました。
波瑠さん演じる弥生は、最初こそ何にも動じず物怖じしない強い女性に描かれていますが、家族のことだったりとても苦労していて、実は心が脆くて今にも壊れてしまいそうなギリギリを生きていたんですよね。
成田凌さん演じる山田とも学生時代から付き合いそうで付き合わない。
歳を重ねて山田と弥生は再び会うことになりますが、弥生は既に結婚していて夫に嘘をついて山田に会いにいく。その後流れで二人は一夜を共にしてしまいます。
その直後に震災が起き、弥生の夫は亡くなってしまう。弥生はあの日山田に会いに行かず傍に居てあげれば夫は死なずにすんだかもしれないと自分を責め塞ぎ込みます。介護に通う自分の父親にも、お前が若い時に俺の言うことを聞かず見合いを断り家族を見捨てて生きたからこんなことになったんだと罵られる毎日。
自分自身も歳をとり弱りきった弥生には言い返す言葉もありません。
このお話はタイトルにある通り、互いのそれぞれの自分の行いから招いた現実の傷が癒え結ばれるまでの長い年月を描いています。山田も学生時代から見栄っ張りな性格で口では大きなことを言うがロクに夢も叶えられず、元妻との間の成長した息子に会う勇気も出せずにいましたし、互いに傷つきながら歳をとって、やっとエンディングで結ばれます。
色んなことを乗り越えて二人が現実と向き合っていく姿にグッとくるものがありました。
年月はかかったけれど、とにかく二人が結ばれて良かった!
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