「デニス・ホッパーに魅入られた男がふたり」デニス・ホッパー 狂気の旅路 バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
デニス・ホッパーに魅入られた男がふたり
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監督のエベリングは、子役をやっていた頃にたまたまデニス・ホッパーと遭遇したことから、ホッパーの才能の虜になり映像作家を目指したという。
一方、本作の語り部と言うべきサティヤという男性は、映画とは関係のない暮らしを送っていたが、ホッパーのキャリアを破滅寸前に追い込んだ怪作『ラストムービー』のラフカットを見せられたことで、ホッパーが死ぬまで裏方として支え続ける親友になった人物だ。
本作は、ホッパーの人物像や功績、偉大でありつつも迷走したキャリアを振り替えるドキュメンタリーであると同時に、世代は違えどホッパーに魅入られた男ふたりが出会い、ホッパーに取り憑かれた人生を検証する心の旅路でもある。
ふたりが『ラストムービー』の撮影が行われたペルーの僻地にたどり着くクライマックスに得も言われぬ感慨と感動が湧いてきたのも、本作が天才の影に隠れた名もない人物の生き様を伝えてくれているからだろう。
あと、伝説の爆弾椅子のパフォーマンスの貴重映像は、ホッパーファンであれば必見。ホントにイカれてたんだよなあ、ホッパー。
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