劇場公開日 2020年2月28日

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「【”生涯を掛けた仕事は、必ずや報われる・・。”フィンランドの老画商が見出した画と、人生の真実を描いた作品。】」ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”生涯を掛けた仕事は、必ずや報われる・・。”フィンランドの老画商が見出した画と、人生の真実を描いた作品。】

2021年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

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◆イリヤ・レーピン 近代ロシアの偉大な画家・・。知らなかった・・。

ー 物語は、フィンランドの老画商、オラヴィが、或る画展で”男の肖像画”を見つけるところから、始まる。長年、画を見てきた彼は、その画がレーピンの作であると確信するが、画にはサインがなかった・・。 -

■感想
 ・オラヴィと、ヤンチャな孫のオットーとの関係性が描かれる前半。オットーは、”ある事をしたために”オラヴィの店番を嫌々ながらする。
  ある日、オットーは1250ユーロの画を1650ユーロで売り、オラヴィには1500ユーロで売れた・・、と嘘を付く・・。
 - このシーンが、後半の出来事を暗示している・・。-

 ・オラヴィが、”男の肖像画”を手に入れるために、金策に走り、競りで10000ユーロで手に入れるが・・。オットーの貯金、娘レアにまで借金を頼む姿。
 - 昔から、オラヴィが家庭を顧みず、画に没頭してきたため、娘との関係が悪化していた事が分かるシーン。 -

 ・腹黒い画商にヤラレタ、オラヴィは店を畳むことに・・。そこにかかって来た、”男の肖像画”の真贋査定を依頼していた美術館からの電話。
 ”聖画なので、レーピンは誇示より、謙遜を重んじ、サインしなかったものと思われます・・”

<オラヴィ亡き後、”男の肖像画”の裏に隠されていた、レアへの謝罪の手紙。
 そして、
 ”キリストの絵は、オットーに譲る・・”
 と言う言葉。
 静謐で、品のあるフィンランド映画の佳品である。>

NOBU