「それでもすばらしき世界はある。」すばらしき世界 アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
それでもすばらしき世界はある。
主演の役所広司、助演の仲野大賀、そしてその脇を固める心優しき支援者の皆さんのそれぞれの演技がどれも素晴らしい。
西川美和監督が作り出すさまざまなシーンがとても考えさせられ、そして心をうつ。
今の世は、ヤクザの世界もカタギの世界も、不条理な現実により、どんどん生きにくくなっている。
怒りを暴力でしか表現出来ない人は簡単にスポイルされるだけだ。
しかし、三上の心優しき本質をわかってきた支援者は、三上の更正を信じ、我慢すること、逃げることを教えてくれる。
幼少期に受けるべき愛情を享受出来なかった三上も必死にそれを守る。
介護施設の同僚の心ない障がい者への差別にも、笑顔で同調する姿が辛い。
後半は私も映画館のお客さんも、もう三上に辛いことが起きないでと祈るような気持ちになる。
しかし最期はコスモスの花を握りしめている手と、悲しむ心優しき支援者、そして空、タイトルバックが、。
生きにくいよ、今の世は。それでもすばらしき世界はいつかきっと訪れる。と、信じています。
コメントする