劇場公開日 2021年2月11日

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「素晴らしき世界のままで」すばらしき世界 奥嶋ひろまささんの映画レビュー(感想・評価)

3.5素晴らしき世界のままで

2022年2月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

役所広司の全てが怖い。
まず目。何かしでかしそうな、何が企んでそうで、
こちらの思惑は全部お見通しと言う目つきが怖い。
髭の生え方か髪型も怖いし、佇まいも怖い。

なので三上もとても怖かった。
絶対公正してないだろ、
自分の事を悪いと思ってないだろって感じで
嫌な奴かと思っていたら、
切れやすいところはあるが、
実直で人を信じやすく、
悪い事は悪いと言える男でもあった。
人たらしな部分もあって魅力的な人物だった。

こんなガキのまま大人になったような奴、
この世界でやっていけるわけないと思っていたら、
周りに気にかけてくれる人がたくさん集まって
三上もその情を無駄にしたくはないと言う思いが
公正に向かわす仕組みは、
本来あったはずの古き良き日本の人間関係なのかなと、
粗暴だから見放すのではなく、長所を伸ばしてやろうと
言う働きかけは大事だなと思いました。

三上に関してはとても恵まれた環境だと思うけど、
結末はこれ以上この世界の汚い部分を見せたくない
と言う監督の思いなのかなと、
つまり、昔はあった素晴らしき世界は
もう今はなくなってませんか?と言う問いかけのように
僕は感じました。

役所広司さんの素晴らしさは言わずもがな。
今作も魅力をたっぷり堪能させてもらったけど、
仲野大賀さんもとても良かったです。

奥嶋ひろまさ