「役所広司の見本市」すばらしき世界 CINE LADAさんの映画レビュー(感想・評価)
役所広司の見本市
三上を演じる役所広司が凄い。圧倒的だ。なんなんだこの人は。
暴力に明け暮れ、暴力を悪びれず生きてきた男が何故こんなにも愛おしいのか。時代に取り残されたヤクザが生き悩む姿に、何故こんなにも胸を打たれてしまうのか。何度も後退しながらも少しずつ前に進む彼の姿に、子どもの成長を見守るかのような期待と不安が入り混じる。手に汗を握る。
そして彼は嘘をつく。その姿を観て、歯を食いしばり、爪を立て拳を握った。弱者を見放す嘘と弱者を守る暴力。この世は一体どうなってしまったんだろう。皆が思うのではないだろうか、この世の中は「すばらしき世界」と言えるのかと。
英題の「UNDER THE OPEN SKY」はシャバとも読める。13年間の刑務所暮らしを終えて、三上は広い空の下で小さな一歩を踏み出した。それは十分にすばらしい世界なのではないか。せめてそう思いたいのだ。
それにしても圧巻なのは役所広司の死の演技。孤狼の血と言い、あの人はもしかして自由自在に魂を取り出せるのではないだろうか?恐ろしさを感じるほどの演技に感服。これぞ俳優。
はじめまして。CINE LADAさん。
みかずきです。
共感&フォローありがとうございます。
10年くらい映画レビューを書き続けていますが、
こちらのサイトには、本年2月に登録したばかりです。
よろしくお願いします。
本作、CINE LADAさんのレビュータイトルにあるように、
正しく、役所広司の独壇場でした。
どんな役をやっても、心を鷲掴みにされてしまう役者ですね。
では、また共感作で交流しましょう。
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