「悲し過ぎる現実、そして結末」すばらしき世界 marimariパパさんの映画レビュー(感想・評価)
悲し過ぎる現実、そして結末
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昭和に書かれた原作を二時代超えても今なお変わっていない現実。もちろん反社会に入り込み抜け出せない主人公の自業自得的なところは否めないものの、そうじゃなくても社会に馴染めない人たちに手を差し伸べることで光が見えるエンディング、例えば『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のように、書いた本の出版シーンに被って津乃田が走るところが観たかったと期待してしまった私自身あまちゃんでした。
三上(役所広司さん)の身許引受人、庄司弁護士夫妻(橋爪功さん、梶芽衣子さん)、ライターの津乃田(仲野大賀さん)、スーパーの松本店長(六角精児さん)、役所の井口(北村有起哉さん)5人の素晴らしき人たちに支えられ、元妻(安田成美さん)との再会の約束を心から喜ぶ姿になんとかならなかったかな、というのが正直な気持ちです。自分の中で何かが開いた津乃田がある意味純粋な三上の背中を流しながら言った台詞が重く心に響きました。
支えてくれた人たちに報いるため介護施設内で三上が必死に耐え、無理して笑うシーンは苦々しく思ってしまいました。いい役者さん揃いでしたがその中でも役所広司さんの圧倒的な存在感に改めて感動しました。
あと味はよくありませんが今の日本人、特に政(まつりごと)に携わるお偉き方々に是非観てほしいと思う、本当に考えさせられる映画でした。
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