「悲劇な結末がハッピーエンド色に染まった」すばらしき世界 エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
悲劇な結末がハッピーエンド色に染まった
女性として西川美和さんに魅かれます。
おこがましいと知りつつ焦がれます。
そんなこんなの15年。
肝心の新作はシンプルに『傑作』と言えるものだった。激しく激しく感動した。
役所広司さん演じる主人公の三上は親の愛情を知らずに育った根っからのヤクザだった。13年の刑期を終え堅気として生きようとするも、直情型の性格ゆえにままならない。
役所さんの一触即発の迫力に圧倒された。自からすべてを壊してしまいそうで緊張しながら観た。
三上が接する社会も歪んでいた。三上の振幅と相まって緊張感を増した。
太賀くん演じるテレビディレクターの津乃田が三上のすべてを見届けた。昨年の『生きちゃった』に続き太賀くんと一緒に鼻水垂らしながら泣いた。
悲劇な結末が三上を見守った人々の涙でちょっぴりハッピーエンド色に染まった気がした。気のせいだったのかなぁ。『すばらしき世界』は自分らが作るものだろうが。
【追伸】偶然とはいえ先日観た『ヤクザと家族』とのインターバルは2週間。上映順もベスト。何れもヤクザと社会を描いた傑作だった。
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gachonさんのコメント
2021年4月12日
今年みた映画でやっぱりこの作品が一番、役所さんうますぎもあるけど、三上っていう人が憎めず誰でも好きになりますね。西川監督も佐木隆三の原作で、三上を見つけて映画にしようと思ったはず。