許された子どもたちのレビュー・感想・評価
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諸悪の根源は犯行を覆させた弁護士と何も分かっていない製作者
刑事事件での不起訴なら、民事でガッポリ貰うのが当たり前。この場合、犯行を覆させる弁護士を含めて、損害賠償請求を起こすべきである。
色々な話を合成させて、あり得ない話にしてしまっている。
初頭のストーリーを見る限り、殺人や傷害が故意ではないのだから、犯行を覆させる証言を弁護士が誘導する事は絶対にない。誰が殺したか火を見るよりも明らか。
つまり、加害者家族は民事的には償うのが当たり前。ここまでこじれたんだから。その位の覚悟はすべきだ。
つくづく思うことはこんなインチキな映画で少年法の改正を煽って貰いたくない。
やはり、少年は自首すべきだし、被害者は民事的な勝利に邁進すべきだ。
また、女◯高生をコンクリ◯ト詰めにして殺◯た事件は故意による集団的暴行ゆえに全く別の問題である。
その点から見ても
この話は無責任に盛りすぎ。
警察当局は民事事件には介入出来ないので、観念的な不利益は民事で晴らそう!!!
この事件はイジメの結果で殺された訳では無い事をまずは理解しよう。イジメを助けようとした少年を誤って殺したのだから。しかも、当初は事故なのだから。
この結末で、加害者を含めて社会対事件の構図を無理に作って、それを本来のイジメとし、そのイジメが加速するストーリー展開にしてしまっている。きちんとした弁護士とコンプライアンスを遵守する教育現場なら、こんな結末には絶対にならない。寧ろ、この映画は煽りすぎている。
西洋の映画なら、宗教とその贖罪があるので、加害者自身の心の変化を先ずは描く。周囲のヘイト的な行為や肉親の態度はここまで露骨ではないし、肉親はかばってもくれないはずだ。アル・カポネの母親は死ぬまで息子を自慢していたと聞く。でも、アル・カポネが悪事を働いていた事は理解していた。
だから、こう言った二次的なヘイト行為は日本人やアジア系の民族特有なのかもしれない。
一番の悪はいったい…誰だ?
冒頭の血まみれシーン、小学生であんなになるほどのイジメって、一体何をされたんだろう。
その経験中抑圧した怒りを爆発させるようになって、あんな思春期男子になったのだろうか。
キラの生い立ちはさほど酷くなさそう。
母親は息子の心を育てようと努力しないが、愛情は歪んでいても注いでいる。
父親は何も深く考えてもいないし男親としての信念みたいなものはまるでないが、まぁあんなのはよくいるだろう。
キラが、あんな人間に育つにはあまりにもその要素が少なく、観ていて納得できない部分が、逆にとてもリアルだと感じた。
作中描かれ続ける世間の私的制裁。
いきすぎた正義感と思えなくもないが、単にお祭り騒ぎとして楽しんでいる者も、少なからずいるように思う。
人を殺したのに裁かれなかった「法治国家なはずなのに法律に許されてしまった子ども」だから、みんなで裁こう、コイツになら何をしてもいいのだ、ということを武器にして、自分達のストレスをぶつけているだけにも見える、集団狂気の様は現代社会の深い闇だ。
どれだけ追い込まれても息子を盲信する母親に、Motherで息子をいたぶり続けた母親が重なる。
共依存のような親子関係は、きっとまたいつか新たな犠牲者を生み出すのだろう。
そのときは私的制裁ではなく、きちんと法によって裁かれて欲しいものです。
彼を無理矢理不処分にした篠原という弁護士なのか、安易に不処分の結論を出した裁判官?なのか、自分の望む息子の姿を押し付けた母親なのか、殺したのに嘘をついたキラなのか。
一番の悪は、いったい誰なんだろう。
共依存の成れの果て
非常に重くて深い…だけどそれは誰の懐にも潜んでいる…だからこそ恐ろしい。
我が子のやったこと(それは殺人に限らず、ふだんの行動も)の真実を知ろうともしないで、我が子を庇う母。
善悪が分からなくなっている子どもたち…。
これは共依存の最たるものだろうが、こんなことはどこにでも転がっているのだ。
それが法に触れないから気付いていないだけで…。
ラスト近く、少年が夢の話をする。少年が向こうにいる赤ちゃんに向かって笑顔で手を振る。
そんな感情が、同級生をいじめ、殺した少年に同居していることの恐ろしさ…でもそんなこと、現実社会にはそれこそ恐ろしいくらいの数で存在しているのだ。
そしてラストシーン、少年と母親が煙草を吸いながら坂道を登って来る。14歳の少年と吸いかけの煙草をやり取りしながら…!
この後に及んでまだ尚気付かない、いや、気付けないところへ来てしまった。そして、この後も恐らく誰も彼らを止めることは出来ない、これが如何ともし難い現実なのです…
すごかった
いじめっ子顔の主人公がどんどん追い込まれていく様子にサディスティックな喜びを感じてしまう、そんな陰キャな自分の意地悪な感性を刺激されてつらい。自分の過去を蒸し返されていたたまれない気持ちになる。一番つらいのはいじめっ子メンバーの中の最底辺のグリムくんなのだけど、よく残りの二人がゲロしなかったものだ。
うちには6歳の男の子と2歳の女の子がいるので、彼らの未来が心配でしかたがない。事件にかかわってしまうと、被害者も加害者も地獄だ。そんなのとかかわりのない平和な世界で、温室でぬるま湯につかった人生を送って欲しいとしか思えない。
いじめについて「卑怯なことはよくない」「人には区別なく優しくするべきだ」「される方もする方も結局傷つく」と言って欲しい。
もっと先まで描いてほしかった
主人公が成長して、自分の罪と自分の言葉で向き合えるようになるところまで描いてほしかった。自分の内面を表現する言葉を持たない主人公というのは、中学生という設定上自然ではあるが、それだけで終わっているのは映画表現として逃げではないか。
世間からの迫害にしても、風化してはいるものの完全に記憶や記録から消え去っているわけではないという段階の在り方を描いてほしかった。
また、リアルに描かれているところとそうでもないところが混在していて全体として不統一な印象を受けた。特にリアリティを感じたのが、学校でいじめについてのディスカッションをするシーンで、「みんなが夢に向かって努力していればいじめはなくなる」と発言した生徒がいて周りから笑われるところなどは実際にやらせてみないとなかなか出てこないだろう。逆にリアリティを感じなかったのが桃子に対するいじめで、やってることが古典的すぎないかと思った。
そもそも桃子がいじめられているという設定自体必要があったか疑問に思う。桃子が主人公にとって都合のいいキャラクター過ぎて違和感がある。
正義派ぶって迫害する側の人間をもっとまじめに描いてもよかったのではないかとも思った。転校先で主人公の正体をバラす、妙に芝居がかったことを言うが活舌が悪い男子生徒はコミカルで面白いが、そこをコミカルにしてしまっていいのか。主人公の母を殴ったニコ生主にしてもそうである。また、そのニコ生主がそのあとネットで称賛される流れには違和感を感じた。
緑夢という名前は見た瞬間笑ってしまった。スノーボーダーじゃん。匠音というのもダイアモンド☆ユカイの息子の名前だし、どうかと思う。
生々しい描写にイラッと来ますが、日常的に自分の周りにも起こり得る事の怖さを認識させられます。
前評判からなかなかな重い問題作と噂を聞いて、いろいろと気にはなりながらも凹むのも嫌だしとか思いましたが、やっぱり観ない事には始まらないので観賞しました。
で、感想はと言うと、…重い。やっぱり重い。
個人的には見応えがありましたが、かなりリアルに取り扱っていて、結構な問題作。
でも、いろんな意味で問題定義を投げ掛けてきて、観る側を確実に選ぶ作品ですね。
昨年観賞した「岬の兄妹」並みの衝撃です。
虐めから同級生を殺害してしまい、一旦は罪を認めたが殺害を否定し、無罪となった13歳の少年と家族のそれからを描いていますが、もうこれが"これでもか!これでもか!"と世間の叩きが起こってくる。
2015年に起こった「川崎中1男子殺害事件」をベースにしているのか、かなり類似点も多く、また
「大津市中2いじめ自殺事件」も参考にしているかと思われる所もありますが、この手の陰湿な虐めの事件は正直多々ありすぎて、どれも似ている事や気がつけば日常的に起こっていると思うぐらいに在りすぎて、考えれば考える程ゲンナリしてきます。
また、ネットで過剰に加害者を叩く者も実在の人物をモデルにしていると言うか、そのまんま過ぎて、ちょっと笑えない所まで来ている感じで、リアリティを求め過ぎたきらいは正直あります。
だからこそ、この作品が過剰にリアルすぎるんですよね。
虐めの首謀者の少年、絆星(きら)と言うのも「DEATH NOTE」から引用しているのか、中二病的なキラキラネームっぽいが、他の加害者の三人もなかなかなキラキラネームw
キラキラネーム = DQNではないけど、そんなイメージを連想させます。
絆星と家族に対する世間の非難と私刑は何処か「しょうがないよね」と思う所があったにしてもかなり悲惨。因果応報と言う言葉だけでは片付けられない感じです。
この辺りは名作「時計じかけのオレンジ」で出所後のアレックスに対する壮絶な虐めや仕打ちと良く似ているし、聾唖の少女を虐めていた男の子が一転して加害者から被害者に変わる、これまた名作アニメの「聲の形」とよく似てますが、現代風にネットを通しての叩きが生々しい。
絆星と母親の開き直りとも取れる行動と辟易しますが、母親の行動がまたそれに拍車をかけている。
母親の気持ちを俯瞰で見ると分からなくもない所もあって、「子供の為なら鬼でも夜叉にでもなる母親の気持ち」を体現している訳ですが、罪を認めない事と証拠を隠蔽した事。それがまた絆星を苦しめていきます。
子を思う母親の気持ちは分からなくはないけど、罪を認めて前に進ませないのは自分が男だからか、どうにも理解がし難いです。
気分転換に行くカラオケもなんかムカつくんですよねw
また、言われなき誹謗からクラスで虐めを受けている桃子との交流も絆星を苦しめていき、また事件と向き合う様になっていきます。
引っ越した事と素性を明かないが、ある時身元がバレて、クラスメートが必要以上の叩きを始めるのは生々しくイラッときます。
加害者の絆星がいつの間にか叩かれる側になり、自身の行いを正義の鉄槌とばかりにクラスメートが憎々しく見える逆転現象は目新しくはなくても、不思議な感覚になります。
絆星役の上村侑くんはかなり上手い。特に目力が凄くて、ふてぶてしくも脆く危ない役を見事に演じてます。
目力が強いと言うと個人的に柳楽優弥さんを思い出しますが、そう言えば柳楽優弥さんのデビュー作の「誰も知らない」の時と被る感じですね。
この作品に個人的に思ったのは今のネット社会における過剰なバッシングで誰でも被害者にも加害者にもなるかもしれない、ギリギリのフチを歩いている事。
「悪意なき悪意」「正義を笠に着た過剰なバッシング」は観ていてもかなりイラッときますが、いつ自分がそうなるか分からないし、そうなってるかも知れない。
劇中のホームルームでイジメについての議論なんかは、様々な意見をディスカッションする事自体は良いとしても、力のある者が"虐められる方にも問題がある"と発言すると後は数の理論でイジメを容認する様に他の者を先導する。
一見無意味に思える議論でも実際にそんなディスカッションが学校で行われている事がなんか怖いんですよね。
一転して、加害者である絆星が被害者となり、過剰な自称正義のバッシングは観ていてもかなり胸クソになりますが、暴力が暴力を産む構図はいつの時代でも変わらない事を認識させられ、また誰もが正義の裁きをくだす事の無自覚に怖くなります。
この作品で個人的に良かったのは、事件と向き合うがだからと言って簡単に反省はしないと言う所。
正直13歳にもなろうとする少年少女は大人が考えるよりも子供ではないし、馬鹿でもない。かと言って大人でもない。
だからと言って、大人の杓子定規に当て嵌めてる事も出来ないが、これだけの情報がスマホやパソコンで簡単に手に入る様になれば、決して思っている程の単純ではないが、壊れやすい純粋さを持っていて、難しいんですよね。
タイトルにある「許された子供たち」と言うのは、ある意味かなりの皮肉で、許されたと謳う事で逆に貶めている。
事件を起こした加害者を肯定する事は出来ないが、かと言って、加害者を過剰に叩く事も良しとは思えない。
観て良かったとは思わないけど、過剰に道徳を感じる事もないけど、観た事で考えさせられる作品ではあるかなと思います。
なかなか胃がキューっと痛くなって、きっつい感じではありますが、如何でしょうか?
DQN母子
中学1年13歳の悪ガキが仲間たちと遊ぶ中、虐めていた少年を割り箸ボーガンで撃ち殺したことから巻き起こる話。
警察の誘導により一度は自供するも、付添人の暗躍により供述を覆し、不処分になるという胸クソストーリー。
まあ、警察も酷かったけど、何れにせよ13歳だし。
「この親にして」な思慮の足りない母親と、悪びれることのない主人公には私刑が待っていたという展開。
名前を変え住居を変え、新たな地での出来事は色々考える機会になるべきところだけど、結局は自分のことばかり。
反省か自戒か厚顔か狂乱か、どこへ向かうののか…。
いじめに関する討論に、ネットと私刑、被害者と加害者のその後や感情等々、色々と投げてくるけれど、なんだかどれも投げっぱなし。
胸クソの悪さは非常に良かったんだけどね。
ある意味リアルだけど、映画としては物足りない終わり方だったかな。
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